COSMOSIL

C18-OPN

現在、オープンクロマトグラフィーでは順相条件での分離が主流となっています。しかし高速液体クロマトグラフィー(HPLC)では逆相条件での使用が中心であり、オープンカラムクロマトグラフィーにおいても逆相系充填剤が用いられるようになってきました。しかし、従来の逆相系充填剤は展開溶媒の水濃度が30〜50% になると充填剤が展開溶媒になじまなくなり、極端な場合には充填剤が浮き上がる現象が起こるため、使用する展開溶媒の水濃度に著しい制限を受けました。
コスモシールC18-OPN 充填剤はこの制限を全く受けず、水100% でも浮き上がることなく使用できる、弊社独自のオープンカラムクロマトグラフィー用の浸水型逆相充填剤です。

特性

コスモシールC18-OPN 充填剤は、図1に示したようにC18型充填剤の外側表面を親水性化し、極性の高い展開溶媒との親和性を向上させ、かつ充填剤の細孔内部のオクタデシル基の疎水性によって、疎水性相互作用による逆相分配型の分離を達成させる浸水型の逆相充填剤です。


図1 コスモシールC18-OPN 充填剤の構造

分離例

逆相条件での分離(テオブロミン・テオフィリンの分離)

テオブロミン、テオフィリンをオープンクロマトグラフィーで逆相分離する場合、十分な分離度を得るためには有機溶媒濃度を50% 以下にしなければなりません。 このような水濃度が高い展開溶媒では、従来の逆相充填剤は浮き上がってしまい、分離に用いることができませんでした。
しかしコスモシールC18-OPN 充填剤では、図1に示したように水濃度70% の展開溶媒でも使用可能となり、完全に分離することができます。

分析条件
充填剤 COSMOSIL 75C18-OPN サンプル
  1. Theobromine
  2. Theophylline
    (各100mg)
カラム 内径20mm ベット高250mm
移動相 メタノール: 水=30:70
流 速 0.2ml/min
温 度 室温
検 出 UV 254nm

粒子径の比較

コスモシールC18-OPN は、75、140µm 2 種類の粒子径をご用意しています。粒子径の違いによりピークの鋭さや、流速は異なりますが、溶出挙動は同じです。用途にあった粒子径を選択してください。

分析条件
カラム 内径10mm ベット高250mm サンプル
  1. Theobromine (TB)
  2. Theophylline (TP)
  3. Caffeine (CF)
移動相 メタノール: 水=20:80
温 度 室温
検 出 UV 254nm

75µm と140µm の比較

粒子径
(µm)
流速
(ml/min)
理論段数(段) Rs 分離時間
(min)
溶媒消費量
(ml)
TB TP CF TB/TP TP/CF
75 0.25 400 390 340 1 1.74 240 60
140 0.6 300 280 260 0.9 1.4 100 60

流速について

図2 メタノール- 水系展開溶媒の組成と流速の関係
カラムサイズ: 内径10mm ベット高180mm、自然重力送液

逆相クロマトグラフィーでは一般にメタノール、水などの粘度の高い溶媒を用いるため、粘度の低いヘキサン、酢酸エチルなどを用いる順相クロマトグラフィーよりも流速は遅くなります。さらに逆相クロマトグラフィーでは展開溶媒の組成の変化によって流速は大きく変化します。図2にメタノール- 水系展開溶媒の組成と流速の関係を示しました。高流速型の140µm では高分離型75µmの約2.5 倍の流速が得られます。

順相との比較

順相、逆相条件での分離(p - クレゾール・p - エチルフェノールの分離)

p - クレゾール、p - エチルフェノールはメチレン基1 個の構造差であり、シリカゲル順相条件での分離は非常に困難ですが、疎水性相互作用を主とする逆相条件では容易に分離することができます。以下の図はシリカゲルでの順相分離とコスモシールC18-OPN 充填剤での逆相分離の比較例ですが、コスモシールC18-OPN 充填剤では完全に分離できます。
溶出時間はシリカゲル順相よりも長くかかっていますが、これはメタノール- 水系溶媒のため粘度が高く流速が遅いためであり、分離に必要な溶媒量は約20mlと順相条件の溶出容量約40ml の1/2 となっています。

分析条件
充填剤 Silica Gel 120(150 〜 325mesh)
カラム 内径10mm ベット高180mm
移動相 n - ヘキサン: 酢酸エチル=90:10
流 速 0.7ml/min
温 度 室温
検 出 UV 254nm
サンプル
  1. p -Cresol
  2. p -Ethylphenol

分析条件
充填剤 COSMOSIL 75C18-OPN
カラム 内径10mm ベット高180mm
移動相 メタノール:水=60:40
流 速 0.2ml/min
温 度 室温
検 出 UV 254nm
サンプル
  1. p -Cresol
  2. p -Ethylphenol

カラムサイズと充填剤量

カラムサイズと必要なおよそのC18-OPN 充填剤量

カラム内径(mmI.D.) ベッド高(mm) 充填剤量(g)
10 150 4
250 7
20 150 17
250 28
30 150 38
250 63

充填方法

カラムクロマト用充填剤のカラム充填方法については、TECHNICAL NOTE ⑫カラムクロマト用充填剤のカラム充填方法をご参照ください。

再生方法

コスモシールC18-OPN 充填剤はテトラヒドロフランやクロロホルムのような溶出力の強い溶媒で洗浄することによって充填剤に吸着した不純物を除去することができます。また、洗浄後再使用した場合でも再現性が良好で、繰り返し使用することができます。
(注意)
シリカゲルを溶解するような高いpH(pH 7 以上)、あるいはC18 固定相の化学結合が切断されるような低いpH(pH 2以下)での洗浄は避けて下さい。洗浄後の充填剤の乾燥は50℃以下にして下さい。

価格表

製品名 サイズ 製品番号 価格
COSMOSIL 75C18-OPN 37842-66 100 g 20,000
37842-95 500 g 85,000
37842-11 1 kg 150,000
COSMOSIL 140C18-OPN 37878-16 100 g 20,000
37878-45 500 g 85,000
37878-61 1 kg 150,000
※掲載の内容は、'17年12月現在の情報に基づいております。