プロテアーゼ阻害剤カクテル
プロテアーゼ阻害剤カクテルは、幅広いプロテアーゼからターゲットのタンパク質を保護します。多種のプロテアーゼを簡便に阻害するカクテルをはじめ、EDTA フリーや動物細胞抽出用の3種の阻害剤カクテルを用意しています。
特長
- ターゲットの異なるプロテアーゼインヒビターを混合
- 貴重なタンパク質をプロテオリシスから保護
- 一般用、動物細胞抽出物用、EDTA フリーの 3 種類を品揃え
製品説明
各インヒビターがターゲットとするプロテアーゼ
プロテアーゼインヒビター | ターゲットプロテアーゼ |
---|---|
ふっ化4-(2-アミノエチル)ベンゼンスルホニル塩酸塩(AEBSF) | セリンプロテアーゼ |
アプロチニン(ウシ肺由来) | セリンプロテアーゼ、エステラーゼ |
E-64 | システインプロテアーゼ |
ロイペプチンヘミ硫酸塩一水和物 | システインプロテアーゼ、トリプシン様プロテアーゼ |
エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(EDTA) | メタロプロテアーゼ |
ベスタチン | アミノペプチダーゼ |
ペプスタチン A | アスパラギン酸プロテアーゼ |
製品構成
成分 | 一般用 (#04080) |
EDTAフリー (#03969) |
動物細胞抽出物用 (#25955) |
---|---|---|---|
AEBSF | 〇 | 〇 | 〇 |
アプロチニン | 〇 | 〇 | 〇 |
E-64 | 〇 | 〇 | 〇 |
ロイペプチン | 〇 | 〇 | 〇 |
EDTA | 〇 | ― | ― |
ベスタチン | ― | ― | 〇 |
ペプスタチン | ― | ― | 〇 |
製品使用例
使用例
Thermolysin阻害率比較
Thermolysin(from Bacillus thermoproteolyticus)
メタロプロテアーゼ。疎水性L-アミノ酸(特にIle、Leu、Val、Phe、Met、Ala)残基のN末端側を加水分解します。
FAQ(よくあるご質問/トラブルシュート)
- プロテアーゼ阻害剤カクテル (一般用)はどのような製品ですか?
- 本製品は、5種類のターゲットの異なるプロテアーゼインヒビターを混合しており、精製水に溶解することで100倍濃縮溶液となります。 細胞や組織から目的タンパク質の抽出や精製を行う際に、貴重なタンパク質をプロテアーゼによる分解から保護します。
- 使用方法を教えてください。
- 本製品を1mlの精製水に溶解した後、使用する緩衝液等で100倍に希釈してください。 サンプル内のプロテアーゼ濃度が高い場合は、希釈倍率を20~50倍にしてご使用ください。使用方法の詳細は、取扱説明書をご参照ください。
- プロテアーゼ阻害剤カクテルを溶解するのに、DMSOを使用することは可能ですか?
- 本製品はDMSOへの溶解不可の要素はございませんが、保証外です。 したがって、予備検討を行っていただく必要があります。
- プロテアーゼ阻害剤カクテルの容量単位はmlで表記されていますが、粉末の重量は何mgですか?
- 1本のスクリュー瓶の中に、15mgずつ粉末が入っています。
- プロテアーゼ阻害剤カクテルに関して、一般用(#04080)、EDTAフリー(#03969)、動物細胞抽出用(#25955)は、どのように使い分けたら良いですか?
- 3種類のプロテアーゼ阻害剤は、含まれている阻害剤の組成が異なります。 当社HPに、製品構成成分の比較表を掲載しておりますので、ご参照ください。一般用(#04080)は、幅広いプロテアーゼを阻害するため、プロテアーゼ阻害剤のファーストチョイスとしてご使用ください。EDTAフリー(#03969)は、EDTAの標的となるメタロプロテアーゼを阻害しない場合や、金属キレートアフィニティ精製や金属依存性タンパク質の抽出を行われる場合にご使用いただけます。動物細胞抽出用(#25955)は哺乳類動物細胞や組織の抽出物への利用に適しています。
- プロテアーゼ阻害剤カクテル (一般用)に含まれている阻害剤とその標的プロテアーゼを教えてください。
- 本製品に含まれている阻害剤とその標的プロテアーゼは下記の通りです。 ・ふっ化4-(2-アミノエチル)ベンゼンスルホニル塩酸塩;セリンプロテアーゼ ・アプロチニン(ウシ肺由来);セリンプロテアーゼ, エステラーゼ ・E-64;システインプロテアーゼ ・ロイペプチンへミ硫酸塩-水和物;システインプロテアーゼ, トリプシン様プロテアーゼ ・エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物;メタロプロテアーゼ 組成及び成分情報の詳細は、SDSをご参照ください。
- 阻害剤カクテルの成分として、ふっ化メチルフェニルスルホニル(PMSF)ではなく、ふっ化4-(2-アミノエチル)ベンゼンスルホニル塩酸塩(AEBSF)を使用している理由を教えてください。
- AEBSFはセリンプロテアーゼを阻害し、PMSFと同様の働きをします。 AEBSFはPMSFに比べ、毒性が低く、水への溶解性および安定性が高いため、PMSFの代替として使用しております。
- プロテアーゼ阻害剤カクテルに細胞溶解バッファーは含まれていますか?
- 本製品に細胞溶解バッファーは含まれておりません。 そのため、必要に応じて、細胞溶解バッファーを添加していただくか、プロテアーゼ阻害剤カクテルを含有したRIPAバッファー(#08714)をご使用ください。
- プロテアーゼ阻害剤カクテルにウシ由来のアルブミンは含まれていますか?
- ウシ由来のアルブミンが混在している可能性は極めて低いですが、本製品はアルブミンフリーを保証しておりません。
- 細胞培養中の培地に直接添加することは可能ですか?
- 保証外です。 したがって、予備検討を行っていただく必要があります。また、本製品は無菌等を保証した製品ではございませんので、ご注意ください。
- プロテアーゼ阻害剤カクテルを精製水に溶解後、4℃で保存することは可能ですか?
- 保証外です。 取扱説明書に記載があります通り、本製品は溶解後、冷凍保存し、3ヶ月以内にご使用ください。凍結融解の手間やリスクを軽減するために、小分けして冷凍保存することを推奨しております。
- プロテアーゼ阻害剤カクテルを100倍希釈した後、冷凍保存することは可能ですか?
- 保証外です。 希釈後は、お早めにお使いいただくことを推奨しております。
- プロテアーゼ阻害剤カクテルは、サンプルに添加した後除去することは可能ですか?
- 本製品は除去することを想定していないため、そのようなデータを保有しておりません。
- プロテアーゼ阻害剤カクテルは、60℃程度の高温条件下でも使用可能ですか?
- 保証外です。 本製品は、規格検査時に40℃の使用条件でプロテアーゼ阻害活性を確認しておりますが、それ以上の高温条件下でのデータは保有しておりません。
- プロテアーゼ阻害剤カクテルをサンプルに添加し、ウェスタンブロッティングを行う場合、阻害剤がバンドとして検出されることはありますか?
- 本製品に含まれる阻害剤の分子量は、アプロチニンで約6500、残りの阻害剤は分子量数百と小さく、電気泳動の際にバンドとして検出される可能性は低いです。 また、アプロチニンがウェスタンブロッティングの膜に転写されたとしても、ブロッキングを行うことで、バンドは検出されません。
- 冷凍保存した溶解液を融解した際に白く濁った場合、品質に問題ありませんか?
- 白い濁りは、液温が下がったことにより本製品が析出したものと考えられます。 攪拌により析出物を溶かしいただければ、使用上の問題はございません。
- 界面活性剤(SDS)入りのバッファーでプロテアーゼ阻害剤カクテルを希釈しても問題ありませんか?
- SDS入りのバッファーで本製品を希釈したデータを保有しておりませんので、予備検討を行っていただく必要があります。 通常、SDSはプロテアーゼを阻害するため、SDS入りの条件下では、本製品の使用は不要です。
- プロテアーゼ阻害剤カクテルはプロテインアッセイに影響を及ぼしますか?
- プロテインアッセイCBB溶液 (Ready To Use)(#11617)をご使用の場合、サンプル中において各製品は下記濃度まで共存可能です。 ・一般用(#04080):50× ・EDTAフリー(#03969):50× ・動物細胞抽出用(#25955):10× プロテインアッセイBCAキット(#06385)をご使用の場合、サンプル中において各製品は下記濃度まで共存可能です。 ・一般用(#04080):10× ・EDTAフリー(#03969):25× ・動物細胞抽出用(#25955):10× プロテインアッセイLowryキット(#29470)をご使用の場合、サンプル中において各製品は下記濃度まで共存可能です。 ・一般用(#04080):2× ・EDTAフリー(#03969):5× ・動物細胞抽出用(#25955):5× 詳細は、各プロテインアッセイ製品の取扱説明書をご参照ください。
- プロテアーゼ阻害剤カクテルはカルパインを阻害しますか?
- カルパインはシステインプロテアーゼの一種であるため、本製品によって阻害する可能性はありますが、当社ではカルパインの阻害活性試験を行っておりません。 したがって、予備検討を行っていただく必要があります。試験項目の詳細は、規格書をご参照ください。
価格表
*1 粉末(1 mL の精製水で溶解すると 100 倍濃縮液になります)
*2 DMSO 溶液(濃縮タイプ) 法規:危 4-3 水
※掲載内容は予告なく変更になる場合があります。