BCIP-NBT溶液キット
本製品は、ブロッティングに最適な高感度のアルカリホスファターゼ染色キットで、目的のタンパク質を迅速・高感度に検出することができます。
特長
- ブロッティングに最適な、高感度のアルカリホスファターゼ染色キット
- 本製品の緩衝液は、アルカリホスファターゼ(ALP)の酵素反応促進剤含有で、従来法と同等の検出感度が約半分の反応時間で得ることが可能
- 染色に必要な試薬はすべて含まれており、簡単な調製ですぐに使用可能
- 発色剤にニトロブルーテトラゾリウム(NBT)を用いており、生成する色素が不溶となり、明瞭なスポットあるいはバンドとして検出
- 発色性基質であるブロモクロロインドリルりん酸(BCIP)と発色剤であるNBTの混合による沈殿や着色は無し
測定原理
本製品はアルカリホスファターゼの発色性基質であるBCIPが、反応により青色を呈します。また、その反応によりNBTが酸化されて紫色の不溶性沈殿となり、明瞭なスポットとして検出されます。
使用方法
ウェスタンブロッティングでの使用方法を示しました。
発色液の調製
緩衝液を十分に転倒混和し、清潔なメスシリンダーに緩衝液100容量と発色原液1容量の割合で混和します。
染色方法
- プロッティングで膜上に固定した抗原にアルカリホスファターゼ標識抗体を反応させた後、界面活性剤(0.05% Tween20など)を含んだトリス緩衝生理食塩水(TBS)で十分に洗浄します。
- 調製した発色液を清潔なプラスチック製トレイに入れ、洗浄した膜を浸して15分間以上室温で静置または振とうします。
- 膜上に泳動像の適当な染色が得られたら、膜を発色液から取り出して流水で10分間以上洗浄して反応を停止させます。
使用例
ドットブロッティング
本製品と従来法でアルカリホスファターゼを染色し、染色能を比較しました。
操作条件
サンプル:Alkaline Phosphatase(ウシ小腸由来)
サンプル量:100ng、10ng、1ng、0.1ng、0.01ng、0.001ng
使用膜:PVDF膜(ニトロセルロース膜も使用可能です)
*従来法では酵素反応促進剤に塩化マグネシウムを使用しています。
従来法と比較して
- 緩衝液にアルカリホスファターゼの酵素反応促進剤を含んでいますので、従来法の検出感度が半分の反応時間で得られます。
- 従来法と同じ反応時間の場合、高感度を示します。
- バックグラウンドが低くなっています。
ウェスタンブロッティング
ウェスタンブロッティングで膜上に固定した抗原に、アルカリホスファターゼ標識抗体を反応させた後、目的とするタンパク質を高感度に検出します。下記の実験では60ngのタンパク質が検出できました。
操作条件
サンプル:ヒト血清
サンプル量:①プレステインドマーカー ②5μg ③1.7μg ④0.55μg ⑤0.2μg ⑥60ng ⑦20ng
一次抗体:ヤギ抗ヒトIgG
二次抗体:ALP標識ウサギ抗ヤギIgG
電気泳動:12.5% SDS-PAGE(35mA、40分間)
使用膜:PVDF膜(ニトロセルロース膜も使用可能です)
発色時間:30分間
比較データ
ドットブロット法による感度比較
条件
サンプル:Alkaline Phosphatase(ウシ小腸由来)
使用膜:PVDF膜
発色時間:15分間
①本製品(200ml分) ②A社キット ③B社キット ④C社キット
今回の結果から、本製品が最も高感度であることが確認されました。さらにDNase、RNaseフリーですので、ハイブリダイゼーションにもご使用いただけます。
参考文献
- Langer, P.R. & Ward, D.C. in Developmental Biology Using Purified Genes, ICN-UCLA Symposium on Molecular and Cellular Biology, ed.Brown, D.D.(Academic, New York) 23, 647-658 (1983).
- Wilson, J.T., Wilson, L.B., deRiel, J.K., Villa-Komaroff, L., Efstratiadis, A., Forget, B.G. & Weissman, S.M., Nucleic Acids Res.5, 563-581 (1978).
- Fukumaki, Y., Ghosh, P.K., Benz, E.J., Jr., Reddy, V.B., Lebowitz, P., Forget, B.G. & Weissman, S.M., Cell 28, 585-593 (1982).
- Hsu, S.M., Raine, L. & Fanger, H., J.Histochem.Cytochem.29, 577-580 (1981).
- Karin, M., Andersen, R.D. & Herscheman, H.R., Eur.J.Biochem.118, 527-531 (1981).
- Wigler, M., Sweet, R., Sim, G.K., Wold, B., Pellicer, A., Lacy, R., Maniatis, T., Silverstein, S. & Axel, R., Cell 16, 777-785 (1979).
使用上の注意
- 使用直前に発色液を調製し、調製後10分以内に発色反応を開始してください。調製後30分以上経過すると、良好な染色性能が得られない可能性があります。
- 発色液を入れるトレイは、プラスチック製を推奨します。ステンレス製トレイを用いた場合、トレイと発色液の接触面に色素が析出する場合があります。
- アルカリホスファターゼ標識抗体を反応させた後の膜洗浄に、りん酸緩衝生理食塩水を使用することは推奨できません。アルカリホスファターゼがりん酸と反応することにより、酵素活性を失う可能性があります。膜洗浄には、界面活性剤(0.05% Tween20など)を含んだトリス緩衝生理食塩水をご使用ください。
- 発色原液はジメチルスルホキシドを含有しています。万一、皮膚に付着した場合は、大量の水で洗い流してください。
キット内容
包装内容 | 成分 | 容量 | 本数 |
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発色原液 | ブロモクロロインドリルりん酸・ニトロブルーテトラゾリウム | 2ml | 1本 |
緩衝液 | トリス塩酸緩衝液 | 200ml | 1本 |
価格表
製品名 | 規格 | 貯法 | 製品 番号 | 容量 | オンライン カタログへ |
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BCIP-NBT Solution Kit for Alkaline Phosphatase Stain, Nuclease tested | SP | 冷凍 | 03937-60 | 1 kit |
※記載の内容は、'02年8月現在の情報に基づいております。