1-Bromo-3-chloropropane(BCP)
生体サンプル・細胞から核酸を抽出する際、クロロホルムを用いたフェノール / クロロホルム抽出が一般的に行われています。しかし、法改正によりクロロホルムの取り扱い管理が厳しくなりました。そこで、クロロホルムの代わりに 1-Bromo-3-chloropropane(BCP)を用いて抽出することで、有毒性物質の使用量を減らして核酸を単離することができ、取り扱い管理の手間も省くことができます。本製品は弊社フェノール系 Total RNA 抽出試薬 Sepasol®-RNA I Super G との併用を推奨しています。
特長
- クロロホルムの半量で、同等量の Total RNA を回収可能
- 適用法令に該当する項目が少なく、取り扱いや保管管理が容易
製品説明
比較
RNA の収量と純度の比較
Sample type | Amont of starting material |
Total RNA(µg) | 純度(A260/A280) | ||
---|---|---|---|---|---|
クロロホルム | BCP | クロロホルム | BCP | ||
HeLa Cells | 1×106 cells | 20.6±3.0 | 19.6±2.9 | 2.1 | 2.1 |
Jurkat Cells | 1×106 cells | 9.4±1.1 | 9.8±0.9 | 2.1 | 2.1 |
HL-60 Cells | 1×106 cells | 6.6±0.3 |
6.4±0.4 | 2.0 | 2.1 |
Mouse Embryo Fibroblast(MEF) |
1×106 cells | 15.3±0.8 | 15.7±0.9 | 2.0 | 2.1 |
Yeast | 1×107 cells | 3.3±0.5 | 3.4±0.6 | 2.3 | 2.3 |
※Sepasol® RNA I Super G(#09379)で細胞を溶解後、クロロホルムは 200 µL、BCPは 100 µLを加えて転倒混和しました。その後遠心して、水相を 500 µL 回収しました。各抽出物は DNase 処理後に測定しています。Total RNA の回収量は、 回収した水相の量や細胞の種類によって変わります。
法規情報
適用法令 | クロロホルム | 1-Bromo-3-chloropropane |
---|---|---|
毒劇及び劇物取締法 | 劇物 | 劇物 |
化審法 | 優先評価化学物質 | 非該当 |
労働安全衛生法 | 特定化学物質* | 変異原性物質 |
PRTR 法 | 第一種指定化学物質 | 非該当 |
*平成 26 年、労働安全衛生法の改正により、クロロホルムは特定化学物質第二類物質「特別有機溶剤」の中に位置づけられるとともに、特別管理物質となっています。
製品使用例
Total RNA 抽出試薬 Sepasol®-RNA I Super G との併用例

RT-PCR への適用
BCP で抽出した Total RNA は、クロロホルムで抽出した時と同様に RT-PCR に用いることができます。

Lane M : 100bp DNA Ladder
Lane ① : HeLa Cells(クロロホルム抽出)
Lane ② : HeLa Cells(BCP 抽出)
Lane ③ : HL-60 Cells(クロロホルム抽出)
Lane ④ : HL-60 Cells(BCP 抽出)
関連資料
※掲載内容は予告なく変更になる場合があります。