コスモシールについて
優れたカラムは、優れた充填剤と優れた充填技術によって作られます。
コスモシールは、全多孔性球状シリカゲルの使用により高い分離能を発揮し、圧力損失を低くすると同時に、充填カラムの安定性を高めています。特に、逆相用化学結合型コスモシールカラムは残存シラノールをほぼ完全に封鎖(エンドキャップ)しておりますので、化学的安定性にも優れています。
これらの充填剤を最適な充填方法で充填したカラムが、各種コスモシールカラムシリーズです。高い理論段数、良好なピーク形状を誇っており、長期間にわたって安心してご使用頂けます。
シリカゲルの顕微鏡写真
原料シリカゲルについて
コスモシールの原料シリカゲルは厳選された高純度全多孔性球状シリカゲル(純度99.99%以上保証)を採用しております。
低純度のシリカゲルには金属が含まれています。金属は分離(特に金属配位性化合物に対して)に悪影響を与える場合があります。
分析条件 | |
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カラムサイズ | 4.6mmI.D. × 150mm |
移動相 | アセトニトリル:水= 50:50 |
流 速 | 1.0ml/min |
温 度 | 30℃ |
検 出 | UV 254nm |
サンプル | Paeonol |
金属配位性化合物
隣接する位置に-OH 基、-COOH 基、C=O、-NH2を2 つ以上持つ化学構造を有する化合物は、金属と配位して錯体を形成しピークのテーリングの原因になります。
シリカゲルの金属含有率
充填剤 | 金属含有率(ppm) | ||||||
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Al | Ca | Fe | Mg | Na | Ti | Total | |
高純度シリカゲル | 4 | 10 | 11 | 3 | 12 | <1 | 41 |
一般シリカゲル | 32 | 450 | 26 | 88 | 56 | 134 | 786 |
結合形式について
逆相HPLC で最も汎用されているのはC18(あるいはODS)系カラムです。一般的にC18 といえばモノメリック型C18 を指します。
これは固定相であるオクタデシル(C18)基とシリカゲルの結合数が1個であることを示しています。
モノメリック型カラムは合成再現性に優れ、ロットバラツキが少なく、また移動相の平衡時間が短いのが特長です。
一方、ポリメリック型C18 は、固定相であるオクタデシル(C18)基がシリカゲルと2?3ヶ所で結合しています。
このため、固定相が切れにくく、モノメリック型カラムよりも高耐酸性を有しています。
図1 結合形式の模式図(エンドキャップ処理前)
エンドキャッピング処理
C18 などの固定相はシリカゲル上のシラノール基に結合させますが、C18 を結合させたシリカゲル上には未反応のシラノール基が残ります(残存シラノール)。残存シラノールは塩基性化合物のテーリングの原因となります。
コスモシール逆相クロマトグラフィー用充填剤はエンドキャップ処理により残存シラノールをほぼ完全に封鎖しております。
R-NH+(塩基性化合物)
Si-O-(解離したシラノール基)
塩基性化合物(+に荷電する化合物)はシラノール基 とイオン結合しピークのテーリングの原因になります。
分析条件 | |||
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カラム サイズ |
4.6mmI.D. × 150mm | サンプル |
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移動相 | メタノール:20mmol / l Phosphate Buffer (pH7)= 20:80 |
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温 度 | 30℃ | ||
検 出 | UV 254nm 0.16AUFS |
合成再現性
厳選されたシリカゲルおよび一定した合成条件の採用で、化学結合型カラムの場合、合成ロット間の保持比(k')のバラツキは± 10%以内、分離係数(α)のバラツキは± 5%以内におさめています。
下図は、合成した充填剤(コスモシール5C18-MS-II)のロット検査結果をグラフ化したものです。コスモシールカラムではロット間のバラツキを極力抑えています。
図2 固定相(オクタデシル基)導入量のバラツキ
図3 充填剤のエンドキャップ効率のバラツキ