便利な 1 液タイプ! MS への適用可能!
CBB Stain One
1 液タイプで調製不要の電気泳動用タンパク質染色液 CBB Stain One は、MS でもご使用いただけます。
特長
- 1 液で染色可能な ready to use タイプ
- 精製水のみで脱色可能
- ng レベルのタンパク質を検出可能
- 刺激の強い酢酸、メタノール不含
- MS への適用可能
製品説明
他社製品との比較

ゲル | : | レディゲル 4 ~ 20% |
サンプル | : | Lane1; 大腸菌タンパク質(SDS, 2ME 含有バッファー抽出)5 μL Lane2; 大腸菌タンパク質(SDS, 2ME 含有バッファー抽出)(10 倍希釈)5 μL Lane3; タンパク質マーカー(1.7 μg/μL)2 μL Lane4; タンパク質マーカー(550 ng/μL)2 μL Lane5; タンパク質マーカー(170 ng/μL)2 μL Lane6; タンパク質マーカー(55 ng/μL)2 μL |
泳動緩衝液 | : | トリス・グリシン・SDS 緩衝液(400 mL) |
電気泳動条件 | : | 80 mA(定電圧) |
ゲルの洗浄 | : | 水洗(50 mL × 3) |
染色時間 | : | 1 時間 |
CBB Stain One は B 社に比して、バックグラウンドが低く、グラジエントゲルによる染色ムラがありませんでした。また染色(検出感度)・脱色に関しては A 社と同程度の性能を示しました。
使用方法
電子レンジ使用法では、約 40 分で結果が確認できます。
CBB Stain One を用いた MS への適用プロトコール
- CBB Stain One を用いて、定法により二次元電気泳動後のゲルを染色します。その後ゲルを水でよく洗浄します。
- 洗浄した水の pH が中性付近になったことを確認し(pH 試験紙などでチェック)、対象スポットのタンパク質をゲルから切り出します。
- ゲルをエッペンチューブに入れ水で 2 回程度洗浄後、よく水を切ってアセトニトリルを 200 μL 加えます。ゲルが脱水されて白色になれば、アセトニトリルを捨てよく乾燥します。(急ぎの場合は真空ポンプを利用してください。)
- 乾燥後、酵素液(本実験ではリシルエンドペプチダーゼ®)を 20 μL 程度入れます。 酵素液濃度 : 25 ng/μL(pH 9.0、10 mM トリス塩酸緩衝液)
- 冷蔵庫で酵素液を十分にゲルに浸透させた後、残存する酵素液を除去し 10 mM トリス緩衝液(酵素不含)を 40 μL 入れて一晩 37℃ で分解します。
- その後冷凍し、マス解析にかけます。
リシルエンドペプチダ-ゼ® は、富士フイルム和光純薬株式会社の登録商標です。
注意事項
- ここに記載の染色法は、ミニゲル(10 cm × 10 cm × 1 mm)の染色に使用する液量です。フルサイズゲルの染色には、液量を増やしてご使用ください。
- ご使用の際には、ゴム手袋などを着用してください。
- 本製品は、酸性の色素溶液です。使用後の廃液類は適正な処理を行って廃棄してください。
- 脱色を 2 日間以上行いますと、染色されたバンドが多少退色することがあります。
- 電子レンジで加熱した染色液を取り扱う際には、火傷しないよう手袋を着用してください。
- 加熱操作は沸騰したらすぐに終了するように時間を調整してください。
- 電子レンジによる加熱時間は、機種によって異なります。
顧客使用例
SDS-PAGE ゲルの染色

Protein MW Markers および GST-tag 融合タンパク質を CBB Stain One で染色した結果です。マーカーおよび GST-tag 融合タンパク質を 12% アクリルアミドゲル上で泳動後、ゲル上に存在する SDS を脱イオン水により除去し、CBB Stain One で染色(60 分)しました。染色後のゲルを精製水で脱色したところ、鮮明な泳動像が得られました。上記の結果から、本製品で簡便・迅速に CBB 染色が行えることが実証されています。
本データは東京医科歯科大学 難治疾患研究所 分子遺伝学分野 准教授 吉田 清嗣 様よりご提供いただきました。
CBB Stain One を用いた MS 解析

ペプチドマスフィンガープリンティングを行い、mascot サーチにより同定を行った結果、抽出したスポットは、酵母 SSB2 タンパク質であると同定されました。
本データは京都市産業技術研究所 工業技術センター 微生物応用チーム 様よりご提供いただきました。
FAQ(よくあるご質問/トラブルシュート)
- CBB ステインワン(READY TO USE)はどのような製品ですか?
- 本製品は、1 液で染色可能な Ready to use タイプの電気泳動用 CBB 染色液です。
- 使用方法を教えてください。
- 電気泳動後のゲルを洗浄した後、本製品に浸し、60 分間室温で染色します。 その後、精製水でゲルの脱色を行います。使用方法の詳細は、取扱説明書をご参照ください。さらに、当社 HP、BULLETIN L-96 では、電子レンジを使用した時間短縮方法をご紹介しておりますので、そちらも合わせてご参照ください。
- CBB ステインワン(READY TO USE)を用いて染色を行う前に、固定操作は必要ですか?
- 本製品は、固定に必要な成分を含んでいるため、染色前の固定操作は必要ありません。
- 脱色にかかる時間を教えてください。
- 6 ~ 24 時間の洗浄で、バックグラウンドが完全に透明になります(バンドは数十分ほどで確認可能です)。 脱色の際、精製水は何度か交換してください。また、ゲルの上からキムワイプ等を入れると、より効率的に脱色可能です。
- ゲルを脱色する際に、メタノールや酢酸を加えて、電子レンジで加熱することは可能ですか?
- ゲルを脱色する際に、メタノールや酢酸を加えて電子レンジを使用すると、タンパク質のバンドまで脱色する可能性があるため、推奨しておりません。
- なぜ染色前に泳動ゲルを洗浄する必要がありますか?
- ゲルに残存した SDS を洗い流すためです。 SDS が残存したままですと、CBB がゲルに入り込み、バックグラウンドが高くなります。
- CBB ステインワン(READY TO USE)に含まれている成分を教えてください。
- 本製品に含まれている成分は下記の通りです。 ・CBB G-250 ・エタノール ・りん酸 その他成分は非公開です。成分情報の詳細は、SDS をご参照ください。
- CBB ステインワン(READY TO USE)に、メタノールや酢酸は含まれていますか?
- 本製品に、メタノールや酢酸は含まれておりません。
- CBB ステインワン(READY TO USE)に、架橋剤は含まれていますか?
- 本製品に、当社オンラインカタログに掲載されている下記の架橋剤は含まれておりません。 ① スベルイミノ酸ジメチル二塩酸塩(#13326)② 3,3'-ジチオビス(プロピオン酸スクシンイミジル)(#14123)③ 2-イミノチオラン塩酸塩
- CBB ステインワン(READY TO USE)に、グルタルアルデヒドおよびトリスは含まれていますか?
- 本製品に、グルタルアルデヒドおよびトリスは含まれておりません。
- CBB ステインワン(READY TO USE)の検出限界を教えてください。
- 本製品は、ng レベルのタンパク質まで検出可能です。 当社 HP に、ゲル画像とアプライしたサンプルのタンパク質濃度を記載しておりますので、そちらをご参照ください。
- CBB ステインワン(READY TO USE)とラピッドステイン CBB キット(#30035)の違いを教えてください。
- 操作工程・操作時間が異なります。 本製品は染色時の試薬調製が不要ですが、染色に 60 分かかります。一方、ラピッドステイン CBB キット(#30035)は、染色時の試薬調製は必要ですが、染色および脱色が合わせて 30 分で完了します。
- CBB ステインワン(READY TO USE)を用いて染色したゲルは、MS に適用可能ですか?
- 可能です。 本製品 を用いた MS への適用プロトコールは、当社 HP をご参照ください。
- CBB ステインワン(READY TO USE)を用いて染色したゲルは、ウェスタンブロッティングに適用可能ですか?
- 可能です。 本製品 を用いた ウェスタンブロッティングへの適用プロトコールは、よく解る実験プロトコール ウェスタンブロッティング p.14 をご参照ください。
- CBB ステインワン(READY TO USE)は、タンパク質定量に適用可能ですか?
- 本製品は、電気泳動後のゲルの染色に使用する製品であり、タンパク質定量には適用できません。 タンパク質定量には、プロテインアッセイ CBB 溶液(#29449)を推奨しております。
- CBB ステインワン(READY TO USE)を用いて染色したゲルから、バンドを切り出して、抗体を作製することは可能ですか?
- 本製品は、バンドを抽出する際に、酵素処理によってタンパク質を低分子化して抽出するため、抗原には不適と考えられます。 ゲルから膜に転写し、本製品による染色後、目的バンドを切り取り、脱色を行って、ホモジナイズして抗原として投与されることをご検討ください。
- CBB ステインワン(READY TO USE)を用いて染色後、続けて銀染色を行うことは可能ですか?
- 本製品で染色後、十分に脱色を行うことで銀染色を行うことは可能と考えられますが、当社で確認はしておりません。 したがって、予備検討を行っていただく必要があります。
- 本製品を用いて染色したバンドの脱色は可能ですか?
- アセトニトリルを用いたバンドの脱色が可能です。
- CBB ステインワン(READY TO USE)で染色したゲルを長期保存することは可能ですか?
- 可能です。 精製水で脱色後、ゲルラップ等で包んで保存してください。
- CBB ステインワン(READY TO USE)で染色後のゲルを乾燥させた際、ゲルが割れてしまう場合、改善策はありますか?
- できるだけ気泡が入らないように、ゲルラップ等で密閉した後、乾燥装置に固定し、乾燥を行ってください。乾燥保存の際には、アクリルアミドゲル割れ防止液(#00860)の使用を推奨しております。
※掲載内容は予告なく変更になる場合があります。