Blocking One-P
Blocking One-P は、Blocking One の基本構成成分となる高分子化合物はそのままに、カゼインフリーで内因性ホスファターゼ非含有のブロッキング剤として開発されました。リン酸化タンパク質の検出に、もちろんリン酸化タンパク質以外のアプリケーションにもご使用いただけます。
- リン酸基不含を試験済み
- 内因性ホスファターゼ非含有を試験済み
- 開封後も冷蔵保存可能
- 短時間でブロッキング
製品説明
使用例:ウェスタンブロッティングでのブロッキング(ブロッキング時間 20 分)
HeLa 細胞ライセートからのリン酸化タンパク質の検出
わずか 20 分のブロッキング処理で、低バックグラウンド、高感度検出が可能です。
サンプル | : | HeLa 細胞 1.0×107 個 + 1 × に調製した RIPA バッファー(10 倍濃縮)(#08714-04)(1 mL) ①5 µL ②10 µL |
一次抗体 | : | p-Tyr(PY20)(Santa Cruz #sc-508) 2,000 倍希釈 |
二次抗体 | : | goat anti-mouse IgG-HRP(Santa Cruz #sc-2005) 10,000倍希釈 転写膜の染色:CBB Stain One(#04543) |
転写膜の染色 | : | CBB Stain One(#04543) |
化学発光検出 | : | Chemi-Lumi One L(#07880) |
使用方法
■ 96 穴マイクロプレートのブロッキング溶液(マイクロプレート 1 枚分)
清潔な 50 mLビーカーにイオン交換水 32 mL、本製品 8 mLを添加して、十分に混和してください。これ以外のスケールで調製する場合には、イオン交換水 4 容量と本製品 1 容量の割合で混和してください。 調製したブロッキング溶液を、抗体固定済みのマイクロプレートに 1 ウェルあたり 350 µL 分注します。 分注後室温で 40 分静置します。静置後、マイクロプレートを逆さまにしてブロッキング溶液を除去し、1 ウェルあたり 350 µL の TBS を分注し、ブロッキング溶液を洗浄します。同様の操作を 3 回繰り返し、ブロッキング溶液を完全に除去してから、その後の抗原抗体反応に使用してください。(リン酸化検出の場合、操作中のホスファターゼの混入によるサンプルの脱リン酸化を防止する目的でホスファターゼ阻害剤(例:ホスファターゼ阻害剤カクテル #07574-61)を添加することを推奨します。)
■ 酵素標識抗体の希釈(マイクロプレート 1 枚分)
清潔な 20 mL ビーカーにポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(Tween 20)などの界面活性剤を 0.1% 程度含む TBS 19 mL、本製品 1 mLを添加して十分に混和してください。これ以外のスケールで溶液を調製する場合には、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(Tween 20)などの界面活性剤を 0.1% 程度含む TBS 19 容量と本製品 1 容量の割合で混和してください。 20 倍希釈したブロッキング溶液に所定量の酵素標識抗体を添加して、泡立たない程度に十分混和し、直ちに測定に使用します。なお、希釈後の酵素標識抗体は希釈液の種類に限らず酵素活性が経時的に低下し、ELISA 測定の感度の低下につながる恐れがありますので、なるべく早く使用してください。(リン酸化検出の場合、操作中のホスファターゼの混入によるサンプルの脱リン酸化を防止する目的でホスファターゼ阻害剤を添加することを推奨します。)
■ イムノブロッティング膜のブロッキング
本製品をそのまま使用してください。 10 cm × 10 cm 程度の膜をブロッキングする場合は、本製品 50 mLを清潔な樹脂製のトレーに入れ、膜を浸して 20 分程度振とうしてください。
FAQ(よくあるご質問/トラブルシュート)
- ブロッキングワン P はどのような製品ですか?
- 本製品は、ELISA やイムノブロッティングでマイクロプレートや膜などの担体をブロッキング処理するための溶液であり、特にりん酸化タンパク質検出実験において最適なブロッキング剤です。
- 使用方法を教えてください。
- イムノブロッティング膜をブロッキングする場合、本製品の原液に膜を浸して、室温で 20 分間振とうしてください。 使用方法の詳細は、取扱説明書をご参照ください。
- ブロッキング後、洗浄する必要はありますか?
- 本製品を用いてブロッキング後、tTBS でのリンスを推奨しております。
- ブロッキングワン P に含まれている成分を教えてください。
- 本製品に含まれている成分は下記の通りです。 ・ウシ血清アルブミン ・高分子化合物 ・防腐剤 ・緩衝液 成分情報の詳細は、SDS をご参照ください。
- ブロッキングワン P に、内在性ホスファターゼは含まれていますか?
- 本製品は、内在性ホスファターゼが含まれないことを確認しております。 試験項目の詳細は、製品規格書をご参照ください。
- ブロッキングワン P に、毒物劇物取締法およびカルタヘナ法に該当する成分は含まれていますか?
- 本製品に毒物劇物取締法およびカルタヘナ法に該当する成分は含まれておりません。 適用法令に関する詳細は、SDS をご参照ください。
- 有効期限を教えてください。
- 本製品の有効期限は、ラベルに記載されております。
- 凍結保存は可能ですか?
- 保証外です。 本製品は防腐剤が含まれているため、開封後は冷蔵で保存いただけます。
- アビジン-ビオチン検出系に適応可能ですか?
- アビジン-ビオチンの検出系への適応に関するデータを保有しておりません。 したがって、予備検討を行っていただく必要があります。
- アルカリホスファターゼ検出系に適応可能ですか?
- アルカリホスファターゼ検出系の場合、本製品を抗体希釈液として使用することはできません。 ブロッキング剤としての使用は可能ですが、ブロッキング処理後の洗浄を念入りに行ってください。
- 酵素標識されていない抗体も希釈可能ですか?
- 可能です。 どの抗体に対しても、本製品を 20 倍希釈してご使用ください。(アルカリホスファターゼ標識抗体を除く。)
- 抗体の希釈を行う際に、ブロッキングワン P を原液で、または 20 倍希釈よりも薄めて使用可能ですか?
- 酵素標識抗体を希釈する際に、本製品を原液、または 20 倍希釈より薄めて使用されると、抗体の反応性が低下する可能性があります。 酵素標識抗体を希釈する際は、本製品を 20 倍希釈してご使用ください。使用方法の詳細は、取扱説明書をご参照ください。
- スライドガラス上に固定された細胞に対してブロッキング処理を行いたい場合、ブロッキングワン P は使用可能ですか?
- 細胞アッセイへの適応は本来の用途ではないため、保証外です。 したがって、予備検討を行っていただく必要があります。
- シグナル増強剤 HIKARI(#02272, #02297)とブロッキングワン各種の併用は可能ですか?
- ブロッキングワン各種でブロッキング後、シグナル増強剤 HIKARI で希釈した一次抗体を処置する場合、問題なく使用可能です。 ただし、ブロッキングワン各種とシグナル増強剤 HIKARI を混合して一次抗体を希釈することは、推奨しておりません。
- ブロッキングワン P の再利用は可能ですか?
- 保証外です。 したがって、予備検討を行っていただく必要があります。
- ブロッキングワンのイムノブロッティング膜のブロッキング推奨時間が 30 分であるのに対して、ブロッキングワン P のブロッキング推奨時間が 20 分であるのはなぜですか?
- 両製品のブロッキング時間の違いは、組成、成分等の違いです。
- 取扱説明書に記載されている時間より長くブロッキングした場合、ブロッキング効果は強まりますか?
- 本製品の取扱説明書に記載通り、96 well マイクロプレートのブロッキングであれば 40 分、イムノブロッティング膜のブロッキングであれば 20 分で、十分な効果が得られます。 長時間のブロッキングにより、シグナル強度が下がる場合がありますので、取扱説明書に記載されている時間以上の処理は推奨しておりません。
- ウェスタンブロッティング時のブロッキングにブロッキングワン P を使用して、バックグラウンドが高かった場合、改善策はありますか?
- 本製品を適切な使用方法でご使用いただいた上でバックグラウンドの上昇が見られる場合、改善策は以下の通りです。 ・抗体、特に二次抗体の濃度を下げる。(抗体の非特異的な反応を減らすため。) ・メンブレンをニトロセルロース膜から PVDF 膜に変更する。(PVDF 膜の方がタンパク質との結合力が強いため、メンブレンに結合する目的タンパク質量が上がり、抗体濃度を薄くできる。) ・他のブロッキング剤に変更する。(本製品が測定系の抗体や酵素標識抗体などと交差反応している可能性があるため。)
- ウェスタンブロッティング時のブロッキングにブロッキングワン P を使用して、バンドが検出されなかった場合、改善策はありますか?
- 本製品を適切な使用方法でご使用いただいた上でバンドが検出されなかった場合、改善策は以下の通りです。 ・ブロッキング時間を短くする。(オーバーブロッキングにより感度が低下している可能性があるため。) ・サンプル調製時にホスファターゼ阻害剤カクテル(#07575, #07574)等を使用する。(サンプル調製時にホスファターゼによりリン酸基が切断されている可能性があるため。)
- ブロッキングワンに含まれる防腐剤は、標識酵素に影響を及ぼしますか?
- 本製品は、標識酵素の活性に影響を及ぼさない防腐剤を使用しております。
※掲載内容は予告なく変更になる場合があります。