COSMOSILカラムによる脂肪酸の分析例のご紹介
COSMOSILカラムで分析した分析例の一部、今回は脂肪酸の分析例をご紹介します。この他にも多くの分析例をご用意しています。
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現在、食品中に含まれるトランス脂肪酸量など脂肪酸に対する関心が高まっております。 脂肪酸は、油脂や脂質などの構成成分である有機酸であり、鎖長に従って短鎖 (炭素数2~4)、中鎖 (炭素数 5~10)、長鎖 (炭素数 11以上)に分類されます。 トランス脂肪酸などの分析は、一般的に食品から脂質を抽出し、その構成脂肪酸をメチルエステル化した後、ガスクロマトグラフィー(GC)で分析します。
しかしながら幾何異性体など多様で複雑な脂肪酸を含む脂質の場合は、GCだけでは十分に分離できない場合があります。そのような場合、高速液体クロマトグラフィー (HPLC) を用いることにより改善できる可能性があります。脂肪酸の分析は、サンプルと目的に応じてGCとHPLCを使い分ける必要があります。
高速液体クロマトグラフィー (HPLC) | ガスクロマトグラフィー(GC) | |||
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COSMOSIL C18 | COSMOSIL Cholester | |||
遊離脂肪酸の分析 | 短鎖脂肪酸の分析 | ○ | (HILIC) | × |
中~長鎖脂肪酸の分析 | ◎ | × | ||
脂肪酸エステルの分析 | 短鎖脂肪酸の分析 | △ | × | |
中~長鎖脂肪酸の分析 | ○ | ◎ | ||
不飽和脂肪酸の位置/幾何異性体分析 | △ | ○ | ◎ | |
高感度分析 | △ | ◎ | ||
【ラベル化】 ◎ | ||||
分取精製 | ◎ | × | ||
多様で複雑な脂肪酸を含む脂質 | GC/HPLCを両方使い分けることにより、高分離が可能 (*1) |
1. 遊離脂肪酸のHPLC分析例
GCでは、ピーク形状・沸点などの理由からメチルエステル化して分析する必要がありますが、HPLCは、誘導体化することなく遊離脂肪酸をそのまま分析することが可能となります。そのため一般的に、遊離脂肪酸の分析には、HPLCが適しています。遊離脂肪酸のHPLCを用いた分析例についてご紹介いたします。
(1) 短鎖遊離脂肪酸 | |
短鎖脂肪酸は、アルキル鎖が短く、HPLCで汎用されるC18カラムでは保持が小さくなります。そのため移動相の水含量が多い移動相条件に適したコスモシール C18-PAQや親水性化合物の分析に適したコスモシール HILICを用いることにより分析が可能となります。 | |
●プロピオン酸 (3:0) |
●アクリル酸 (3:1) |
●酪酸 (4:0) | ●クロトン酸 (4:1) |
(2)中鎖遊離脂肪酸、長鎖遊離脂肪酸 | |
中鎖脂肪酸・長鎖脂肪酸は、疎水性が高く、HPLCで汎用されるC18カラムで分析可能となります。そのためメチル化せず、遊離脂肪酸を分析する場合は、コスモシールC18-MS-IIを用いることにより分析が可能となります。 | |
●カプロン酸 (6:0) | ●ペラルゴン酸 (9:0) |
●ラウリン酸 (12:0) | ●ペンタデシル酸 (15:0) |
2. 不飽和脂肪酸のHPLC分析例
(1) 幾何異性体 (cis/trans) cis/transなど幾何異性体は、疎水性が似通っているため疎水性を認識して分離するC18カラムでは分離が不十分な場合があります。そのような場合、分子形状認識能をもつコスモシール Cholesterを用いることにより分離が改善する可能性があります。 |
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●18 :1 cis-9 / trans-9 脂肪酸 |
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●18 :1 cis-11 / trans-11 脂肪酸 | |
(2)位置異性体 不飽和結合の位置により、C18カラムよりも分子形状認識能をもつコスモシール Cholesterを用いることにより分離が改善する可能性があります。またラベル化することによりHPLCにおいても高感度検出が可能となります。 |
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●ラベル化した18:3 (n-3) / 18:3 (n-6) 脂肪酸エステル | |
3. 脂肪酸メチルのGC分析
GCは、分離能が高く脂肪酸を分析する場合、汎用されます。しかしGCで脂肪酸を分析する場合、沸点や定量性の観点からメチルエステル化する必要があります。
弊社製品の脂肪酸メチル化キット(#06482-04)、精製キット(#06483-94)を用いてメチルエステル体とした後GC分析した例についてご紹介します。