細胞・組織染色用蛍光色素(溶液タイプ)
蛍光染色液は免疫染色のカウンターステインから、生死判定検出、Annexin V と組み合わせたアポトーシス検出などさまざまな実験にて使用されています。波長や検出対象にあわせて、下記 7 種類の蛍光染色液をラインアップしています。
製品説明
ラインアップ
色素名 | 波長(Ex / Em) | 説明 |
---|---|---|
Hoechst 33342 | 350 nm / 461 nm |
細胞核染色剤。免疫染色のカウンターステインに汎用されます。 |
Hoechst 33258 | 352 nm / 461 nm | |
DAPI | 360 nm / 460 nm | |
Propidium Iodide (PI) | 535 nm / 617 nm |
死細胞核染色剤。免疫染色のカウンターステインに使用される他、細胞周期の検出や Annexin V と組み合わせてアポトーシスの検出、Calcein-AM と組み合わせて生死判定などにも使用されます。
7-AAD:FITC などの色素との二重染色時、PI と比較しクロストークが小さい |
7-Aminoactinomycin D (7-AAD) |
546 nm / 647 nm | |
Ethidium Homodimer III (EthD-III) | 522 nm / 593 nm | |
Calcein-AM | 490 nm / 515 nm | 生細胞染色剤。死細胞核染色剤と組み合わせて生死判定などに使用されます。 |
製品使用例
免疫染色におけるカウンターステイン
免疫染色において Hoechst 33342 および PI を用いてカウンターステインを行い、蛍光顕微鏡により観察しました。
免疫細胞染色(HeLa 細胞)
サンプル | : | HeLa 細胞 |
固定 | : | 4%-パラホルムアルデヒド・りん酸緩衝液(#09154) 室温 15 分 |
前処理 | : | 膜透過処理;0.5% Triton X-100 含有 PBS 室温 10 分 ブロッキング;Blocking One Histo(#06349) 室温 10 分 |
一次抗体 | : | Vimentin Antibody(Novus #NBP1-31327) 冷蔵一晩 |
二次抗体・染色剤 | : | CF 488A Goat Anti-Rabbit IgG(H+L), F(ab‘)2 Fragment(Biotium #20013)、Hoechst 33342 Solution(1mg/mL)(#19172-51)、 Rhodamine Phalloidin(Cytoskeleton #PHDR1)を混合 室温 1 時間 |
検出 | : | Fluoro-KEEPER Antifade Reagent(#12593)を用いて封入 落射蛍光顕微鏡(Olympus; BX-50-34-FLA1)にて観察< |
Triton はユニオン・カーバイド・コーポレーションの登録商標です。
免疫組織染色(マウス小腸)
サンプル | : | マウス小腸パラフィン包埋切片 |
抗原賦活化 | : | HistoVT One(#06380) 90℃ 20 分 |
ブロッキング | : | Blocking One Histo(#06349) 室温 10 分 |
一次抗体 | : | PCNA Antibody(Novus #NB100-456) 冷蔵一晩 |
二次抗体・染色剤 | : | CF 488A Goat Anti-Rabbit IgG(H+L), F(ab‘)2 Fragment(Biotium #20013)、Propidium Iodide(PI) Solution(1mg/mL)(#19174-31)を混合 室温 1 時間 |
検出 | : | Fluoro-KEEPER Antifade Reagent(#12593)を用いて封入 落射蛍光顕微鏡(Olympus; BX-50-34-FLA1)にて観察 |
Annexin V-FITC および 7-AAD を用いたフローサイトメトリーによるアポトーシス検出
Anti-FAS 抗体によりアポトーシスを誘導させたサンプルを Annexin V-FITC および 7-AAD を用いて検出しました。Annexin V と組み合わせて使用することにより、初期のアポトーシスと後期のアポトーシスが検出可能です。また、PI の代わりに 7-AAD を使用することにより、FITC とのクロストークを小さくすることができます。
Annexin V-FITC / 7-AAD | Annexin V-FITC / PI | |||
---|---|---|---|---|
Anti-FAS 6 時間処置 |
||||
(顕微鏡観察) | (顕微鏡観察) | |||
蛍光観察 | 明視野観察 | 蛍光観察 | 明視野観察 | |
未処置 |
サンプル | : | Jurkat 細胞 |
アポトーシス 誘導 |
: | Fas/TNFRSF6/CD95 Antibody (UT-1) - Azide Free(Novus #NBP1-44878) 500 ng/mL 37℃ 6 時間 |
染色 | : | [Annexin V-FITC Apoptosis Detection Kit(#15342-54)のプロトコールに従って染色] 1% BSA 含有 PBS を用いて 2 回洗浄を行い、アネキシン V 結合溶液(1x)に 1 X 105 cells/100 μL となるように細胞を懸濁、細胞懸濁液に各色素を添加し(詳細は、下記の通りになります)、遮光して室温 にて 15 分反応させた。 Annexin V-FITC / PI の場合 PI は Annexin V-FITC Apoptosis Detection Kit(#15342-54)添付品を使用 アネキシン V-FITC 溶液 5 μL および PI 溶液 5 μL を混合 Annexin V-FITC / 7-AAD の場合 7-AAD は 7-Aminoactinomycin D (7-AAD) Solution (1mg/mL)(#19175-34)を使用 アネキシン V-FITC 溶液 5 μL およびアネキシン V 結合溶液(1x)で 50 倍希釈した 7-AAD 溶液 5 μL を混合 反応終了後、アネキシン V 結合溶液(1x)400 μL を添加 |
検出 | : | アネキシン V 結合溶液(1x)添加後すぐに、フローサイトメーター(Thermo Fisher Scientific; Attune® NxT Acoustic Focusing Cytometer)および落射蛍光顕微鏡(Olympus; BX-50-34-FLA1)を用いて解析 |
Calcein-AM および EthD-III を用いたフローサイトメトリーによる生死判定検出
生細胞と死細胞を等量混合したサンプルを Calcein AM および EthD-III で染色しました。Calcein-AM 溶液と EthD-III 溶液を組み合わせることで、生死判定を行うことができます。
0.1 μM Calcein-AM / 1 μM EthD-III |
0.1 μM Calcein-AM / 8 μM EthD-I |
||
---|---|---|---|
(顕微鏡観察) | (顕微鏡観察) | ||
蛍光観察 | 明視野観察 | 蛍光観察 | 明視野観察 |
フローサイトメトリー
サンプル | : | HL-60 細胞[生細胞と死細胞(70% エタノール 30 分処置)を等量混合] |
染色 | : | 1% BSA 含有 PBS に 5 X 105 cells/mL となるように細胞を懸濁 Calcein AM(#19177-14 もしくは A 社生死判定キット添付品)、および EthD-III(#19176-24)もしくは EthD-I(A 社生死判定キット添付品)を最終濃度がそれぞれ 0.1 μM、1 μM、8 μM になるように添加 室温 15分 |
検出 | : | 染色終了後すぐにフローサイトメーター(Thermo Fisher Scientific; Attune® NxT Acoustic Focusing Cytometer)を用いて解析 |
顕微鏡観察
サンプル | : | HL-60 細胞[生細胞と死細胞(70% エタノール 30 分処置)を等量混合] |
染色 | : | 1% BSA 含有 PBS に 2 X 104 cells/100 μL となるように細胞を懸濁 Calcein AM(#19177-14 もしくは A 社生死判定キット添付品)、および EthD-III(#19176-24)もしくは EthD-I(A 社生死判定キット添付品)を最終濃度がそれぞれ 0.1 μM、1 μM、8 μM になるように添加 室温 15 分 |
検出 | : | 染色終了後すぐに落射蛍光顕微鏡(Olympus; BX-50-34-FLA1)を用いて解析 |
価格表
Attune はライフテクノロジーズコーポレーションの登録商標です。
※掲載内容は予告なく変更になる場合があります。