③ トラブルシューティング
- T1. ピーク形状が悪い
- T2. ゴーストピークが出る
- T3. ピークが出てこない
- T4. ベースラインが安定しない
- T5. 保持時間が安定しない
- T6. カラム圧力が上昇した
- T7. 送液ポンプの圧力が変動する
- T8. C18 カラムでサンプルの分離が悪い
- T9. 逆相クロマトグラフィーで保持がほとんどない
- T10. 逆相クロマトグラフィーで分析時間が長い
- T11. 分離の状態が以前と変わった
- T12. 新品のカラムに変えると分離状態が変わった
- T13. カラムからの溶出液が着色している(サンプル由来でない場合)
- T14. カラムを枯らしてしまった
T1. ピーク形状が悪い
- T1. ピーク形状が悪い
-
症状 原因 対処法 特定のピークのみテーリングしている 塩基性化合物と充填剤が好ましくないイオン性相互作用をしています。 残存シラノールの少ないコスモシール 3C18-EB または C18-MS-IIなどにカラムを変更する。
あるいは移動相に酸を 0.1~1.0%程度添加する。金属配位性化合物と充填剤が好ましくない配位性相互作用をしています。 移動相に 5 mmol/L 程度エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム(EDTA・2Na)を添加する。 サンプルと充填剤が好ましくない水素結合性相互作用をしています。 全てのサンプルで同様にテーリングしている
充填剤に隙間が発生している。もしくはカラムが劣化している可能性があります。 カラムは再生不可です。カラムを交換してください。 (カラムを交換しても改善しない場合は)カラム外でのバンド拡散している。 デッドボリュームを減らしてください。(デッドボリュームに関してはQ25をご参照ください。) リーディングしている 移動相と比べて溶出力や pH の差が大きいサンプル溶媒を大量に注入したことが原因である可能性があります。 サンプルを移動相に溶かしてください。溶けない場合は、溶解する溶媒に溶かし、移動相で希釈してください。 注入量を 1/2~1/10 程度に減らしてください。
【注意事項】
リーディングではなくショルダーやピーク割れを起こす場合もあります。ブロードになる 1 〔タンパク質などの高分子(一般的な目安: 分子量 2,000 以上)を分析している〕
分子量の大きなタンパク質が充填剤の細孔径に入れないことが原因である可能性があります。 細孔径が大きいタンパク質分離用逆相クロマトグラフィー用カラムである コスモシール Protein-R(細孔径 300 Å)をお薦めします。
サンプルが過負荷である可能性があります。 注入量を 1/2~1/10 程度に減らしてください。
【注意事項】
ブロードピークではなくテーリングを起こす場合もあります。特定のサンプルのみブロードになる場合
カラムが劣化している可能性があります。充填剤に化合物が吸着を起こしている可能性があります。
吸着が起こりにくいタンパク質分離用逆相クロマトグラフィー用カラムである コスモシール Protein-R をお薦めします。 全てのサンプルでブロードになる場合
カラムが劣化している可能性があります。
カラムの再生不可となります。カラムを交換してください。 疎水クロマトグラフィー用カラム(HIC)において、サンプル溶液中の硫酸アンモニウム濃度が低すぎる可能性があります。 硫酸アンモニウム濃度を 1 mol/L 以上に再調製してください。 ブロードになる 2(分子量が 2,000 以下の低分子を分析している) サンプルが過負荷である可能性があります。 注入量を 1/2~1/10 程度に減らしてください。
【注意事項】
ブロードピークではなくテーリングを起こす場合もあります。特定のサンプルのみブロードになる場合
充填剤に化合物が吸着を起こしている可能性があります。異なる充填剤のカラムへ変更してください。(例えばサンプルが塩基性化合物の場合、塩基性化合物に対して吸着が起こりにくいコスモシール 3C18-EB または C18-MS-IIをお薦めします。
全てのサンプルでブロードになる場合
カラムが劣化している可能性があります。カラムは再生不可です。カラムを交換してください。 特定のピークのみショルダーやピーク割れになる。 2 つ以上のサンプルが含まれており、わずかに分離している可能性があります。 2 つ以上のサンプルをより分離できる分析条件を検討してください。 移動相とサンプル溶媒において、溶出力やサンプルの溶解性が大きく異なる可能性があります。
サンプルを移動相に溶かしてください。溶けない場合は、溶解する溶媒に溶かし移動相で希釈してください。
注入量を 1/2~1/10 程度に減らしてください。 イオン性のサンプルにおいて、解離・非解離が混在している。 移動相の pH をイオン性サンプルの pKa ±2 以上に設定しなおしてください。 全てのサンプルで同様にショルダーやピーク割れを起こす。 移動相とサンプル溶媒において、溶出力やサンプルの溶解性が大きく異なる可能性があります。
サンプルを移動相に溶かしてください。溶けない場合は、溶解する溶媒に溶かし移動相で希釈してください。
注入量を 1/2~1/10 程度に減らしてください。 カラムが劣化している可能性があります。 カラムは再生不可です。カラムを交換してください。
T2. ゴーストピークが出る
- T2. ゴーストピークが出る
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該当する分離モード 原因 対処法 <逆相クロマトグラフィー>
グラジエント溶出法を用いている。水に含まれる不純物ピーク 新しいHPLC用蒸留水をご使用ください。 プレカラムを接続してください。(こちら参照) <逆相クロマトグラフィー>
タンパク質の分析を行っている。前に分析したサンプルの一部がカラムに吸着し、次の分析時に溶出している。 カラムを洗浄してください。洗浄方法は「よくあるご質問 Q13.カラムの洗浄方法は?」を参照してください。 吸着が起こりにくいコスモシール Protein-R をお薦めします。 <全ての分離モード>
サンプル溶媒と移動相が異なっている。サンプル溶媒のピーク サンプルを移動相と同じ溶媒で溶解してください。 溶けない場合は、溶解する溶媒で溶かした後、移動相で希釈してください。 <全ての分離モード>
ブランク分析として移動相を注入した時にピークが出現する。
[同時に分析毎にピーク面積の減少が見られます。]インジェクターの汚染 汚れを溶解するような溶媒(メタノールなど)をシリンジを用いて20 mL 程度注入して洗浄してください。 マイクロシリンジの汚染 汚れを溶解するような溶媒(メタノール、クロロホルム、水など)で洗浄してください。超音波洗浄が有効です。 上記以外 サンプルのコンタミや劣化 サンプルの再調製 移動相の安定剤 安定剤を含まない高速液体クロマトグラフ用溶媒で調製してください。
T3. ピークが出てこない
- T3. ピークが出てこない
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【原因特定方法】まず、t0 を分析してください。
●カラム別対処法t0 を分析した結果 該当する項目 t0 が検出されない 検出器の異常 t0 の保持時間がいつもと違う ポンプの異常 t0 の保持時間はいつもと変わらない カラム別対処法 該当するカラム 原因 対処法 逆相クロマトグラフィー用カラム
サンプルの疎水性が高い場合は、カラム内にとどまっている可能性があります。 (サンプルが溶出してくる程度まで)移動相の溶出力を高めてください。
例:①メタノールやアセトニトリルなどの有機溶媒濃度を上げてください(最大 100%まで)。
②それでも溶出しない場合は、さらに溶出力の高い有機溶媒(テトラヒドロフランやクロロホルムなど)を 10 ~ 30%程度メタノールやアセトニトリルに混ぜた移動相に変更してください(例: テトラヒドロフラン/メタノール = 30/70)
金属配位性や塩基性化合物などがカラムに吸着している可能性があります。 塩基性化合物の場合
残存シラノールの影響が考えられます。コスモシール 3C18-EB または C18-MS-Ⅱなど残存シラノールの少ないカラムへ変更してください。あるいは、移動相に酸(トリフルオロ酢酸や酢酸など)を 0.1 ~ 1.0%程度添加してください。金属配位性化合物の場合
充填剤に含まれる微量の金属不純物との配位が考えられます。移動相に 5 mmol/L 程度エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム(EDTA・2Na)を添加してください。順相クロマトグラフィー用カラム
サンプルの親水性が強く、カラム内にとどまっている可能性があります。 (サンプルが溶出してくる程度まで)移動相の溶出力を高めてください。例えば、溶出性の高い有機溶媒(エタノールなど)へ変更、もしくは含有量を高めてください。 金属配位性や塩基性化合物などがカラム内で吸着している可能性があります。 移動相に酸(トリフルオロ酢酸や酢酸など)を 0.1 ~ 1.0%程度添加してください。 糖分析用専用カラム(Sugar-D・NH2-MS)や親水性クロマトグラフィー用カラム(HILIC)
コスモシール 5NH2-MS を使用している場合は固定相のアミノ基とサンプルが吸着している可能性があります。 吸着を起こしにくい コスモシール Sugar-D を使用してください。 サンプルの親水性が強い場合はカラム内にとどまっている可能性があります。 (サンプルが溶出してくる程度まで)移動相の水の割合を増やしてください。
例:コスモシール Sugar-D やコスモシール HILIC の場合水 100%の条件まで可能です。
コスモシール 5NH2-MS の場合水 50%の条件(例: アセトニトリル/水 = 50/50)まで可能です。ゲルろ過クロマトグラフィー用カラム(Diol)
サンプルとシラノール基が、イオン的な作用を起こしている可能性があります。 移動相のイオン強度を高めるため 0.3 mol/L 程度塩化ナトリウムなどの塩を加えてください。 (イオン的作用を起こさないように)移動相を pH 5.5 以下に調整してください。 疎水的吸着を起こしている可能性があります。 移動相に 10 ~ 50%程度有機溶媒(アセトニトリルなど)を添加してください。
●ポンプの異常疎水クロマトグラフィー用カラム(HIC) サンプルの疎水性が強すぎる可能性があります。 5%程度有機溶媒(メタノールやアセトニトリルなど)を添加してください。 サンプルが注入前に硫安沈殿している可能性があります。 硫酸アンモニウム濃度を 0.5 mol/L 以下まで下げ、沈殿しないようにしてください。
●検出器の異常原因 対処法 ポンプ内での気泡の発生 気泡を抜いてください(下記 T7 をご参照ください)。
液もれ 増締めや配管の交換をしてください。
原因 対処法 検出器が正しく接続されていない 検出器附属の取扱説明書を参考に正しく接続してください。
検出器からレコーダーに信号が適切
に送られてない。信号が出ていないなど検出器自体に問題がある場合は、機器メーカーにお問い合わせください。
サンプルの UV 吸収にあう領域で分析していない。 サンプルに対して適切な UV 吸収領域で分析してください。UV 吸収がない、もしくは UV 吸収が小さい場合は、示差屈折率(RI)検出器や蒸発光散乱(ELSD)検出器などサンプルにあった検出器を使用してください。またはサンプルをラベル化してください。
T4. ベースラインが安定しない
- T4. ベースラインが安定しない
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原因 対処法 カラム内に不純物などが蓄積されて汚れており、その汚れが溶出している可能性があります。 「よくあるご質問 Q13.カラムの洗浄方法は?」に示す溶出力の強い溶媒で洗浄を行ってください。
コスモシール PE-MS・πNAP・PYE・NPE・PBr・Cholester など固定相自体に UV 吸収があるカラムを使用している場合、微量の固定相の剥離によって(UV 吸収があるため)ベースラインが安定しない可能性があります。
「よくあるご質問 Q13.カラムの洗浄方法は?」に示す溶出力の強い溶媒で洗浄を行ってください。
ポンプの圧力が変動している場合は、ポンプに空気が混入している可能性があります。
気泡を抜いてください。(下記 T7 をご参照ください)
示差屈折率検出器(RI 検出器)を使用している場合 温度変化が激しいことが原因である可能性があります。 恒温槽を用いてカラムの温度を一定にするだけでなく、エアコンの風が直接 RI 検出器や配管にあたらないようにしてください。
【注意事項】
装置や配管をエアコンの風が当たらないように覆うなども有効です。(移動相中の)残存ガス量が変化していることが原因である可能性があります。
脱気(脱気装置・超音波・アスピレーターなど)を必ず行ってください。
紫外可視光度検出器において針のようなピークが出ている場合 カラムおよび検出器に気泡が混入している可能性があります。 検出器の出口を押さえ、加圧し気泡を抜いてください。
【注意事項】
圧力をかけすぎるとセルが破損する恐れがありますので注意してください。それでも改善しない場合は、カラムを装着していない状態で粘度の高い溶媒(2-プロパノールなど)を 15 分程度流してください。カラムの温度が移動相の沸点以上になっており、カラム内に気泡が発生している可能性があります。 適切なカラムの温度で分析してください。通常カラムの温度は 20 ~ 50℃で行います。
【注意事項】
正確な分析を行うために、移動相の沸点より 20~50℃低い温度に設定することをお薦めします。(例: メタノール[沸点(b.p):64.7℃]の場合、45℃以下で分析を行うことをお薦めします)
移動相に緩衝液やイオンペア試薬を使用している場合
カラムの平衡不足が原因である可能性があります。 平衡時間を長くしてください。特に、緩衝液やイオンペア試薬を使用した場合、塩を含まない移動相に比べて長い平衡時間が必要です。
移動相中に塩などが析出している可能性があります。塩が析出している場合は、移動相貯槽が濁っている、もしくは沈殿があるなど目視で確認することができます。 (a)緩衝液の濃度を下げる。
(例:100 mmol/L から20 mmol/L へ)
(b)緩衝液の種類を変更する。
(例:りん酸バッファーから酢酸バッファーへ)
(c)有機溶媒濃度を下げる。
(例:70%アセトニトリル/水 = 70/30 から 50/50 へ)
(d)有機溶媒を変更する。
(例:アセトニトリルからメタノールへ)
T5. 保持時間が安定しない
- T5. 保持時間が安定しない
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●装置に原因
該当する装置 原因 対処法 ポンプ
ポンプのチェックバルブに気泡が発生しています。 気泡を抜いてください(下記 T7 ご参照ください)。特に順相クロマトグラフィーで用いる溶媒は、沸点が低いため気泡が発生しやすく、また粘度が低いため気泡が流れ出にくくなります。
液もれしている可能性があります。 液もれ箇所の増締めを行ってください。それでも改善しない場合は、部品の交換を行ってください。
恒温槽(温度調整) 恒温槽やカラムオーブンを用いていない場合は、季節や時刻によってカラムの温度が変化する。 恒温槽やカラムオーブンを用いて一定温度で分析を行ってください。
【注意事項】
恒温槽やカラムオーブンは室温の影響もうけますので設定温度が室温に近い場合には室温+5℃以上に設定することをお薦めします。該当するカラム 原因 対処法 逆相クロマトグラフィー用カラム
移動相にイオンペア試薬を使用している場合。
カラムの平衡不足が原因である可能性があります。カラムの平衡時間を長めにしてください。イオンペア試薬を用いるとイオンペア試薬を用いない分析に比べてカラムの平衡時間が長くなります。 C18 カラムで移動相を水 100%で分析している場合。
一般的に C18 基の寝込みが原因ではないかといわれています。水 100%の 条件でも使用可能なコスモシール C18-PAQ を用いることをお薦めします。
【注意事項】
保持時間の再現性が悪くなってしまったカラムは 50%以上の有機溶媒:水(例: メタノール / 水 = 70 / 30など)で洗浄すると再生する場合があります。順相クロマトグラフィー用カラム
有機溶媒中に含まれる微量の水が保持時間に影響を与える可能性があります。 水を含まない移動相を検討してください。
水を含むサンプル溶媒を使用している場合はサンプル溶媒を変更するか、もしくは注入量を減らしてください。水が入ってしまった場合は、エタノールを用いて洗浄することにより再生することが可能です。糖分析用専用カラム(Sugar-D・NH2-MS)や親水性クロマトグラフィー用カラム(HILIC)
固定相の微量な剥離。 コスモシール Sugar-D および コスモシール HILIC の場合は、水 100% で、また コスモシール NH2-MS ではアセトニトリル / 水 = 50 / 50で 15 分程度洗浄することによって改善される可能性があります。
T6. カラム圧力が上昇した
- T6. カラム圧力が上昇した
- 「⑦ 分析圧上昇時の対処方法」をご参照ください。
T7. 送液ポンプの圧力が変動する
- T7. 送液ポンプの圧力が変動する
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原因 対処法 ポンプのチェックバルブの部分に気泡が発生しています。 ポンプの取扱説明書に従って(ドレインバルブをあけ、送液を行うなど)チェックバルブの気泡を抜いてください。
それでも改善しない場合はチェックバルブの洗浄を行ってください。チェックバルブの洗浄方法もポンプの取扱説明書に従って行ってください。例えば水に浸し超音波洗浄なども有効な方法です。【注意事項】
1. 順相クロマトグラフィー用カラムにおいて頻繁に発生する場合は、プレカラムを接続し分析圧力を上げることで気泡が流れ出やすくなります。
2. 気泡が発生しないように移動相は必ず脱気(超音波・アスピレーターなどで)を行ってください。
T8. C18 カラムでサンプルの分離が悪い
- T8. C18 カラムでサンプルの分離が悪い
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対処法 特徴 カラム長を長くする。 現状である程度分離できているが、もう少し分離したい場合に有効です。
カラム長に比例して圧力が上昇します。
分析時間が長くなります。移動相条件を変える。
(pH、有機溶媒の種類や濃度など)ある程度の知識や経験が必要になります。
複雑な条件は再現性に欠ける場合が多いので注意が必要です。疎水性以外の相互作用を持つ充填剤を使用する。 分子形状やπ電子などサンプルの疎水性以外の特性を識別し分離します。
弊社ではさまざまな相互作用を持つ充填剤を販売しています。「① 逆相クロマトグラフィー用充填剤の相互作用の違いによる分離への効果」をご参照ください。
T9. 逆相クロマトグラフィーで保持がほとんどない
- T9. 逆相クロマトグラフィーで保持がほとんどない
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対処法 特徴 イオンペア試薬を使用する。 疎水性のあるイオンペア試薬とサンプルとがイオン対を形成することにより、固定相に分配されるようになり保持が生じます。非解離性のサンプルには適用できません。
親水性クロマトグラフィー(HILIC)用カラムを使用する。
逆相クロマトグラフィーとは異なり、疎水性の小さなサンプルほど強く保持されます。
T10. 逆相クロマトグラフィーで分析時間が長い
- T10. 逆相クロマトグラフィーで分析時間が長い
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対処法 特徴 グラジエント溶出法を用いる。 分析中に移動相の有機溶媒濃度を変化させることにより分析時間の短縮が可能になります。欠点としては、装置間差がある、ベースラインが上昇する、分析毎に平衡が必要などがあげられます。
超高速 LC 用カラムを使用する。
全多孔性シリカゲルCOSMOSIL 2.5μmシリーズをご参照ください。
移動相条件を検討する。
pH、有機溶媒の種類や濃度などを検討することにより改善する可能性があります。
疎水性の小さな充填剤を使用する。
弊社ではコスモシール CN-MSを推奨しています。
T11. 分離の状態が以前と変わった
- T11. 分離の状態が以前と変わった
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該当する現象 原因 対処法 理論段数の低下
充填状態の劣化(充填剤の乱れ・へこみ・亀裂など)やシリカゲルが溶解している可能性があります。 カラムの再生は不可となります。
保持時間の減少や分離度の低下 充填剤への不純物の蓄積が起こっている可能性があります。 カラムを洗浄することにより再生する可能性があります。
固定相の剥離が起こり、保持時間が低下している可能性があります。 カラムの再生は不可となります。
T12. 新品のカラムに変えると分離状態が変わった
- T12. 新品のカラムに変えると分離状態が変わった
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原因 対処法 分析条件がサンプルにあっていない。 移動相の pH を pKa±2 以上に設定してください。
調製の再現性の高い簡便な組成の移動相を用いてください。
以前使っていたカラムが劣化していた。
カラムが劣化すると保持時間の減少、ピーク形状の変化などが起こります。
その場合は、新しいカラムでの分析結果が正しい分析となります。カラムのロット間差
カラムの名称と製造番号、現在の分離の状態などを弊社までご連絡ください。
(a)分析条件設定時に、3 ロットの充填剤を評価する。
弊社では、コスモシールの高い再現性を証明するために充填剤ロットの異なる3種類のカラムの提供を行っています。詳細はお問い合わせください。以下の 4 製品については 3 ロット 4.6-150 mm の 3 本セットをご用意しています。充填剤 製品番号 価格 COSMOSIL 5C18-MS-Ⅱ 09397-73 126,000 COSMOSIL 5C18-AR-Ⅱ 09396-83 126,000 COSMOSIL Cholester 07970-03 150,000 COSMOSIL HILIC 09385-23 150,000 (b)ロット間の影響が出にくい分析条件を設定する。
移動相、流速、温度などカラム以外の要因の可能性もあります。
原因箇所の特定をしてください。
T13. カラムからの溶出液が着色している(サンプル由来でない場合)
- T13. カラムからの溶出液が着色している(サンプル由来でない場合)
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原因 対処法 固定相の微量剥離物や以前の分析時にカラムに吸着していた物が、溶出しています。 溶出力(メタノールなど)の強い溶媒や逆相クロマトグラフ用カラム洗浄キット(# 08966-30)でカラムを洗浄してください。
【注意事項】
固定相剥離の場合は、微量であるため保持時間にはほとんど影響ないと考えられます。
T14. カラムを枯らしてしまった
- T14. カラムを枯らしてしまった
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粘度の低い溶媒(メタノールなど)を分析時の半分程度の流速で 1 時間程度流してください。その後、カラムの性能 評価を行ってください。問題なければそのままご使用ください。
【注意事項】
カラムを枯らさないためにもカラムは密栓をして、高温にならないところに保管してください。