Hormone and Drug Pellets
Innovative Research of America 社(以下 IRA 社)は、動物の皮下などに埋め込むだけで、目的の薬物やホルモンを、設計された期間中コンスタントに放出するペレット(Matrix-Driven Delivery システム)を販売しています。長期間の徐放も可能で、複数回投与の必要がなく、ご研究者の時間的負担を軽減するとともに、実験動物のストレスも軽減できます。
- 設計済みの薬剤を埋め込むだけ
- 豊富な製品ラインアップ
- 受託サービスでお好みのペレットも提供可能
- 豊富な文献実績
- 長期間の徐放が可能
- 実験動物に与えるストレスが少ない
※環境や個体差、使用方法によっては再現性に影響が出る可能性があります。
製品説明
製品選択
製品は以下に示しますように、薬物種・徐放期間・薬物量・容量の組み合わせにより豊富なラインアップになっています(薬物種により用意されている薬物量の種類は異なります)。
- 一日あたりの放出量と徐放期間からの製品選択
一日あたりの放出量×徐放期間=製品薬物量 - 製品薬物量と徐放期間からの一日あたりの放出量の計算法
製品薬物量÷徐放期間=一日あたりに放出される量
使用方法
通常の埋め込み方法(全てのサイズのペレットに適用)
- 動物の首もとの皮膚を軽く引っ張りあげます。
- 皮膚に、ペレットの直径と同じ長さの切り口を作ります。
- 1 本のピンセットを用いて切り口から 2 cm くらいの大きさのポケットを作ります。
- このポケットに、ピンセットでペレットを埋め込みます。
小さいペレット用埋め込み器具(PRECISION TROCHAR)を使う埋め込み方法(ペレットの直径が 3 mm 以下)
PRECISION TROCHAR は直径 3 mm(基本的には 0.001 mg ~ 5 mg ペレットが相当します。個々の製品の大きさはお問い合わせください。)までのペレットで使用可能です。
- PRECISION TROCHAR の針先にペレットをセットします。
- 動物の首もとの皮膚を軽く引っ張りあげます。
- PRECISION TROCHAR の鋭い先端を動物の首もとの皮下に刺しペレットを埋め込みます。
※どちらの方法でも、きちんと行えば傷口の縫合や抗生物質は不要です。また、出血もありません。
※本製品の性能持続のため、ペレットは埋め込みの時まで有機溶媒やその他の液体に触れさせないで保管してください。
FAQ(よくあるご質問/トラブルシュート)
IRA 社のウェブサイトに記載の FAQ から一部を抜粋して掲載しています。同社ウェブサイトではこの他のご質問についても記載していますのでご参照ください。
- MDD システムはどのようなものですか?
- MDD システムは、ペレットの溶解と薬剤の拡散の 2 プロセスで薬物を徐放するシステムです。
- ペレットの構成成分は何ですか?
- ペレットは基剤成分と薬物を混合し作製されています。基剤成分はコレステロール、セルロース、ラクトース、りん酸塩、ステアリン酸塩から構成されます。 1,700 種類以上の基剤の組み合わせがあり、薬物種で異なります。
- ペレットは免疫原性がありますか?
- ペレットの基剤は生物学的に不活性で、免疫系に影響をおよぼしません。
- ペレットを分割して使うことはできますか?
- ペレットは、一定期間内の徐放を実現するために、薬物をペレットの中央に濃縮した状態で作製していますので、分割して使用することはできません。
- ペレットの保管方法は?
- ペレットの保管方法は、含まれる薬物種によって異なります。温度・光・湿度に注意して保管してください。
- ペレットを滅菌する場合、どんな方法がありますか?
-
滅菌される場合、次の 2 種類の方法があります。
1)NO ガス
2)クリーンベンチ内での UV 照射
- コントロールとなるペレットは販売していますか?
- 販売しています。コントロールとして、プラセボペレット(基剤のみから構成)を別途販売しています。カスタム品のペレットの場合のみ、25 錠分のプラセボペレットを無償で添付しています。
- PRECISION TROCHAR とは?
- 繰り返し使用できるステンレス製のニードルで、オブチュレーターがついており、ペレットの埋め込みが簡単に行えます(使用方法参照)。
- 埋め込む度に PRECISION TROCHAR を滅菌する必要はありますか?
- PRECISION TROCHAR は埋め込む度に滅菌する必要はありません。もしアルコールで消毒を行った場合は、完全に乾燥した後にお使いください。ペレットが液体に触れることで、薬物の放出率に悪影響がおよぶ恐れがあります。PRECISION TROCHAR を滅菌する場合はオートクレーブでの滅菌を推奨します。
- ペレットを埋め込む前に、皮膚をアルコール消毒する必要がありますか?
- 皮膚消毒の必要はありません。ペレットは、体内の液体と接触した時点で薬物を放出するように設計されています。埋め込みの前に液体に触れると、薬物の放出率に悪影響がおよぶ恐れがあります。
- ペレットの周辺部位が腫れたり水腫が発生しました。どうしてですか?
- 動物の大きさに対してペレットが大きすぎた時、または埋め込みによって筋肉が傷ついた時に限って、水腫の発生があります。ペレット自体は滅菌されており、感染を起こすことはありません。
- ペレットの埋め込み部位は?
- ペレットは主に、皮膚と筋肉組織の間の皮下に埋め込みます。マウスおよびラットにおいては、埋め込みに最適な部位は肩と耳の間の首の側面です。しかし、皮膚と筋肉との間にスペースがあって、動物がペレットを埋め込んだ部位に手が届かずペレットにいたずらをしなければ、どの部位に埋め込んでも構いません。 また皮下以外に静脈内、筋内、腹腔内、眼、脳、骨髄、乳腺、子宮および子宮頸部に埋め込むことができます。
- ペレットは取り除けますか?
- ペレットを取り出すことはできますが、再び体内に戻すことはできません。
- 実験期間が終わった後に皮下にペレットが残っているようなのですが、実験後に残っているペレットは取り除く必要がありますか?
- 取り除く必要はありません。基剤は免疫原性のないものを使っており、ペレットはそのうち体内に吸収されます。
- ペレットはいつから薬物を放出し始めますか?
- 薬物の放出は埋め込み直後から始まります。
- キネティクスは 0 次と 1 次のどちらですか?
- ペレットのキネティクスは 0 次速度過程に従い設計された期間、薬物を安定的に徐放します。
- ペレットは薬物をどのくらい放出し続けますか?
- ペレットは設計された時間の間、一定に薬物を徐放します。
- 薬物の放出量と血中濃度は常に一定ですか?
- 血中濃度は動物の種類による薬物のクリアランスと薬物自体の半減期とによって異なります。
- 放出が一定かどうか、どのようにチェックしたらいいですか?
- ペレットを取り出し、ペレット内に残っている薬物の量を測定してください。埋め込みから取り出しまでの間にどれだけの量の薬物が放出されたかを計算で求めます。
- ペレットの適切な用量はどのように選べばよいですか?
-
次の二式から適切な用量を求めてください。
1)一日あたりの放出量と徐放期間からの製品選択
一日あたりの放出量×徐放期間=製品薬物量2)製品薬物量と徐放期間からの一日あたりの放出量の計算法
製品薬物量÷徐放期間=一日あたりに放出される量また希望血中濃度にするためのペレットの用量は"mini-dose response curve"から適切なペレットの用量を求める方法を推奨します。
使用文献
検索ページ
検索条件
検索例
検索結果
受託サービス
IRA 社では、これまで紹介してきていますように多種の製品を販売していますが、ご希望の製品がない場合(薬物種、薬物量、徐放期間など)には、カスタム製造もお受けしています。お問い合わせの際には、以下のページをご利用ください。IRA 社へ正確にご希望の条件を伝えるために、英語でのご記入をお願いします。
IRA 社 Hormone and Drug Pellets カスタム製造サービスのご依頼はこちらから
■ 薬物種
お客さまがお持ちの薬物を IRA 社へ送付してペレット化します。
※薬物によってはご注文をお受けできない場合もあります。
■ 形状・サイズ
製品ペレットは、薬物量や徐放期間により、ペレットの直径が 3 mm ~ 12.5 mm のサイズになっています。カスタム品の場合は、直径 1.5 mm または 2.25 mm の小サイズペレット作製および目的用途に応じたさまざまな形状にデザインすることも可能な場合があります。
■ 薬物量
ほとんどの製品ペレットの薬物量は、0.001 mg ~ 200 mg(20 段階)に設定されています。カスタム品では、目的の薬物量に設定することが可能です。
■ 徐放期間
製品ペレットの徐放期間は、21 日、60 日、90 日の 3 段階に設定されていますが、カスタム品では、目的の徐放期間に設定することも可能です。90 日以上の設定をご希望の場合は、91 日目に再度新しいペレットを埋め込むことを推奨します。
■ 基剤
製品ペレットの基剤は、コレステロール、セルロース、ラクトース、りん酸塩、ステアリン酸塩の組み合わせにより構成されています。
■ カスタム実績化合物(一部を掲載)
Angiotensin II | IgG | Nelfinavir |
Dihydroprogesterone | IL-1β | Neuropeptide Y |
EGF | Insulin | NGF |
Endothelin-1 | Lipopolysaccharide | Nimodipine |
bFGF | 1-Methyl-DL-Tryptophan | TGF-β1 |
GABA | Mifepristone | VEGF |
※掲載内容は 2024 年 3 月現在の情報に基づいています。