COSMOSIL

② よくあるご質問

Q1. カラムの使用可能な圧力の上限は?

1. カラムの使用可能圧力の上限は?
カラムによって異なるためメーカーにお問い合わせください。コスモシールに関しては以下に示します。
充填剤カラムサイズなど圧力の上限
以下を除く COSMOSIL カラム
(主に逆相クロマトグラフィー用カラム)
粒子径 5, 15 µm

分析用カラム(内径 1.0 ~ 7.5 mm)

20 MPa

分取用カラム(内径 10 mm 以上)

15 MPa
粒子径 3 µm 30 MPa
粒子径 2.5 µm
COSMOCORE カラム 60 MPa
光学異性体分離用カラム
(COSMOSIL CHiRAL シリーズ)
30 MPa
サイズ排除クロマトグラフィー用カラム
(COSMOSIL Diol、CNT カラム)

Diol-120-II、300-II は 20 MPa まで使用可能

15 MPa
RNA 分離用カラム 15 MPa
SFC 用カラム カラム内径(2.1 mm I.D.、4.6 mm I.D.、10 mm I.D.) 30 MPa
カラム内径(20 mm I.D.)  23 MPa

※使用可能範囲内であっても大きな圧力変動はカラムへの負担になり、劣化につながる恐れがありますのでできるだけ避けてください。

Q2. 移動相の流速の上限は?

2. 移動相の流速の上限は?
Q1. に記載の使用可能圧力以下であれば、流速をあげることが可能です。

※できるだけ「⑩カラム内径について(スケールアップ・スケールダウン)」に示した標準流速でのご使用をお薦めします。一般的にカラム圧が高くなるほどカラムの寿命は短くなります。

Q3. カラムの使用可能 pH は?

3. カラムの使用可能 pH は?
カラムによって異なるためメーカーにお問い合わせください。コスモシールに関しては以下に示します。
カラム使用可能な pH
COSMOSIL シリーズ
(全多孔性球状シリカゲル)

COSMOSIL C18-MS-II
COSMOSIL 3C18-EB
pH 2 ~ 10*
COSMOSIL C18-AR-II
COSMOSIL Protein-R
pH 1.5 ~ 7.5*
COSMOSIL CHiRAL A, B, C pH 2 ~ 9*

上記以外のカラム

pH 2 ~ 7.5

COSMOCORE シリーズ
(Core-Shell 型 シリカゲル)

COSMOCORE 2.6C18

pH 1.5 ~ 10*
COSMOCORE シリーズ(2.6C18 以外) pH 2 ~ 7.5
COSMOGEL シリーズ
(親水性ポリマー)

COSMOGEL IEX シリーズ

pH 2 ~ 12
*シリカベースのカラムでは一般的な推奨 pH は 2 ~ 7.5 の範囲になります。推奨 pH 外での使用は可能ですが劣化を早める恐れがあります。

Q4. 緩衝液や塩の濃度は?

4. 緩衝液や塩の濃度は?
カラムによって異なるためメーカーにお問い合わせください。コスモシールに関しては以下に示します。
分離モード緩衝液、塩の濃度
逆相、順相、HILIC 緩衝液濃度範囲(りん酸緩衝液など):0.005 ~ 0.1 mol/L
添加剤濃度(トリフルオロ酢酸、ぎ酸、酢酸など): 0.1 ~ 1.0%
サイズ排除、疎水クロマト、イオン交 緩衝液濃度上限:0.5 mol/L 以下 
塩濃度上限:2 mol/L 以下
SFC 酸性化合物:0.1% トリフルオロ酢酸、0.1% 酢酸、0.1% ぎ酸
塩基性化合物:0.1% ジエチルアミン

  1. 不溶物はカラムの劣化につながります。緩衝液や塩の溶液は必ずろ過してから使用してください。
    例えばミリカップ-HV(#44054-89)を用いると簡単にろ過することができます。
  2. 分析中に塩が析出するとカラムや装置の故障の原因になりますので塩が析出しない濃度でご使用ください。
  3. 有機溶媒と混合後に塩が析出する場合が多いので、HPLC 装置内で移動相を混合する場合には特にご注意ください。
  4. 装置やカラム内に有機溶媒を多く含む場合、まず塩を含まない移動相で置換した後、塩を含む移動相を送液してください。

Q5. 移動相の調製方法は?

5. 移動相の調製方法は?
「④ 移動相の調製方法」をご参照ください。


  1. 有機溶媒比率、緩衝液の濃度や pH は分析結果に影響を与えるため正確に調製してください。
  2. 有機溶媒と水溶液を混合した後は必ず脱気(脱気装置・超音波・アスピレーターなどで)を行ってください。
    なお、脱気装置を使用する場合は脱気する必要はありません。

Q6. 移動相に用いる溶媒のグレードは?

6. 移動相に用いる溶媒のグレードは?
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)用溶媒を使用することをお薦めします。


  1. HPLC 以外のグレードの場合は、紫外吸収を持つ不純物の量が多いためグラジエント分析や微量分析には適していません。
    特に 210 ~ 220 nm など短波長で検出する場合、ベースラインの安定性や検出感度に大きな差が生じ適正な分析ができない恐れがあります。
  2. 酸化防止剤含有の HPLC 以外のグレードの溶媒(テトラヒドロフラン、クロロホルムなど)を使用すると含有されている酸化防止剤がゴーストピークの原因となります。
  3. トリフルオロ酢酸など変質しやすい添加剤は、HPLC 以外のグレードを使用するとベースラインの乱れの原因となる恐れがあります。

Q7. アセトニトリルとメタノールの違いは?

7. アセトニトリルとメタノールの違いは?
逆相クロマトグラフィーでは、有機溶媒としてアセトニトリルとメタノールがよく用いられます。
その違いを表にまとめましたので、ご参照ください。

アセトニトリル(HPLC 用)とメタノール(HPLC 用)の比較
圧力 p35Q7-atu.png カラム :5C18-MS-Ⅱ 4.6 mm I.D. × 150 mm
流速  :1.0 mL/min
温度  :30 ℃
カラムにかかる圧力は、有機溶媒の種類や混合比によって異なります。
同じ濃度の場合、アセトニトリルのほうがメタノールより圧力は低くなります。
溶出力 p35Q7-yousyutu_1.png
カラム:5C18-MS-Ⅱ 
4.6 mm I.D. × 150 mm
流速:1.0 mL/min
温度:30 ℃
同じ濃度比の(アセトニトリル / 水)と(メタノール / 水)では溶出力は(アセトニトリル / 水)の方が強くなります。有機溶媒濃度約 30% ~ 80% の範囲では(アセトニトリル / 水)の有機溶媒濃度を約 10% 上げた(メタノール / 水)でほぼ同等の溶出力となります。
(例: アセトニトリル / 水 = 60 / 40 → メタノール / 水 = 70 / 30)
アセトニトリル(HPLC 用)メタノール(HPLC 用)
吸光度 ・低波長(250 nm 以下)での UV 吸収が小さい
・低波長の分析に ◎
・低波長(250 nm 以下)での UV 吸収が大きい
・低波長の分析には ×
移動相
調製時
・水と混ざると吸熱する
・気泡が抜けにくく脱気しにくい
・水と混ざると発熱する
・気泡が抜けやすく脱気しやすい

Q8. LC/MS や ELSD 検出器で使用できる移動相は?

8. LC/MS や ELSD 検出器で使用できる移動相は?
液体クロマトグラフ質量分析計(LC/MS)や蒸発光散乱検出器(ELSD)では揮発性の移動相を使う必要があります。 HPLC で汎用されるりん酸緩衝液は使用できません。なお、LC/MS において HPLC 用の溶媒が汎用されていますが、高感度分析を行う場合には LC/MS 用の溶媒を推奨します。
分類使用可能な溶媒・添加剤

溶媒

メタノール、エタノール、アセトニトリル、水など

pH 調整試薬

酢酸、ぎ酸、アンモニア水、酢酸アンモニウム、ぎ酸アンモニウムなど
イオンペア試薬 ジブチルアミン、トリエチルアミンなど

トリフルオロ酢酸(TFA)は揮発性ですが、強酸であるためイオン化を妨害して感度低下を招くためあまり用いられていません。
その他、DMSO(ジメチルスルホキシド)、DMF(ジメチルホルムアミド)など揮発しにくい溶媒は少量であればメタノールやアセトニトリルと混合して使用することは可能です。ただし含有量が増えると揮発性が減少し感度が低下する恐れがあります。

Q9. イオンペア試薬を使用するときの注意点は?

9. イオンペア試薬を使用するときの注意点は?
・イオンペア試薬の濃度は通常 5 ~ 10 mmol/L 程度で行ってください。
・酸性イオンペア試薬の場合は pH 7 の移動相、塩基性イオンペア試薬の場合は pH 2.5 の移動相で行います。
・平衡化時間を十分とってください。
・以下に弊社が推奨するイオンペア試薬の条件設定方法を示します。
Q9.png
  1. イオンペア濃度が高くなるほど保持時間は長くなります。
  2. 移動相の pH はサンプルが十分にイオン化する pH に設定してください。
  3. イオンペア試薬を含まない移動相に比べて長い平衡時間が必要です。
  4. イオンペア試薬を用いるとカラムから完全にイオンペア試薬を除去することは難しいため、カラムをイオンペア試薬使用専用にすることをお薦めします。

Q10. 移動相の送液方向は?

10. 移動相の送液方向は?
カラムラベルに記載されている方向に送液してください。

逆方向に送液するとカラム内部の充填剤の充填状態が乱れ、理論段数の低下の原因となります。
また、カラムの入り口側の先端部分に不純物が吸着していることがあるため、検出器や配管を汚し、ノイズの原因にもなります。

Q11. カラムの使用可能な温度は?

11. カラムの使用可能温度は?
カラムによって異なるためメーカーにお問い合わせください。コスモシールに関しては以下に示します。
70℃ 程度まで分析可能ですが、通常は 20 ~ 50℃ の一定温度で分析を行ってください。SFC 用カラムは、50℃以下でご使用ください。

  1. アルカリ性・酸性条件下での高温分析は、特に劣化を早める恐れがあります。
  2. カラムの温度によって保持時間は変動するので分析中は一定の温度を保ってください。なお一般的に温度が高いほどカラム圧力は低く、保持時間は短くなります。

Q12. カラム出荷時の封入溶媒は?

12. カラム出荷時の封入溶媒は?

カラムによって異なるためメーカーにお問い合わせください。
コスモシールに関しては、カラムの検査成績書の下部に記載されています。 Q12kensaseisekisyo.png

Q13. カラムの洗浄方法は?

13. カラムの洗浄方法は?
①カラム内の緩衝液、塩、酸を除去する方法
 ご使用の移動相から緩衝液、塩、酸を抜いた溶媒で 10 ~ 15 分洗浄後、保管してください。
(例: メタノール / 20 mmol/L りん酸緩衝液 = 50 / 50 を使用していた場合は、メタノール / 水 = 50 / 50 で洗浄してください)

有機溶媒と水の比率を変えると、緩衝液の成分が析出する場合があります。

②カラム内の吸着物を洗浄する方法、ベースラインが安定しない場合の改善方法
サンプルをよく溶かし、かつ、溶出力の強い溶媒を使用してください。コスモシールに関しては以下に示します。
分離モード / 用途使用可能な溶媒・添加剤
逆相 (1)サンプルがタンパク質でない場合
メタノールやテトラヒドロフランなど
逆相クロマトグラフ用カラム洗浄キット(#08966-30)
(2)サンプルがタンパク質の場合
0.1% 程度トリフルオロ酢酸含有の 50 ~ 70% 程度のアセトニトリル / 水
※タンパク質の種類により有機溶媒濃度が高くなると析出する場合もあります。

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【今さら聞けない】HPLC ベーシックセミナー 逆相カラムメンテナンス編
順相 メタノール、テトラヒドロフラン、エタノールなど
キラル分離用カラム 使用条件(逆相、順相)によって異なります。上記をご参照ください。
HILIC アセトニトリル / 水 = 50 / 50
Sugar-D および HILIC は水 100% での洗浄も可能です。
サイズ排除 (例)蒸留水など
疎水クロマト (例)蒸留水など
イオン交換 20 ~ 50 mmol/L 緩衝液(pH 4.5 ~ 9.5)など
フラーレン用カラム 1,2,4-トリクロロベンゼンなど
SFC 用カラム メタノール、アセトニトリルなど

シリカゲルを溶解するような pH 7.5 以上のアルカリ性水溶液および、固定相を剥離するような pH 1.5 以下の強酸の溶液は使用できません。シリカベースのカラムでは一般的な使用推奨 pH は 2 ~ 7.5 の範囲になります。推奨 pH 外での使用は可能ですが、劣化を早める恐れがあります。

③カラムの入り口側の先端部分につまった不溶物を除去する方法
カラムの送液方法とは逆向きに、通常分析時の半分程度の流速で洗浄します。
※ カラムの出口側は検出器から外した状態で行ってください。

④カラム圧力が高い場合には、「⑦ 分析圧上昇時の対処方法」をご参照ください。

Q14. カラムの保管方法は?

14. カラムの保管方法は?
カラムによって異なるため、メーカーにお問い合わせください。コスモシールに関しては以下に示します。

①短期間(数日)の保管
ご使用の移動相から緩衝液、塩、酸を抜いた溶媒で 10 ~ 15 分洗浄後、密栓して保管してください。
(例: メタノール / 20 mmol/L リン酸緩衝液 = 50 / 50 を使用していた場合は、メタノール / 水 = 50 / 50 で洗浄してください)コスモゲル IEX は 20 ~ 50 mmol/L 緩衝液(pH 4.5 ~ 9.5)で保存してください。

②長期間(1 カ月以上)の場合
カビの発生、カラムの乾燥、充填剤の劣化を防ぐため下記の溶媒に置換してください。
分離モード / 用途推奨の保存溶媒

逆相

メタノール / 水 = 70 / 30、 アセトニトリル / 水 = 70 / 30 など

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【今さら聞けない】HPLC ベーシックセミナー 逆相カラムメンテナンス編

順相

ハロゲンや酸を含まない有機溶媒 (ヘキサン / エタノール = 90 / 10 など)
キラル分離用カラム
【順相】
n-ヘキサン / 2-プロパノール = 90 / 10 など
【逆相】
エタノールなど
HILIC アセトニトリル / 水 = 90 / 10 など
サイズ排除、疎水クロマト、イオン交換 0.05% アジ化ナトリウム水溶液など
フラーレン用カラム トルエンなど

SFC 用カラム

メタノール、エタノールなど

いずれの場合も密栓をしっかり締め、振動のない冷暗所で保管してください。

Q15. カラムの寿命は?

15. カラムの寿命は?
使用条件(サンプルの種類、移動相の有機溶媒濃度・塩の種類・酸の種類・pH など)によってカラムの寿命は変化するため一概には言えません。
※カラム寿命が短い場合、原因がサンプル由来であることがほとんどです。サンプルの前処理についてご検討いただくことをお薦めします。詳細は「⑤ HPLC 用サンプルの前処理」をご参照ください。

Q16. 劣化したカラムに起こる症状は?

16. 劣化したカラムに起こる症状は?
カラム圧力の上昇、理論段数の低下、保持時間の減少、ピーク形状の崩れ、分離度の低下などが起こります。

対処法については「③トラブルシューティング」をご参照ください。

Q17. カラムの劣化状態の調べ方は?

17. カラムの劣化状態の調べ方は?
カラムに添付されています、「検査成績書」と同条件もしくは同等条件で測定し、カラムの劣化の程度を評価してください。評価される場合は毎回同じ装置で測定し、記録をとっておくと劣化の程度がよく分かります。
各項目についてカラム交換の基準を設け、外れている場合はカラム交換をお薦めします。
評価項目評価内容
保持係数(k 固定相が切断されると保持係数が小さくなります。
理論段数(N) 充填剤の汚れや充填状態の変化によって低下します。
ピーク対称性(S) 充填状態の乱れ、汚れの吸着によってピーク対称性が悪くなります。
圧力 カラムのフィルターの目詰まり、充填剤へのサンプルの吸着、充填剤の微細化などより高くなります。
【参考】コスモシールに関しては以下に示します。

カラム交換の基準については使用される方の状況によりますので一概には言えませんが、目安として 5C18 -MS-Ⅱ(4.6 mm I.D. × 150 mm) での参考値を示します。
・保持係数(k): ナフタレンの k が初期値の 90% 以下
・理論段数(N): 9,000 以下
・ピーク対称性(S): 0.86 ~ 1.25 の範囲から外れる
・圧力: 20 MPa 以上

Q18. セミミクロカラムを使用するときの注意点は?

18. セミミクロカラムを使用するときの注意点は?
インジェクター、配管、検出器の検出セルをセミミクロ用にしてください。

移動相の流速をカラムの断面積に比例して設定してください。具体的には、「⑩カラム内径について(スケールダウン・スケールアップ)」をご参照ください。

Q19. UHPLC カラムを使用するときの注意点は?

19. UHPLC カラムを使用するときの注意点は?
・UHPLC 対応の装置を使用してください。
・一般の HPLC 装置を使用の場合には、検出器のレスポンスを短く(例:0.02 sec)してください。
・インジェクター、配管、検出器の検出セルをセミミクロ用にしてください。
・カラムは、使用可能な圧力の上限値以下でご使用ください。 コスモシール 2.5 µm シリーズ(全多孔性球状シリカゲル)は 30 MPa 以下、 コスモコア シリーズ(Core-Shell 型シリカゲル)は、60 MPa 以下でご使用ください。

Q20. 分取カラムで精製できる量は?

20. 分取カラムで精製できる量は?
サンプルの分離度や移動相に対する溶解性により大きく異なります。まず分析用カラムで最大負荷量を決定し、カラムの内径の断面積比から最大分取量を決定します。

カラムの内径、流速、配管などは、「⑩カラム内径について(スケールダウン・スケールアップ)」をご参照ください。

Q21. 同じ装置で逆相と順相の両方を使用するときの注意点は?

21. 同じ装置で逆相と順相の両方を使用するときの注意点は?
エタノールなど、どちらの移動相にも混じりあう溶媒で置換してから使用する移動相に切り換えてください。

逆相系の移動相(メタノール-水など)と順相系の移動相(n-ヘキサンなど)は混じりあわないため、直接移動相を交換すると、溶媒置換がうまくできません。

Q22. 水100% 移動相で使用できる C18 カラムは?

Q22. 水100% 移動相で使用できる C18 カラムは?
カラムによって異なるためメーカーにお問い合わせください。コスモシールに関しては以下に示します。
COSMOSIL C18-PAQ と COSMOSIL 3C18-EB が該当します。なお、C18 カラム以外のカラムついては、お問い合わせください。

Q23. 装置とカラムとの接続は?

23. 装置とカラムとの接続は?
装置側の接続パーツには、主に 2 種類の形状が存在します。下図(左)の接続パーツ(Waters 型と呼ばれ、一般的な HPLC 装置に汎用されています)と下図(右)の接続パーツ(UHPLC 装置に汎用されています)があり、それぞれチューブ先端の長さが異なります。また、カラム側のジョイントの形状はメーカーによって異なり、間違ったものを接続するとデットボリュームが生じたり、液漏れの原因となるため、注意してください。
弊社では、コスモシール、コスモゲルカラムは下図(左)と接続可能であり、コスモコアカラムは下図(右)と接続可能です。なお、可動式の接続パーツをご使用の場合には、いずれのカラムも接続することが可能です。初めて使用になられる場合には、念のため使用されている装置のメーカーに接続パーツの形状をお問い合わせください。
HPLC 装置型UHPLC 装置型
コスモシール、コスモゲルコスモコア
接続可能な装置の
接続パーツの形状
Q22_33.png Q22_23.png

フェラル先端から出ているチューブの長さが異なります。

Q24. 検出器の使い分けは?

24. 検出器の使い分けは?
検出器の選択はサンプルの性質や測定の目的に応じて選択してください。
検出器特長
紫外可視光度検出器
(UV/VIS 検出器)
【検出方法】 サンプルの吸光度を検出
【適用化合物】 UV 吸収がある化合物やラベル化したサンプル(高感度での分析が可能)
UV 吸収がない化合物には適用不可
【特長】 簡便であり、最も汎用されています
蛍光検出器
(FLD 検出器)
【検出方法】 光を照射して励起されたサンプルの蛍光を検出
【適用化合物】 蛍光性を持っているサンプル
【特長】 UV 吸収が小さい、あるいはない化合物を蛍光ラベル化したサンプルの分析や検出感度が高いため微量成分の分析にも使用します
示差屈折率検出器
(RI 検出器)
【検出方法】 サンプルと移動相の屈折率の差によって検出
【適用化合物】 全サンプル
【特長】 UV 吸収が小さい、あるいはない化合物(糖・アルコール類・アミノ酸など)の分析に使用されます
欠点として温度・移動相組成・流量変化に非常に敏感であり取り扱いには注意が必要です
グラジエント分析には適用不可
電気化学検出器
(ECD 検出器)
【検出方法】 電極表面のサンプルの酸化還元反応により流れた電流を測定し検出
【適用化合物】 酸化・還元性化合物など電気化学的に活性な化合物
【特長】 UV より高感度に検出できるので生体マトリックス内の微量成分の分析などに使用
蒸発光散乱検出器
(ELSD 検出器)
【検出方法】 移動相を蒸発させることにより目的化合物を微粒子化し、その散乱光を測定し検出
【適用化合物】 UV 吸収が小さい、あるいはない化合物(糖・アルコール類・アミノ酸など)
【特長】 グラジエント分析にも使用可能
欠点として不揮発性の移動相は使用できません
質量分析検出器
(MS 検出器)
【検出方法】 サンプルをイオン化し、m/z に応じて分離・検出する
【適用化合物】 液体に溶解しイオン化する化合物
【特長】 分離した成分の MS スペクトルを測定することができ、定性分析に有用です
欠点として不揮発性の移動相は使用できません

Q25. 圧力の表示単位は?

25. 圧力の表示単位は?
多くは SI 単位である MPa(メガパスカル)で表示されています。

海外製や古い装置ではほかの表示も見られます。(換算式:1 MPa = 10.197 kgf/cm2 = 145.0 psi = 10 bar)

Q26. デッドボリュームとは?

26. デッドボリュームとは?
デッドボリュームとは、インジェクターから検出器までの流路で、カラム以外の分離に関係のない容積を指します。

  1. デッドボリュームが大きいと、サンプルの拡散が起こり、ピーク形状の異常を引き起こす恐れがあります。
  2. インジェクターや検出器のセル、インジェクターから検出器までの配管は、カラム内径にあったものを選択しデッドボリュームをできるだけ減らす必要があります。
    配管の内径、セルの選択については、「⑩カラム内径について(スケールダウン・スケールアップ)」をご参照ください。

Q27. サンプルの前処理方法は?

27. サンプルの前処理方法は?
「⑤ HPLC 用サンプルの前処理」をご参照ください。

Q28. 内標準物質の選定方法は?

28. 内標準物質の選定方法は?
内標準物質は下記のような条件を満たせばどのような化合物でも使用可能です。
・目的物質とピークが重ならず、かつ近い位置にピークが現れること
・テーリングや吸着を起こさないこと
・入手が容易で安価であること
・化合物として安定であること

日本薬局方では、Methyl p-Hydroxybenzoate ~ Butyl p-Hydroxybenzoate が汎用されています。

Q29. 取扱説明書の入手方法は?

29. 取扱説明書の入手方法は?
弊社の場合、コスモシール TOP ページの「取扱説明書ダウンロード」から入手ください。
※掲載内容は予告なく変更になる場合があります。