MTT 細胞数測定キット
MTT[3-(4,5-Dimethyl-2-thiazolyl)-2,5-diphenyltetrazolium Bromide]は、生細胞数を測定する試薬として、細胞増殖または細胞毒性試験に使用されています。MTT は、細胞内の脱水素酵素により還元され、不溶性ホルマザンを生成します。このホルマザン量は、生細胞数と比例関係にあるため、ホルマザン溶解液の吸光度を測定することで生細胞数の計測が可能です。
- 簡便法により溶解手順が不要
- 測定時にフェノールレッドの影響無し
- 放射性物質不要
- 還元性物質の影響を受けにくい
製品説明
製品内容
試薬名 | 容量 | 数量 |
---|---|---|
MTT 溶液 | 2 mL | 5 |
可溶化溶液 | 100 mL | 1 |
<法規制> 消防法:危険物第 4 類 アルコール類(水溶性液体) 危険等級II 火気厳禁
使用方法
*1 可溶化溶液は十分に培地と混合してください。血清タンパク質が析出することがあります。
*2 激しいピペッティング操作や長時間のプレートの振とうは、避けてください。可溶化溶液が揮発し、測定値に影響を及ぼす可能性があります。
*3 プレートシールが完全に密着していることを確認してください。密閉が不完全な場合、可溶化溶液が揮発し、ホルマザンの再析出が生じます。
*4 室温で静置しても溶解しますが、37℃ の方がより溶解が促進されます。
*5 プレートシールの種類によって、溶液が蒸発する可能性があります。その場合は、シールをした後、CO2 インキュベーターなど加湿条件下で静置してください。
注意事項
- 細胞の種類および数により発色程度が異なりますので、予備的検討をお薦めします。
- 生成するホルマザン色素の極大吸収波長は 570 nm 付近にありますので、高感度に測定するためには 550 ~ 590 nm のフィルターをご使用ください。
- 使用後の残った MTT 溶液は、凍結保存してください。
- MTT 溶液の頻繁な凍結融解操作は性能劣化を促進します。
- 刺激性の溶媒を使用しています。取り扱いには、手袋、保護メガネなどをご使用ください。
製品使用例
使用例
呈色時間の違いによる感度の比較
検討条件:96 ウェルマイクロプレート
測定波長:570 nm(参照波長 650 nm)
グラフ:横軸-播種時の細胞数(× 103 cells/well)、縦軸-吸光度値(ブランク未補正)
RPMI1640、Ham's F-12、DMEM、MEM の培地で問題なく使用できることを確認しました。
細胞の種類により、発色程度が異なります。
HL-60 や Jurkat のようなリンパ球は、他の細胞種よりもホルマザンの生成量が少ないため、細胞数を増やす、呈色時間を長くすることにより十分な吸光度の変化を観察することができます。
従来法と簡便法による感度比較
検討条件:96 ウェルマイクロプレート 反応時間:4 時間 測定波長:570 nm(参照波長 650 nm) グラフ:横軸-播種時の細胞数(× 103 cells/well)、縦軸-吸光度値(ブランク未補正)
反応後にピペッティング操作などによりホルマザンを溶解した従来法と、37℃ で 16 時間インキュベートした簡便法において、同等の検出感度を得ることができました
※掲載内容は予告なく変更になる場合があります。