充実したラインアップ
InvivoGen社 細胞質内DNAセンサーSTING研究用試薬
InvivoGen社は自然免疫研究用試薬で高い評価を受けているメーカーです。細胞質内DNAセンサーとして知られているSTING研究用の製品を紹介します。
STINGは、dsDNAの刺激によりTBK1とIRF3を活性化しI型インターフェロンの発現を誘導するアダプタータンパク質です。一方でSTINGが環状ジヌクレオチド(CDN)と直接結合することで、I 型インターフェロンを誘導することも知られています。
製品カテゴリー
STING遺伝子をノックアウトした細胞を取り揃えています。野生型と比較することでアッセイをすることができます。
ヒトまたはマウスの変異型 STINGを発現するベクターです。
STINGを刺激してインターフェロンの発現を誘導するリガンドで、2種類のグレードからお選びいただけます。
STINGレポーターアッセイ用細胞
STING遺伝子をノックアウトしたレポーターアッセイ用細胞を販売しています。この細胞は、IRF誘導性プロモーターにより制御されているレポーター遺伝子であるSEAP(分泌型アルカリホスファターゼ)もしくはLucia(ルシフェラーゼ)が組み込まれています。分泌されたSEAP、Luciaは、検出試薬であるQUANTI-Blue™ もしくは QUANTI-Luc™を用いて簡単に検出することができます。
実施例
■THP1-Dual™ 細胞とTHP1-Dual™ KO-STING 細胞のリガンドに対する応答
THP1-Dual™ 細胞とTHP1-Dual™ KO-STING 細胞を100ng/ml poly(I:C)LMW/LyoVec™、1μg/ml VACV-70/LyoVec™、3μg/ml 2'3'-cGAMP、10μg/ml c-di-AMPにより刺激した。1×104 U/ml ヒトIFN-αとIFN-βはポジコンとして使用した。 IRFの活性化はLucia(ルシフェラーゼ)検出試薬であるQUANTI-Luc™ を用いてルミノメーターにより発光量を測定した。各リガンドの活性化は、IFN-βによる活性化を100%とした場合の相対値として示されている。
■B16-Blue™ ISG 細胞とB16-Blue™ ISG-KO-STING 細胞のリガンドに対する応答
両細胞を30μg/ml CDNsまたは103 U/ml mIFN-βにより刺激し、24時間インキュベーションした後、SEAPをQUANTI-Blue™を用いて定量した。
■RAW-Lucia™ ISG 細胞とRAW-Lucia™ ISG-KO-STING 細胞のリガンドに対する応答
両細胞を30μg/ml CDNsまたは103 U/ml mIFN-βにより刺激し、24時間インキュベーションした後、LuciaをQUANTI-Luc™を用いて定量した。
価格表
THP1-Dual™ KO-STING Cellsには、Blasticidin、Zeocin™、Normocin™、アッセイ用の基質(QUANTI-Blue™およびQUANTI-Luc™)が含まれています。その他の製品はZeocin™、Normocin™とQUANTI-Blue™またはQUANTI-Luc™が含まれています。
本製品はお手元に到着次第、すぐに培養する必要があります。
製品名 | 毒劇物 | メーカー 製品番号 | 容量 | オンライン カタログへ |
---|---|---|---|---|
THP1-Dual™ KO-STING Cells | 劇 | thpd-kostg | 3-7×106cells |
製品名 | メーカー 製品番号 | 容量 | オンライン カタログへ |
---|---|---|---|
HEK-Blue™ ISG KO-STING Cells | hkb-kostg | 3-7×106cells |
製品名 | メーカー 製品番号 | 容量 | オンライン カタログへ |
---|---|---|---|
B16-Blue™ ISG Cells | bb-ifnabg | 3-7×106cells | |
B16-Blue™ ISG-KO-STING Cells | bb-kostg | 3-7×106cells |
製品名 | メーカー 製品番号 | 容量 | オンライン カタログへ |
---|---|---|---|
RAW-Lucia™ ISG Cells | rawl-isg | 3-7×106cells | |
RAW-Lucia™ ISG-KO-STING Cells | rawl-kostg | 3-7×106cells |
変異型STING発現ベクター
CDNの認識やシグナル伝達に影響を与えるいくつかの変異型STINGがヒトおよびマウスで報告されています。InvivoGen社では、これら変異型STINGを発現ベクター(pUNO1)へ組み込んだ状態で販売しています。
製品情報
■変異導入部位
赤字:変異アミノ酸
製品名 | アミノ酸番号 | 参考文献 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
71 | 155 | 162 | 200 | 230 | 232 | 293 | ||
hSTING-WT | R | V | S | I | G | R | R | ― |
hSTING-H232 | R | V | S | I | G | H | R | 1,2 |
hSTING-A230 | R | V | S | I | A | R | R | 1 |
hSTING-HAQ | H | V | S | I | A | R | Q | 1,3 |
hSTING-A162 | R | V | A | I | G | R | R | 4,5 |
hSTING-M155 | R | M | S | I | G | R | R | 9 |
hSTING-MRP | R | V | S | I | G | R | ― | 6 |
hSTING-N200 | R | V | S | N | G | R | R | 7,8 |
製品名 | アミノ酸番号 | 参考文献 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
70 | 161 | 199 | 229 | 231 | 292 | ||
mSTING-WT | C | S | I | I | R | R | ― |
mSTING-Gt | C | S | N | I | R | R | 8 |
■ベクターマップ
性能評価
■変異型STINGのCDNsおよびDMXAAに対する応答
HEK-Blue™ ISG KO-STING細胞にSTING WTもしくはSTING変異体をトランスフェクションし、その細胞を、10μg/ml 2’3’-cGAMP、3’3’-cGAMP、c-di-GMPもしくはDMXAAにより刺激した。24時間インキュベーション後、SEAPの量をQUANTI-Blue™を用いて定量した。
参考文献
- Yi, G. et al. Single Nucleotide Polymorphisms of Human STING Can Affect Innate Immune Response to Cyclic Dinucleotides. PLoS One. 8(10), e77846 (2013).
- Diner, EJ. et al. The innate immune DNA sensor cGAS produces a noncanonical cyclic dinucleotide that activates human STING. Cell Rep. 3(5), 1355-1361 (2013).
- Jin, L. et al. Identification and characterization of a loss-of-function human MPYS variant. Genes Immun. 12(4), 263-269 (2011).
- Gao, P. et al. Structure-function analysis of STING activation by c[G(2',5')pA(3',5')p] and targeting by antiviral DMXAA. Cell. 154(4), 748-762 (2013).
- Conlon, J. et al. Mouse, but not human STING, binds and signals in response to the vascular disrupting agent 5,6-dimethylxanthenone-4-acetic acid. J Immunol. 190(10), 5216-5225 (2013).
- Chen, H. et al. An Alternative Splicing Isoform of MITA Antagonizes MITA-Mediated Induction of Type I IFNs. J Immunol. 192(3), 1162-1170 (2014).
- Yin, Q. et al. Cyclic di-GMP sensing via the innate immune signaling protein STING. Mol Cell. 46(6), 735-745 (2012).
- Sauer, JD. et al. The N-ethyl-N-nitrosourea-induced Goldenticket mouse mutant reveals an essential function of Sting in the in vivo interferon response to Listeria monocytogenes and cyclic dinucleotides. Infect Immun. 79(9), 688-694 (2011).
- Liu Y. et al. Activated STING in a vascular and pulmonary syndrome. N Engl J Med. 371(6), 507-18 (2014).
価格表
各製品にはFast-media® BlasおよびBlasticidinが含まれています。
STINGリガンド
環状ヌクレオチド(CDN)とDMXAAなどのXanthenone誘導体は、STINGを活性化し、強力なI型インターフェロン応答を誘導するため、自然免疫応答のアゴニストとして注目されています。新製品も拡充されましたので、製品ラインアップ全体を紹介します。
特長
- 2種類のグレードを提供
- 保証項目も充実
グレード
通常グレードと前臨床用グレードのVacciGrade™の2種類を提供しています。
- 通常グレード :純度95%以上、リガンド活性をレポーター細胞により評価
- VacciGrade™ :通常グレードの項目に加え、エンドトキシン(<0.005EU/μg)、完全滅菌条件下での製造を保証
■レポーター細胞を用いた活性評価の例
InvivoGen社より販売のレポーター細胞THP1-Blue™ ISG cellsおよびRAW-Lucia™ ISG cellsを用いて、各リガンドの活性を評価しています。
価格表
※記載の内容は、'16年11月現在の情報に基づいております。