④ 移動相の調製方法
1. 有機溶媒と水混合の移動相
(例)メタノール/水=70/30 (v/v) 1L
特別に表記がない場合には、体積比(V/V)によって移動相を調製します。
①メタノール700 mLをメスシリンダーに量りとる。
②蒸留水300 mLを別のメスシリンダーに量りとる。
③ ①②を十分に混合した後、脱気を行う。
(注)溶媒の体積は温度によって変化するため、精密性・再現性をよく量るためには、容量を比重換算した重量で計量し調製します。下表にその調製例を示します。
メタノール/水 移動相 1 L の組成表
メタノール/水 | メタノール(g) | 蒸留水(g) |
---|---|---|
90/10(v/v) | 711.9 | 99.8 |
80/20(v/v) | 632.8 | 199.6 |
70/30(v/v) | 553.7 | 299.5 |
60/40(v/v) | 474.6 | 399.3 |
50/50(v/v) | 395.5 | 499.1 |
40/60(v/v) | 316.4 | 598.9 |
30/70(v/v) | 237.3 | 698.7 |
20/80(v/v) | 158.2 | 798.6 |
10/90(v/v) | 79.1 | 898.4 |
アセトニトリル/水 移動相 1 L の組成表
アセトニトリル/水 | アセトニトリル(g) | 蒸留水(g) |
---|---|---|
90/10(v/v) | 707.4 | 99.8 |
80/20(v/v) | 628.8 | 199.6 |
70/30(v/v) | 550.2 | 299.5 |
60/40(v/v) | 471.6 | 399.3 |
50/50(v/v) | 393.0 | 499.1 |
40/60(v/v) | 314.4 | 598.9 |
30/70(v/v) | 235.8 | 698.7 |
20/80(v/v) | 157.2 | 798.6 |
10/90(v/v) | 78.6 | 898.4 |
注意:メタノール、アセトニトリルは医薬用外劇物です。取扱いは手袋・保護メガネ・マスクを着用し、ドラフト内で行ってください。
移動相の有機溶媒濃度の違いに対する保持時間の変化
メタノール濃度が1%違うだけで保持時間は大きく変わります。移動相は正確に調製してください。
分析条件 | |||
---|---|---|---|
カラム | 5C18-MS-II 4.6 mmI.D.-150 mm | 温度 | 30℃ |
流速 | 1.0 mL/min | サンプル |
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検出 | UV254 nm 0.16 AUFS |
2. 緩衝液の調製方法
(例1)20 mmol/Lりん酸緩衝液(pH 2.5)の調製方法
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①20 mmol/Lりん酸二水素ナトリウム水溶液を調製する。
(1 Lのメスフラスコに#31720-65 りん酸二水素ナトリウム(無水)2.40 gを量りとり、蒸留水で1 Lにメスアップする)
②20 mmol/Lりん酸水溶液を調製する。(1Lのメスフラスコに#08964-92 りん酸(純度85%)2.31 gを量りとり、蒸留水で1 Lにメスアップする)
③pHメーターで測定しながら、pH 2.5になるように①と②を混合する。
④ミリカップ-HV (0.45 µm)(#44054-89)で、バッファーを減圧ろ過する。
(注)塩類は不溶性固体を含有している場合があり、送液ポンプのシールの劣化や、カラムの詰まりの原因になるので必ずろ過してください。
⑤有機溶媒と混合する場合には「1. 有機溶媒と水混合の移動相」の例と同様に体積比で混合してください。
(注)混合時に塩が析出していないか確認してください。時間経過後、析出する場合もあります。
調製済みの緩衝液〔#08969-71 りん酸緩衝液(pH 2.5)(5倍濃縮)〕を販売していますのでご利用ください。
(例2)20 mmol/L りん酸緩衝液(pH 7.0)の調製方法
① 20 mmol/Lりん酸二水素ナトリウム水溶液を調製する。。
(1 Lのメスフラスコに#31720-65 りん酸二水素ナトリウム(無水)2.40 gを量りとり、蒸留水で1 Lにメスアップする)
② 20 mmol/Lりん酸水素二ナトリウム水溶液を調製する。(1 Lのメスフラスコに#31801-05 りん酸水素二ナトリウム2.84 gを量りとり、蒸留水で1 Lにメスアップする)
③pHメーターで測定しながら、pH 7.0になるように①と②を混合する。
④ミリカップ-HV (0.45 µm)(#44054-89)で、バッファーを減圧ろ過する。
(注)塩類は不溶性固体を含有している場合があり、送液ポンプのシールの劣化や、カラムの詰まりの原因になるので必ずろ過してください。
⑤有機溶媒と混合する場合には「1. 有機溶媒と水混合の移動相」の例と同様に体積比で混合してください。
(注)混合時に塩が析出していないか確認してください。時間経過後、析出する場合もあります。
調製済みの緩衝液〔#08968-81 りん酸緩衝液(pH 7.0)(5倍濃縮)〕を販売していますのでご利用ください。
(例3)5 mmol/L 1-へキサンスルホン酸ナトリウム,20 mmol/Lりん酸緩衝液(pH2.5)の調製方法
① 5 mmol/L 1-へキサンスルホン酸ナトリウム、20 mmol/Lりん酸二水素ナトリウム水溶液を調製する。
(1 Lのメスフラスコに、#31529-24 1-へキサンスルホン酸ナトリウム 0.94 g と#31720-65 りん酸二水素ナトリウム(無水)2.40 gを量りとり、蒸留水で1 Lにメスアップする)
②5 mmoI/L 1-へキサンスルホン酸ナトリウム、20 mmol/Lりん酸水溶液を調製する。
(1 Lのメスフラスコに、#31529-24 1-へキサンスルホン酸ナトリウム 0.94 gと#08964-92 りん酸(純度85%)2.31 gを量りとり、蒸留水で1 Lにメスアップする)
③ pHメーターで測定しながら、pH 2.5になるように①と②を混合する。
④ミリカップ-HV (0.45 µm)(#44054-89)で、バッファーを減圧ろ過する。
(注)塩類は不溶性固体を含有している場合があり、送液ポンプのシールの劣化や、カラムの詰まりの原因になるので必ずろ過してください。
⑤有機溶媒と混合する場合には「1. 有機溶媒と水混合の移動相」の例と同様に体積比で混合してください。
(注)混合時に塩が析出していないか確認してください。時間経過後、析出する場合もあります。