ホスファターゼ阻害剤カクテル
ホスファターゼ阻害剤カクテルは、タンパク質を分離・精製・検出する際に、幅広いホスファターゼからタンパク質を保護します。金属キレートアフィニティー精製や金属依存性タンパク質の抽出に有効な EDTA フリーの製品も用意しています。
特長
- リン酸化タンパク質を各種ホスファターゼから保護
- 濃度調整が容易(サンプル調製用の緩衝液に加えるのみ)
- タンパク質定量に影響しない
- 各種ホスファターゼに対し阻害効果を発揮するオールインワンタイプ
以下は EDTA フリー
- 金属依存性タンパク質・カルシウム依存性タンパク質への適応可
- 金属キレートアフィニティー精製への適応可
製品説明
他社製品との比較データ
p-Thr 抗体を用いた HeLa 細胞中のリン酸化タンパク質の検出
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ホスファターゼ活性(HL-60 細胞破砕液)の阻害率 (基質 : 蛍光標識 p-Tyr ペプチド)
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PP1 活性の阻害率 (基質 : p-ニトロフェニルりん酸)
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阻害剤組成
成分 | ホスファターゼ阻害剤カクテル EDTAフリー |
ホスファターゼ 阻害剤カクテル |
---|---|---|
オルトバナジン(Ⅴ)酸ナトリウム | ○ | ○ |
モリブデン(Ⅵ)酸二ナトリウム二水和物 | ○ | ○ |
(+)-酒石酸ナトリウム二水和物 | ○ | ○ |
イミダゾール | ○ | ○ |
ふっ化ナトリウム | ○ | ○ |
β-グリセロりん酸二ナトリウム | ○ | ○ |
エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム | - | ○ |
FAQ(よくあるご質問/トラブルシュート)
- ホスファターゼ阻害剤カクテルはどのような製品ですか?
- 本製品は、ターゲットの異なる複数のホスファターゼ阻害剤を調製した、100 倍濃縮タイプの水溶液です。 タンパク質を分離・精製・検出する際に、幅広いホスファターゼからりん酸化タンパク質を保護することで、細胞や組織に存在する微量なりん酸化タンパク質を確実に検出することができます。
- 使用方法を教えてください。
- 使用する緩衝液等で、100 倍に希釈してください。 サンプル内のホスファターゼ濃度が高い場合は、希釈倍率を 20 ~ 50 倍にしてご使用ください。
- ホスファターゼ阻害剤カクテルに含まれている阻害剤とその標的酵素を教えてください。
- 本製品に含まれている阻害剤とその標的酵素は下記の通りです。 ・イミダゾール;アルカリホスファターゼ ・EDTA;金属依存性のホスファターゼ ・オルトバナジン(Ⅴ)酸ナトリウム;チロシンホスファターゼ, アルカリホスファターゼ ・β-グリセロりん酸二ナトリウム;セリン/トレオニンホスファターゼ ・(+)-酒石酸ナトリウム二水和物;酸性ホスファターゼ ・ふっ化ナトリウム;酸性ホスファターゼ ・モリブデン(Ⅳ)酸二ナトリウム二水和物;酸性ホスファターゼ
- ホスファターゼ阻害剤カクテル(#07574)とホスファターゼ阻害剤カクテル(EDTA フリー)(#07575)は、どのように使い分けたら良いですか?
- EDTA はメタロプロテアーゼを阻害するため、メタロプロテアーゼが実験系に影響を及ぼす場合は、EDTA を含むホスファターゼ阻害剤カクテル(#07574)をご使用ください。 一方、EDTA はキレート作用があるため、金属キレートアフィニティ精製や金属依存性タンパク質の抽出を行われる場合は、ホスファターゼ阻害剤カクテル(EDTA フリー)(#07575)をご使用ください。
- ホスファターゼ阻害剤カクテルは、タンパク質定量を行うサンプルに使用可能ですか?
- 使用可能です。 本製品は、プロテインアッセイBCAキット(#06385)やプロテインアッセイ Lowry キット(#29470)等を用いたタンパク質定量に影響しません。
- ホスファターゼ阻害剤カクテルとプロテアーゼ阻害剤カクテル(#03969、#04080、#25955)は併用可能ですか?
- 可能です。 本製品とプロテアーゼ阻害剤カクテル(#03969、#04080、#25955)を併用した場合でも、両者の阻害効果に影響が出ることはありません。
- ホスファターゼ阻害剤カクテルは、細胞培養中の培地に直接添加することは可能ですか?
- 保証外です。 したがって、予備検討を行っていただく必要があります。また、本製品は、無菌等を保証した製品ではございませんので、ご注意ください。
- 電気泳動前に、ホスファターゼ阻害剤カクテルを含むサンプルに 2-メルカプトエタノールを加えてボイルするのですが、問題はありませんか?
- 問題ございません。
- ホスファターゼ阻害剤カクテルは、二次元電気泳動を行うサンプルに使用可能ですか?
- 二次元電気泳動の場合、本製品に含まれる塩の影響で、正しい泳動パターンが得られないことがあります。 そのため、二次元電気泳動を行う前に、透析や脱塩操作により阻害剤を除去してください。
- ホスファターゼ阻害剤カクテルを使用して、特定のホスファターゼを選択的に阻害することは可能ですか?
- 本製品には、複数のホスファターゼ阻害剤が含まれているため、特定のホスファターゼを選択的に阻害することはできません。
- ホスファターゼ阻害剤カクテルは、ホスファターゼ以外のタンパク質にも作用しますか?
- 本製品の作用は特異的ではないため、ホスファターゼ以外のタンパク質にも作用します。 したがって、上記製品の実験系に対する影響を予備検討することを推奨しております。
- ホスファターゼ阻害剤カクテルは、ヌクレオチドである ATP や ADP の加水分解酵素も阻害可能ですか?
- 保証外です。
- ホスファターゼ阻害剤カクテルを希釈した状態で保存し、再度利用することは可能ですか?
- 本製品は、用事調製を推奨しております。 保存した希釈液を再度利用される場合は、保証外となります。
- ホスファターゼ阻害剤カクテルが変色した場合、品質に問題はありませんか?
- 本製品は物性上、保管中に着色することがありますが、品質に問題はございません。
- 結晶が生じた場合、品質に問題はありませんか?
- 本製品は保管中に結晶が析出する場合がありますが、品質に問題はございません。 遮光状態で 30 ~ 40℃ で加熱し、ボルテックスミキサー等を用いて溶解してからご使用ください。
- ホスファターゼ阻害剤カクテルは、冷凍保存しても問題はありませんか?
- 本製品は冷凍保存しても問題ございません。 ただし、凍結融解を極力避けるため、1 回使用量毎に小分けすることを推奨しております。小分けする際に光に曝すと着色しやすくなるため、遮光状態を保って小分けを行ってください。
関連資料
価格表
製品名 | 規格 | 貯法 | 製品番号 | 容量 | オンラインカタログへ |
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Phosphatase Inhibitor Cocktail(EDTA free)(100x) | SP | 冷蔵 | 07575-51 | 1 mL | ![]() |
Phosphatase Inhibitor Cocktail(100x) | SP | 冷蔵 | 07574-61 | 1 mL | ![]() |
水溶液(100 倍濃縮タイプ)
※掲載内容は予告なく変更になる場合があります。