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COSMOSILカラムによる糖質の分析例のご紹介

COSMOSILカラムで分析した分析例の一部、今回は糖質の分析例をご紹介します。この他にも多くの分析例をご用意しています。
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(検索方法は こちら(PDF1.1MB)

食品の主成分は、炭水化物・脂質・タンパク質・ビタミン・無機質などがあげられます。その中で炭水化物は、エネルギー源として重要であり基本的な化学構造は糖類で構成されています。
糖質は、揮発性が乏しくガスクロマトグラフィーでは分析が難しい化合物群であり、液体クロマトグラフィーが汎用的に用いられます。糖質は、分析対象に応じて分離モードを使い分けることにより高速液体クロマトグラフィー (HPLC)で分析が可能となります。各種糖質の推奨カラムによる分析例についてご紹介いたします。

分類1分類2推奨HPLCカラム
単糖・二糖類 グルコース Sugar-D
誘導糖質 乖離基を有する りん酸化糖 HILIC
乖離基を持たない 糖アルコール Sugar-D
オリゴ糖 トレハロース Sugar-D
多糖 ヒアルロン酸 Diol-Ⅱシリーズ / CNTシリーズ
多糖の分解物 酵素分解物 C18-MS-ⅡなどC18シリーズ / Cholester
配糖体 分子量2000未満の低分子の配糖体 カテキン類 C18-MS-ⅡなどC18シリーズ / Cholester
分子量2000以上の高分子の配糖体 糖タンパク質 Protein-Rなどタンパク質分離用カラム

 

1. 単糖・二糖類の分析

単糖や二糖類を分析するために最適なHPLCカラムとしてコスモシール Sugar-Dがあります。Sugar-Dは、定量性・耐久性に優れた糖分離用カラムです。(画像をクリックすると大きな画像になります。)

●清涼飲料などに多く含まれる糖類

●チョコレートなどに多く含まれる糖類
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●ガムなどに含まれる糖類・糖アルコール類 スポーツ飲料などに多く含まれる糖類
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2. 誘導糖質の分析

誘導糖質には、りん酸化糖のように乖離基を有する糖質と、糖アルコールのように乖離基を持たない糖質とがあります。

(1) 乖離基を持つ化合物(りん酸化糖など)
乖離基を持つ糖質は、コスモシール HILICを用いることにより再現性のよい分析ができます。糖分離用カラムコスモシール Sugar-Dにおいても分析は可能ですが、用いる緩衝液により再現性が低下する場合があります。

●りん酸化糖類

D-グルクロン酸
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(2) 乖離基を持たない化合物 (糖アルコールなど)
乖離基を持たない糖アルコールなどの化合物に対しては、単糖などと同様Sugar-Dを用いることにより分析可能となります。
●ガムなどに含まれる糖類・糖アルコール類 N-アセチル-D-グルコサミン
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3. オリゴ糖の分析

オリゴ糖は、例えば腸内善玉菌を増やす効果など、さまざまな生理活性作用が期待されて健康食品に利用されています。10糖程度のオリゴ糖の分析は、糖分離用カラムであるコスモシールSugar-Dを用いることにより分析可能となります。

●シクロデキストリン

●フラクトオリゴ糖
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●イソマルトオリゴ糖 ●ラクチュロース
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●マルトオリゴ糖 ●サポニン
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D-トレハロース ●キシロオリゴ糖
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4. 多糖の分析

最近ヒアルロン酸やコンドロイチンなど食品以外に繊維、化粧品、医薬品な広い範囲に利用され注目されている製品群です。
コンドロイチン硫酸などの多糖の分析には、水系ゲルろ過HPLCカラムであるコスモシール DIOL-Ⅱシリーズを用いることにより分析が可能となります。また100万程度とさらに大きい分子量を有するヒアルロン酸は、カーボンナノチューブ専用カラムであるコスモシール CNTを用いることにより分析が可能となります。

●コンドロイチン硫酸A

●コンドロイチン硫酸C
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●ヒアルロン酸  
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5. 多糖の分解物の分析

(1) コンドロイチン
多糖は、4.に示したようにゲルろ過カラムで分析可能となりますが、酵素法やヒドラジン分解などで生成した分解物を分析する方法がよく用いられます。
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●コンドロイチン硫酸Aの酵素消化物

●コンドロイチン硫酸Cの酵素消化物
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(2)糖鎖の誘導体化
一般的に糖鎖は、UV吸収が小さいため高感度検出が困難となります。そのような場合PA化や蛍光誘導体化することにより高感度検出が可能となります。
●PA-グルコースオリゴマー  
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6. 配糖体の分析

(1) 分子量2000未満
配糖体には、サポニン・強心配糖体など生理活性をもつものも多く存在します。これらの化合物は、疎水性が高いためC18など逆相カラムにおいて分析可能となります。

●イソフラボン配糖体

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D-アミグダリン ジンセノシド類
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ジンセノシド類 ●強心配糖体
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汎用のC18カラムで分離が不十分な場合、異なる分離特性を有するコスモシールCholesterを用いることにより分析が可能となります。
●サポニン類  
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●カテキン類  
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(2) 分子量2000以上
分子量が大きい糖タンパクなどは、タンパク質分離用カラムを用いると分析可能となります。ここではアビジンをタンパク質分離用逆相カラムであるProtein-Rで分析した例を示しています。
●アビジン  
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