乾燥剤の種類と乾燥能力

1. モレキュラーシーブ

モレキュラーシーブは、下の表のようにその細孔直径によっていくつかの種類があります。
用途によって適当なタイプのものを選んでご使用ください。

(1) モレキュラーシーブ吸着剤の種類と主な用途

タイプ 3A 4A 5A 13X
吸着される分子 H2O, NH3, He
(有効直径<0.3nmの分子)
H2O, NH3, H2S, CO2, C2H6, C3H6, CH3OH, C2H5OH, C4H6
(有効直径<0.4nmの分子)
H2O, NH3, H2S, CO2, n-パラフィン, n-オレフィン, n-C4H9OH
(有効直径<0.5nmの分子)
iso-パラフィン, iso-オレフィン, ジ-n-ブチルアミン芳香族
(有効直径<1nmの分子)
吸着されない分子 CH4, CO2, C2H2, O2, C2H5OH, H2S, C2H4
(有効直径>0.3nmの分子)
C3H8, コンプレッサー油, 環状炭化水素
(有効直径>0.4nmの分子)
iso-化合物, 4員環化合物
(有効直径>0.5nmの分子)
(C4F9)3N
(有効直径>1nmの分子)
代表的な用途 小さな分子の極性溶媒の乾燥(メタノール, エタノール, アセトン, アセトニトリル)およびガス (エチレン, ブタジエンなど)の乾燥 一般の有機溶媒の乾燥(キシレン, クロロホルム, ニトロメタン, DMSOなど
※3Aより乾燥能力が大きい)および天然ガス, 液相飽和炭化水素, 天然ガスからCO2の除去
大きな分子の有機溶媒の乾燥(THF, ジオキサンなど)およびナフサ, ケロシンからn-パラフィンの回収 非常に大きな分子の有機溶媒の乾燥, および脱硫, 乾燥, 水分とCO2の同時除去, 炭化水素の吸着

注:吸着口径は3A<4A<5A<13Xの順ですので、例えば3Aに吸着される分子は、4A、5A、13Xの全てに吸着されます。

(2) モレキュラーシーブの乾燥能力と必要量

モレキュラーシーブの乾燥能力は最大20%なので、例えば、水分含量0.5%の有機溶媒1Lの場合、50gのモレキュラーシーブを必要とします。

(3) 使用法

A. 静置法
有機溶媒にモレキュラーシーブを加え、時々攪拌しながら24時間放置する。

B. カラム法
モレキュラーシーブ250gをカラム(25×600mm)に充填し、乾燥する溶媒を2~3L/hr.の流速で流す(このとき初留250mlは除去する)。この方法は静置乾燥より強力であり、時間もかからないが、水分含量の多い溶媒や極性溶媒など乾燥しにくい溶媒の乾燥には前もって静置乾燥を行うとより効果が高い。

(4) 各種有機溶媒の乾燥実測例

有機溶媒 水分含有量(wt%) 使用モレキュラーシーブ
乾燥前 乾燥後
Acetone 0.2 0.002 3A
Acetonitrile 0.1 0.002 3A
Benzene 0.03 0.003 4A
Chloroform 0.01 0.002 4A
Cyclohexane 0.02 0.002 4A
Dichloromethane 0.05 0.002 4A
Diethyl Ether 0.04 0.002 4A
N, N‐Dimethylformamide 0.2 0.004 4A
1, 4‐Dioxane 0.2 0.002 5A
Ethanol 0.05 0.004 3A
Ethyl Acetate 0.1 0.003 4A
Isopropyl Ether 0.05 0.002 4A
Methanol 0.04 0.004 3A
2‐Propanol 0.05 0.005 3A
Propylene Carbonate 0.05 0.005 4A
Pyridine 0.05 0.003 4A
Tetrahydrofuran 0.1 0.002 5A
Toluene 0.02 0.003 4A
Xylene 0.03 0.002 4A

(5) 再生法

モレキュラーシーブは容易に再生して、繰り返し使用することができます。使用したモレキュラーシーブを多量の水で洗浄するか、またはエタノールで一度洗浄後、水で数回洗浄して付着した溶媒を除去します。次に200~250℃で乾燥します(この場合3~5%の水が残るが、通常の使用には差しつかえない)。
さらに厳密な乾燥を必要とする場合や、乾燥しにくい極性溶媒などに用いるときには、真空中(10-1~10-3mmHg)または乾燥ガス気流下で、300~350℃に加熱し、完全に乾燥します。

(6) 保存法

モレキュラーシーブは空気中の水分を容易に吸着するため、密栓保存してください。

2. その他の乾燥剤

乾燥剤 乾燥
できるもの
乾燥
できないもの
残留水分量
(mgH2O/l
dry air)
乾燥能力
(gH2O/g desiccant)
再生法
(温度)
Aluminium Oxide
酸化アルミニウム
炭化水素類 - 0.003 0.2 175℃
Calcium Chloride
塩化カルシウム
エーテル類,エステル全般,ハロゲン化アルキル,ハロゲン化アリル,飽和炭化水素類,芳香族炭化水素類 アルコール類,アミン類,フェノール類,アルデヒド類,アミド類,アミノ酸,一部のエーテル,ケトン類 0.4 0.2 (不可)
Calcium Oxide
酸化カルシウム
低級アルコール,アミン類,
アンモニア
酸性物質,
エステル類
0.007 0.3 1000℃
Calcium Sulfate, active anhydrous
活性無水硫酸カルシウム
有機化合物全般 - 0.004 - 230~250℃
Magnesium Oxide
酸化マグネシウム
炭化水素,
アルデヒド類,
アルコール類,
塩基性ガス,
アミン類
酸性物質 0.008 0.5 800℃
Magnesium Perchlorate
(Anhydrone)
過塩素酸マグネシウム
(アンヒドロン)
不活性ガス,
空気
有機化合物 0.001 0.2 250℃
(減圧下)
Magnesium Sulfate, Anhydrous
硫酸マグネシウム(無水)
酸を含む化合物全般,ケトン類,アルドヒド類,
エステル類,
ニトリル類
- 1.0 0.2~0.8 (不可)
Phosphorus(Ⅴ) Oxide
酸化リン(Ⅴ)
飽和炭化水素類,芳香族炭化水素類,エーテル類,ハロゲン化アルキル,ハロゲン化アリル,ニトリル類 アルコール類,酸類,アミン類,ケトン類 0.001 0.5 (不可)
Potassium Carbonate, Anhydrous
炭酸カリウム(無水)
アルコール類,ニトリル類,
ケトン類,エステル類,アミン類
酸類,
フェノール類
0.20 0.96 200℃
Potassium Hydroxide
水酸化カリウム
アミン類 酸類,フェノール類,エステル類,アミド類,
酸性ガス
0.3 - (不可)
Silica Gel
シリカゲル
有機化合物全般 - 0.03 0.20 200~350℃
Sodium
Hydroxide
水酸化ナトリウム
アミン類 酸類,フェノール類,エステル類,アミド類 0.16 - (不可)
Sodium Sulfate, Anhydrous
硫酸ナトリウム(無水)
ハロゲン化アルキル類,ハロゲン化アリル類,アルデヒド類,ケトン類,酸類 - 12.0 1.2 (通常
不可)
Sulfuric Acid
硫酸
不活性ガス
デシケーター中の空気
有機化合物(直接接触するには活性すぎる) 0.004 - (不可)
Zinc Chloride
塩化亜鉛
炭化水素類 アンモニア,アミン類,アルコール類 0.9 0.2 110℃

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