抗原賦活液 HistoVT One
本製品はホルマリン等で固定した凍結切片およびパラフィン包埋した生体組織切片に対し、抗原にダメージを与えることなく、また再現性よく賦活させるのに有効な抗原賦活液です。免疫染色やin situハイブリダイゼーションに有効です。
本製品は、独立行政法人理化学研究所の技術*に基づき製造しております。(*特許取得)
特長
- パラフィン包埋した切片に対し、検出の困難な抗原反応を増強
- 凍結切片に使用可能
- 調製済試薬により高い再現性
比較例
ホルマリン固定-パラフィン包埋
凍結切片
HistoVT Oneで処理すると、他の処理と比較して、顕著に抗原性が賦活化されています。
データご提供: 独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター 発生発達研究グループ
使用方法
抗原賦活液の調製
本製品をイオン交換水で10倍希釈し、緩やかに転倒攪拌を行いながら混合します。
パラフィン切片の場合
- 抗原賦活液をドーゼ(ガラス容器)に入れて温浴槽で90℃に加熱します。
- 脱パラフィンしたスライドを溶液中に浸漬し、90℃で20分間、加熱します。*1
(注意:インキュベート時間は、組織の種類によって異なります。また核内の物質を検出される際は40分間加熱されることをお勧めします。) - 抗原賦活液をイオン交換水、あるいは緩衝液(TBSもしくはPBS)で十分に洗浄します。(3回)
- 『ブロッキングワン(#03953)』などを用いてブロッキングした後、抗原抗体反応を行ってください。
凍結切片の場合
- 抗原賦活液をドーゼ(ガラス容器)に入れて温浴槽で70℃に加熱します。
- ホルマリン固定し、凍結包埋した後、乾燥させた凍結切片を70℃で20分間、加熱します。*1
- 抗原賦活液をイオン交換水あるいは緩衝液(TBSもしくはPBS)で十分に洗浄します。(3回)
- 『ブロッキングワン(#03953)』などを用いてブロッキングした後、抗原抗体反応を行ってください。
(in situハイブリダイゼーションの一例)*2
- 脱パラフィン処理した後、スライドを十分に洗浄します。
- 前処理液(抗原賦活液)にスライドを浸漬し95℃~100℃で40分間、加熱します。*1
- DEPC処理水で十分に洗浄します。
- 切片に70%ホルムアミド・2×SSC液をマウントし100℃のヒートブロック上で5分間加熱します。
- 切片から70%ホルムアミド・2×SSC液を除いた後、ドライアイスを入れたエタノールで急冷脱水します。
- 蛍光標識したプローブを用いて、45℃で一晩ハイブリダイズします。
- 0.1×SSCで洗浄します。
- 緩衝液(TBSもしくはPBS)で洗浄します。
ご注意
*1
- 電子レンジを使用するマイクロウェーブ法では、サンプル中に気泡が発生したり、加熱が不均一となる可能性があります。温浴槽を使用してください。
*2
- in situハイブリダイゼーションでは、必ず器具等はDNase・RNaseフリーのものを使用してください。
- 水は、DEPC処理水などDNase・RNaseフリーの水を使用してください。
- ハイブリダイゼーションの温度やホルムアミド濃度などは、プローブの塩基組成によって異なりますので、あらかじめ最適な条件を確認した後、操作してください。
価格表
※記載の内容は、'16年3月現在の情報に基づいております。
※研究者の皆様のご所属などは、データご提供時の情報に基づいております。