ジスルフィド結合を切断する還元剤TCEP-HCl
Tris(2-carboxyethyl)phosphine Hydrochloride〔TCEP-HCl〕は、タンパク質内やタンパク質間のジスルフィド結合を切断する還元剤です。2-メルカプトエタノールと異なり毒物に該当しない還元剤で、電気泳動用試料緩衝液やサンプル抽出時などタンパク質研究で広く使用されています。
特長
- 毒物非該当
- 還元力が強い
- 無臭
- 広範囲のpHで使用可能
製品説明
- 広い範囲のpHの水溶性緩衝液によく溶解する。
- 酸性および塩基性の水溶液は安定。
直接水に溶解すると、pHは約2.5になる。 - 中性付近のりん酸緩衝液では、不安定である。
PBS Bufferで使用する場合は、使用の直前に溶解準備する。
SDS-PAGEのローディングバッファーには、25~50mMで使用されることが多い。
TCEPによるジスルフィド結合の還元
性能評価
還元力 | 熱安定性 |
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※pH未調整 ※TCEPの還元力を100%として比較 |
※pH未調整 ※各々の試薬の調製時の還元力を100%として保存後に残存する還元力の割合を比較 |
還元力・熱安定性の比較における還元力の測定方法
サンプル 2ml
(熱安定性の比較に用いたサンプルは測定前に0.5mMに希釈)
↓ 5mM 4, 4'-ジチオジピリジン 100μl
↓ 5分間反応
吸光度測定(324nm)
SDS-PAGE用試料緩衝液に添加するTCEP濃度 | |||||||||||||||||||||
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試料緩衝液(2倍濃縮)、0.5M TCEP(pH7.0)、γ-グロブリンを下記の濃度になるよう調製
γ-グロブリン(2.5μg/レーン) |
価格表
記載の内容は、'16年9月現在の情報に基づいております。