COSMOSIL

COSMOSIL 5C18-MS-II
糖の数によって水溶性の異なるフラボノイドの分析例

データご提供:東洋精糖株式会社 研究開発部 様

アグリコンに付加した糖の数が多い化合物は、C18 カラムでの保持が小さい傾向があり、適切な分析条件を選択する必要があります。今回はフラボノイドの一種であるケルセチン配糖体やヘスペレチン配糖体を一般的な C18 カラムで分析しましたので紹介します。

ケルセチン配糖体の分析例

ケルセチン(クェルセチン)はフラボノイドの一種で、その配糖体であるイソケルシトリン(ケルセチン-3-グルコシド)、ルチン(ケルセチン-3-ルチノシド)もソバ、タマネギ、エンジュなどにも含まれています。これらのケルセチン配糖体は、特定保健用食品や機能性表示食品の素材として注目が集まっていますが、水溶性や安定性が低いなどの理由から用途が限られることが多いです。その課題を解決するために、糖転移酵素を用いて糖を付加したグルコシルイソケルシトリンやグルコシルルチンが用いられています。今回、ケルセチン配糖体類の分析データを紹介します。

(1)実験概要

ケルセチン配糖体類の分析は、C18(ODS)カラムを用いたHPLC法が有効であり、公定書にも記載されている。アグリコンに付加した糖の数が多い方が、C18(ODS)カラムでの保持が小さい傾向にあるため、適切な有機溶媒の種類や濃度を選択することで、これらを分離することができる。

(2)ケルセチン配糖体の分析例

コスモシール 5C18-MS-IIを用いて、4 種類のケルセチン配糖体を分析した。


(下記画像をクリックすると拡大します) TN-15-1.png

考察

コスモシール 5C18-MS-IIを用いて、糖の数によって水溶性の異なるフラボノイドを好適に分離することに成功した。

参考文献

Y Suzuki and K Suzuki, Agric. Biol. Chem., 55(1), 181-187, 1991

ヘスペレチン配糖体の分析例

ヘスペリジンはフラボノイドの一種で、みかんやオレンジ、レモンにも含まれていますが、水溶性や安定性が低いなどの理由から用途が限られることが多いです。その課題を解決するために、糖転移酵素を用いて糖を付加したモノグルコシルヘスペリジンは、特定保健用食品や機能性表示食品、さらには医薬部外品添加剤の素材として注目が集まっています。さらに、そのアグリコンであるヘスペレチンにも数々の機能が見いだされています。今回、ヘスペレチン配糖体類の分析データを紹介します。

(1)実験概要

ヘスペレチン配糖体類の分析は、C18(ODS)カラムを用いた HPLC 法が有効であり、公定書にも記載されている。アグリコンに付加した糖の数が多い方が、C18(ODS)カラムでの保持が小さい傾向にあるため、適切な有機溶媒の種類や濃度を選択することで、これらを分離することでがきる。

ヘスペレチン配糖体の分析例

コスモシール 5C18-MS-IIを用いて、4 種類のヘスペレチン配糖体を分析した。


(下記画像をクリックすると拡大します) TN-15-2.png

考察

コスモシール 5C18-MS-IIを用いて、糖の数によって水溶性の異なるフラボノイドを好適に分離することに成功した。

参考文献

Kometani et al., Biosci. Biotech. Biochem., 58(11), 1990-1994, 1994
※記載の内容は、'16 年 9 月現在の情報に基づいております。
※データをご提供いただきました研究者の皆さまのご所属などの情報は、データご提供時の情報に基づいております。