COSMOSIL

COSMOSIL CHiRAL 5C 
不斉ディールス・アルダー反応の分析例

データご提供:京都大学大学院 理学研究科 化学専攻 生物化学研究室 朴 昭映 助教 / 杉山 弘 教授

コスモシール CHiRAL シリーズは、多糖誘導体結合型キラルカラムです。結合型充填剤を採用することで、さまざまな溶媒が使用可能となります。今回、不斉ディールス・アルダー反応生成物の分析データをご提供いただきましたので紹介します。

(1)実験概要

DNA を不斉源とした DNA ハイブリッド触媒を用いて不斉ディールス・アルダー反応を行いました。生成物のエナンチオ選択性を分析する際に、コスモシール CHiRAL 5C を用いた分離条件を検討しました。また既に先行研究で報告されている分離条件と比較、評価を行いました。

(2)生成物のエナンチオ選択性の評価

ラセミ体での評価

コスモシール CHiRAL 5C と他社多糖誘導体コーティング型(B Type)を用いてラセミ体での評価を行ったところ、他社カラムよりもコスモシール CHiRAL 5C のほうが高い分離能を示しました。
(下記画像をクリックすると拡大します) TN-7-p1_767.png

不斉ディールス・アルダー反応生成物での評価

DNA ハイブリッド触媒による不斉ディールス・アルダー反応の評価を行ったところ、生成物が選択的に合成されていることがわかりました。分析には、コスモシール CHiRAL 5C と他社多糖誘導体コーティング型(B Type)を用いました。

コスモシール CHiRAL 5C

(下記画像をクリックすると拡大します) TN-17-2.png

他社多糖誘導体コーティング型(B Type)

(下記画像をクリックすると拡大します) TN-7-p1_767.png

(3)考察

コスモシール CHiRAL 5C を使うことにより、従来条件と比較してより高分解能に鏡像異性体を分離することができました。またエナンチオ選択性の分析値は従来のカラムと同様であり、新規分離条件として極めて有効であると考えられます。

(4)参考文献

1. S. Park and H. Sugiyama. Angew. Chem., Int. Ed., 49, 3870 (2010).
2. S. Park, I. Okamura, S. Sakashita, J. H. Yum, A. Chiranjit, L. Gao, H. Sugiyama. ACS Catalysis, 5, 4708 (2015).
※記載の内容は、'17 年 7 月現在の情報に基づいております。
※データをご提供いただきました研究者の皆さまのご所属などの情報は、データご提供時の情報に基づいております。