製品情報

Bullet PAGE One用高速転写緩衝液
Bullet Semi-dry Transfer One

本製品は、セミドライ式ブロッティング用の転写緩衝液です。Bullet PAGE Oneプレキャストゲルからウェスタンブロッティングを行う際に、本製品を転写緩衝液として使用するだけで、わずか10分の短時間で転写を完了させることができます。また、ブロッキング剤のBullet Blocking Oneを組み合わせることで、実験時間の大幅な短縮が可能です。
※本製品はBullet PAGE Oneプレキャストゲル用の転写緩衝液です。他のゲルへの使用については予備検討を行ってください。

特長

| 性能比較 | 使用例 | 使用方法 | 価格表 | 関連製品 |
性能比較

■従来法との比較

本製品の使用により、短時間でも泳動ゲルからメンブレンに効率良くタンパク質を転写できます。従来のKyhse-Andersen(1984)やTowbin(1979)をBullet Semi-dry Transfer Oneと同条件で比較した結果、本製品の転写効率の高いことが確認されました。

転写緩衝液

Bullet Semi-dry

Transfer One

Kyhse-Andersen

法組成*1

Towbin

法組成*2

転写条件

10V(定電圧)、10分

転写後 P1_image01_20160620.png

P1_image02_20160620.png

P1_image03_20160620.png

*1 Kyhse-Andersen J.1984. J. Bio chem. Biophys. Methods 10:203-209
組成:48 mM Tris, 39 mM Glycine, 20% Methanol, 0.04% SDS
*2 Towbin H., Staehelin T., and Gordon J. 1979. Proc. Natl. Acad Sci 76:4350-4354.
組成:25 mM Tris, 192 mM Glycine, 20% Methanol

<実験条件>
電気泳動ゲル:Bullet PAGE One Precast Gel 5-15%(#13079)
サンプル

  1. Protein Ladder One(#09547)を5μl/レーン添加
  2. タンパク質マーカー(10X)(#29458)を2μl/レーン添加
  3. タンパク質マーカー(10X)(#29458)を3倍希釈したものを2μl/レーン添加
  4. タンパク質マーカー(10X)(#29458)を10倍希釈したものを2μl/レーン添加
  5. タンパク質マーカー(10X)(#29458)を30倍希釈したものを2μl/レーン添加

メンブレン:PVDF
転写(セミドライ式):10V(定電圧)で10分
検出:CBB Stain One(#04543)

使用例

■抗原抗体反応による検出

β-Actinの結果のように、強いシグナルで検出される場合は10V、10分の転写で十分にバンドを確認することができますが、COX4の結果のようにシグナルが弱い場合は、電圧を上げることにより、転写時間は10分でも感度アップが図れます。

検出タンパク質

β-Actin

COX4

電圧 10V

10V

25V

転写時間 10分

検出

(化学発光)

P2_image01.png P2_image02.png P2_image03.png

<方法>
●サンプル
HL-60細胞からRIPA Buffer(#08714)により抽出したタンパク質

●操作概要
使用例は、実験の超高速化を実現するBulletシリーズを組み合わせて使用した結果です。電気泳動、転写、ブロッキングの各操作時間を大幅に短縮できています。

使用例は、実験の超高速化を実現するBulletシリーズを組み合わせて使用した結果です。電気泳動、転写、ブロッキングの各操作時間を大幅に短縮できています。

操作使用した製品操作時間

電気泳動

Bullet PAGE One Precast Gel 5-15%(#13079)

10分

セミドライ式転写

Bullet Semi-dry Transfer One(#15353)
*メンブレンはPVDF

5分

ブロッキング

Bullet Blocking One(#13779)

5分

一次抗体反応

Anti β-Actin(C4)(Mouse), Monoclonal

(Santa Cruz #sc-47778)1,000倍希釈

60分

Anti-COX4(D-20)(Goat)

(Santa Cruz #sc-69359) 1,000倍希釈

二次抗体反応

Anti-Mouse IgG(Goat), HRP Conjugate

(Santa Cruz #sc-2005)10,000倍希釈

60分

Anti-Goat IgG(Bovine), HRP Conjugate

(Santa Cruz #sc-2350)10,000倍希釈

化学発光検出

Chemi-Lumi One Super(#02230)

露光5分

使用方法

■実験プロトコール(セミドライ式・PVDFメンブレン・高速転写)

1.転写膜の準備
清潔なトレイ(ディスポトレイなど)に100%メタノール約50mlを注ぎ込み、 PVDFメンブレンの端から順次液中に浸み込ませる要領で浸します。約1分振とう後、メタノールを完全に捨て、精製水で洗浄します。

2.電極板へのセット

PVDFメンブレンよりも一回り大きく切ったろ紙12枚を準備します。

トレイ1とは別に、清潔なトレイを準備します(トレイ2)。

 Bullet Semi-dry Transfer One約40~50 mlを注ぎ込みます。

ろ紙を一枚ずつトレイ2の転写用緩衝液に浸し、トレイ壁で余分な液を拭って電極版(陽極)上に

 ろ紙端から順次密着させる要領で置いていきます。あとの5枚も同様の操作を繰り返します(合計

 6枚のろ紙を重ねます)。

PVDFメンブレンをろ紙同様の要領でろ紙上におきます。

泳動後のゲルを精製水で10秒程度(10~20秒)洗浄し、メンブレンの上に重ねて、ゲルの裏表

 および端がわかるようにボールペンで印をつけます。残りのろ紙も、同じ要領でゲルの上に重ねて

 いきます。

P3_image01.png

電極板(陰極)を取り付け(この時、PVDFメンブレン、ゲルは下図のようにセットされてい

 ます)、電源とブロッティング装置を結線し、10~25Vの定電圧で10分通電します(ミニ

 ゲル(10cm×10cm)で1枚を転写する場合)。

P3_image02.png

Bullet PAGE One Precast Gel(ゲル1枚)転写時の電圧と最大電流値

電圧転写時間最大電流値(開始時)
25 V 10分 約1.2A
10 V 10分 約330mA

転写条件は上の表を参考に設定してください。10V(定電圧)、10分で転写効率が不十分な場合は、転写時間を延長するか、 25V(定電圧)で行ってください。

電源とブロッティング装置の結線を取り除き、電極板(陰極)側から順次剥がす要領でろ紙を取り

 除きます。転写が終了したメンブレンをt-PBS、t-TBS などに浸し、次の工程に進みます(作業を

 中断する場合は、メンブレンが乾かないようにt-PBS、t-TBSに浸します)。

価格表
製品名規格貯法製品番号容量オンラインカタログへ

Bullet Semi-dry Transfer One

SP 室温 15353-01 1 L e-Nacalai.jpg

関連製品

■Bullet シリーズによる超高速化

Bullet Semi-dry Transfer Oneの他にも、電気泳動からウェスタンブロッティングを高速化する製品を販売しています。これらを組み合わせることで、電気泳動からウェスタンブロッティングの超高速化を実現します。 表中の製品名をクリックすることで、各製品の詳細をご覧いただけます。

Bulletシリーズ従来手法
組み合わせ

・Bullet PAGE One Precast Gel
・Bullet Semi-dry Transfer One
・Bullet Blocking One

・一般的なSDS-PAGE用ゲル
・ブロッキング剤(5%スキムミルク)

電気泳動 約10分(400V) 約1時間(200V)
転写 10分 45分
ブロッキング 5分 約1時間
抗体反応~検出 2時間40分
約3時間 約5時間30分

※記載の内容は、'16年6月現在の情報に基づいております。