製品情報

細胞凍結保存液 Cell Reservoir One(ガラス化法用)

ご好評頂いているセルリザーバーワンは、優れた細胞凍結保護作用を有するマユ由来タンパク質のセリシンを主成分とした細胞保存液です。ガラス化法用のセルリザーバーワンは保存液を添加後、液体窒素に投入するまでの時間が従来の15秒から60秒まで延長可能な操作性に大変優れた製品です。本製品は、ヒトiPS細胞やサルES細胞などの霊長類幹細胞の保存において、良好な結果が示されています。
※本製品は、セーレン株式会社との共同推進のもと製造しております。(特許出願中)

 

 

特 長

 

 

実施例1

■ ヒトiPS細胞(201B7株*)での生存率の比較 

*Takahashi, K. et al. Cell, 2007 Nov 30;131(5):861-872

 

データご提供:外部研究機関

 

●凍結操作時間60秒

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本製品、DAP213それぞれを用いて液体窒素中で2週間以上凍結保存し、細胞を起こしてから4日目にアルカリホスファターゼを用いて各保存液の性能を確認しました。DAP213ではほぼ全滅しましたが、本製品では非常に良好な生存率を示しました。

 

●凍結操作時間15秒

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本製品、DAP213、A社製品それぞれを用いて液体窒素中で2週間以上凍結保存し、細胞を起こしてから4日目にアルカリホスファターゼを用いて各保存液の性能を確認しました。本製品はDAP213と同等以上の結果が得られました。

 

結果

凍結操作時間15秒、60秒共に同等以上の結果が得られました。特に凍結操作時間60秒の場合、従来法のDAP213と比較し、細胞の生存率に劇的な差が確認されました。以上の結果から、本製品はiPS細胞の操作に熟練された方から、未経験者の方まで、安定した結果が得られます。

 使用した保存液コロニー数
ガラス化法緩慢凍結法
60秒15秒
A 本製品 672 563 -
B DAP213 37 479 -
C

A社製品

- - 172

 

 

実施例2

■ ヒトiPS細胞(253G1株*)でのガラス化後生着率の比較

*Nakagawa, M. et al. Nat Biotechnol, 2008 Jan;26(1):101-106

 

本製品は、ヒトiPS細胞の生着率について、DAP213と同等以上の性能を示しました。特にガラス化までの操作時間による生着率の低下が起こりません。

 

データご提供:福井大学

 

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生着率(%)=100×(ガラス化・融解後の生着コロニー数)/(通常継代時の生着コロニー数)

 

 

実施例3

■ ヒトiPS細胞(253G1株)での既存製品との生着率の比較

各社の保存液を使用し、凍結操作時間15秒でヒトiPS細胞を凍結し、解凍後4日目に生着率を算出しました。その結果、本製品は他の保存液よりも生着率に優れています。

 

データご提供:福井大学

 

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生着率(%)=100×(ガラス化・融解後の生着コロニー数)/(通常継代時の生着コロニー数) 

 

  

実施例4

■ ヒトiPS細胞(253G1株)での生着率の比較と未分化能の確認

本製品はDAP213と比較して、生着率が高く、操作時間による影響の少ないことを示しています。また、未分化マーカー遺伝子の発現も確認しています。

 

データご提供:福井大学

 

●生着率

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生着率(%)=100×(ガラス化・融解後の生着コロニー数)/(通常継代時の生着コロニー数) 

 

 ●アルカリホスファターゼ活性

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A :未凍結
B :FBS/10%DMSO(緩慢法で凍結)
C :DAP213(ガラス化法,操作時間:15秒)
D :本製品(ガラス化法,操作時間:15秒)

 

●未分化マーカー遺伝子発現

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β2M : β2ミクログロブリン

 

 

使用方法 

<保存時>

  1. 細胞を剥離液(0.25% トリプシン/ コラゲナーゼIV 溶液など)によって剥離し、なるべくコロニーを崩さないように回収します。
  2. 回収した細胞を遠心し、上清を可能な限り除去します。
  3. 本製品を200μl 加え、コロニーを崩さないよう注意しながら4~5 回ピペッティングし、凍結保存用チューブに移してしっかりと蓋をします。
  4. ピンセットでチューブを挟み、チューブの口が液体窒素の液面に浸からないところまで沈めて10 秒、その後完全に沈めて凍結させます。(※操作3、4 をおおよそ60 秒以内に行ってください。)
  5. 液体窒素に浸したまま液体窒素タンクの近くまで運び、素早く移して保存します。

 

<解凍時>

  1. 遠沈管に37℃に温めた培地を分注します。
  2. 液体窒素タンク内から凍結細胞保存チューブを取り出し、小分けした液体窒素に沈めてクリーンベンチの近くまで運びます。
  3. チューブを液体窒素から取り出し、素早くクリーンベンチ内で蓋を開け、一度逆さにして内部の液体窒素を捨てます。
  4. 温めた培地を凍結保存用チューブに適量添加し、底部に吹き付けるようにピペッティングし、素早く解凍します。
  5. 懸濁液を1.の遠沈管に回収します。
  6. 培地で凍結保存用チューブを洗って5.の遠沈管に回収します。
  7. 遠沈管を遠心した後、上清を可能な限り除去して、培地に懸濁し播種します。

*詳細は製品添付文書を参照ください。

 

 

ご注意

  1. ご使用に際しては、目的の細胞で事前に試用試験を実施してください。
  2. 本品は、ガラス化法用の細胞凍結保存液です。緩慢凍結法には使用しないでください。
  3. 弊社は本品の使用に起因する事故や損害についての責任を負いかねますので、ご了承ください。

 

 

価格表

製品名

規格

貯蔵

製品番号

容量

オンライン
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Cell Reservoir One
(ガラス化法用)
SP 冷蔵 11325-62 25 ml

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主成分のセリシンは、セーレン株式会社で製造

 

※掲載の内容は、'15年3月現在の情報に基づいております。