ウェスタンブロッティング用発色検出試薬
TMB Solution for Western Blotting
本製品はウェスタンブロッティング用発色検出試薬です。化学発光検出試薬のように暗室や CCD イメージャーを必要とせず、目視にて検出が可能です。また、発がん性が報告されている DAB や o-ジアニシジン不使用で、ready to use であるため取り扱いが容易です。
※本製品は ELISA、免疫組織染色にはご使用いただけません。
特長
- 暗室や CCD イメージャーを必要とせず、化学発光検出試薬(一般的感度)と遜色ないレベルで検出が可能
- 従来の発色法と比べ、感度は同等以上かつ視認性に優れた色調(青紫色)
- Ready to use
製品説明
性能確認 1
化学発光検出試薬および従来の発色検出試薬との検出感度比較
化学発光検出試薬(一般的感度)および従来の発色検出試薬との検出感度の比較を行いました。本製品は化学発光検出試薬と遜色ないレベルで検出が可能でした。また、従来の発色検出試薬と比較し、より高感度に検出できました。
発色検出試薬(本製品)・反応時間 10 分 | |
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TMB Solution for Western Blotting |
化学発光検出試薬・露光時間 10 分 | |
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Chemi-Lumi One L(#07880) | |
A 社製品① | |
A 社製品② |
従来の発色検出試薬・反応時間 10 分 | |
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Peroxidase Stain Kit(#26652-70) | |
Peroxidase Stain DAB Kit(#25985-50) | |
Peroxidase Stain DAB Kit +Metal Enhancer for DAB Stain(#07388-24) |
サンプル | : | HeLa 細胞タンパク質抽出液 12 μg より 2 倍希釈系列 |
一次抗体 | : | Anti-β-Actin mAb(MBL #M177-3) × 5,000 |
二次抗体 | : | Anti-Mouse IgG, HRP-Linked Whole Ab Sheep(Cytiva #NA931) × 10,000 |
検出 | : | 【発色】各発色検出試薬 反応時間 10 分 【発光】各発光検出試薬 反応は各添付文書記載時間に従う LAS-3000(Super モード) 露光時間 10 分 |
性能確認 2
TMB Solution for Western Blotting の定量性
TMB Solution for Western Blotting の定量性を確認しました。4.62 ~ 178 ng(約 1.6 桁)の間で高い直線性(R2値:0.98)を示しました。
サンプル | : | GST-His タンパク質 600 ng より 1.5 倍希釈系列 |
一次抗体 | : | Anti-GST(Mouse IgG2a-κ), Monoclonal(GS019), AS(#04435) × 2,000 |
二次抗体 | : | Anti-Mouse IgG, HRP-Linked Whole Ab Sheep(Cytiva #NA931) × 10,000 |
検出 | : | TMB Solution for Western Blotting 反応時間 5 分 |
解析 | : | スキャナー(セイコーエプソン株式会社)で取り込み、ImageJ にてバンド強度を測定 |
製品使用例
実施例
TMB Solution for Western Blotting と Signal Enhancer HIKARI との併用
本製品と Signal Enhancer HIKARI を併用することで、Chemi-Lumi One Super のような高感度化学発光検出試薬と遜色ないレベルで検出できます。
発色検出試薬(本製品)・反応時間 10 分 | |
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TMB Solution for Western Blotting +Signal Enhancer HIKARI for Western Blotting and ELISA(#02270-81) |
化学発光検出試薬・露光時間 10 分 | |
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Chemi-Lumi One Super(#02230) | |
B 社製品 |
サンプル | : | HeLa 細胞タンパク質抽出液 3 μg より 2 倍希釈系列 |
一次抗体 | : | GAPDH Antibody(Novus #NB300-322)× 5,000 本製品反応分は Signal Enhancer HIKARI A 液で希釈、発光検出試薬反応分は 0.1% t-TBS で希釈 |
二次抗体 | : | Anti-Rabbit IgG, HRP-Linked Whole Ab Donkey(Cytiva #NA934)× 10,000 本製品反応分は Signal Enhancer HIKARI B 液で希釈、発光検出試薬反応分は 0.1% t-TBS で希釈 |
検出 | : | 【発色】本製品 反応時間 10 分 【発光】各発光検出試薬 反応は各添付文書記載時間に従う LAS-3000(Super モード) 露光時間 10 分 |
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顧客使用例
実施例:TMB Solution for Western Blotting による大豆タンパク質(Gly m4)の検出
大豆タンパク質(Gly m4)を TMB Solution for Western Blotting により検出しました。本分子は CBB 染色では確認できませんが、本製品を用いたウェスタンブロッティングでは検出が可能でした。
CBB 染色 | ウェスタンブロッティング |
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サンプル | : | 豆乳を 20 倍、60 倍、180 倍、540 倍希釈 |
検出 | : | 【ウェスタンブロッティング】TMB Solution for Western Blotting 反応時間 5 分 |
【使用者の評価】
TMB Solution for Western Blotting による検出は、化学発光検出試薬(一般的感度)と比較しても、十分な感度で検出が可能であった(データ省略)。また、他社発色検出試薬と比べ高感度な印象であり、ready to use かつ、化学発光のように操作の手間や検出機器を必要としないことから、学生実習や簡易検出に適している。
本データは近畿大学 農学部 応用生命化学科 教授 森山 達哉 様 / 研究員 矢野 えりか 様よりご提供いただきました。
FAQ(よくあるご質問/トラブルシュート)
- TMB溶液(ウェスタンブロッティング用)はどのような製品ですか?
- 本製品は、イムノブロッティングにおいて、ペルオキシダーゼを検出するための色素沈着型の染色キットです。 本製品の使用により、化学発光検出法に近い感度での検出が目視で可能になります。
- 使用方法を教えてください。
- メンブレン上の抗原にペルオキシダーゼで標識された抗体を反応させた後、tTBS等で十分に洗浄します。 タンパク質吸着面が上になるようにトレイ等にメンブレンを置き、本製品を注いで、5~15分程度静置します。適当な染色像が得られたら、メンブレンを蒸留水で数回洗浄し、反応を停止させます。使用方法の詳細は、取扱説明書をご参照ください。
- ペルオキシダーゼ゙染色DABキット(BROWN STAIN)(#25985)、ペルオキシダーゼ染色キット(#26652)、TMB溶液(ウェスタンブロッティング用)(#18186)の違いを教えてください。
- すべてペルオキシダーゼ検出用の色素沈着型染色剤ですが、発色基質の違いにより染色時の色が異なります。 各製品の染色時の色は以下の通りです。 ・ペルオキシダーゼ゙染色DABキット(BROWN STAIN)(#25985):茶色*(発色原液の成分: DAB) *DAB 染色用メタルエンハンサー(#07388)を併用する ことで灰色に色調を変更できます。 ・ペルオキシダーゼ染色キット(#26652):赤紫色(発色原液の成分: ナフトール誘導体/ベンチジン誘導体) ・TMB溶液(ウェスタンブロッティング用)(#18186):青紫色 上記製品および化学発光検出試薬で検出感度を比較したデータを当社HPまたはよく解る実験プロトコール ウェスタンブロッティングに掲載しておりますので、ご参照ください。
- 染色後のメンブレンを保存することは可能ですか?
- 可能です。 染色後のメンブレンを保存する場合は、風乾させ、プラスチック製バック等に入れ、遮光して保存してください。ただし、染色像は徐々に退色しますので、一週間以内にスキャナー等で染色像を保存することを推奨しております。
- ELISAや免疫染色に適用可能ですか?
- 本製品は、ELISAや免疫染色にはご使用いただけません。 ELISAを行われる場合は、ELISA POD基質TMB溶液(#05299)、または、ELISA POD基質TMBキット(#05298, #02893)をご使用ください。免疫染色を行われる場合は、同じ色素沈着型染色キットである、ペルオキシダーゼ゙染色DABキット(BROWN STAIN)(#25985)、もしくは、ペルオキシダーゼ染色キット(#26652)をご使用ください。
- バックグラウンドが高い場合、改善策はありますか?
- ウェスタンブロッティングにおいてバックグラウンドが高い場合、ブロッキング、抗体反応、検出、洗浄といった操作工程中に原因があります。 例えば、抗体反応であれば、抗体濃度(特にペルオキシダーゼ標識抗体)が濃すぎる可能性があります。適当な抗体濃度を予めご検討ください。よく解る実験プロトコール ウェスタンブロッティングにトラブルシューティングを掲載しており、各操作工程におけるバックグラウンドが高くなる原因と改善策を記載しておりますので、ご参照ください。
- バンドが薄い場合、改善策はありますか?
- ウェスタンブロッティングにおいてバンドが薄い場合、サンプル調製、電気泳動、転写、ブロッキング、抗体反応、検出といった操作工程中に原因があります。 例えば、抗体反応であれば、抗体濃度が薄すぎる可能性があります。抗体濃度をご検討ください。よく解る実験プロトコール ウェスタンブロッティングにトラブルシューティングを掲載しており、各操作工程におけるバンドが薄くなる原因と改善策を記載しておりますので、ご参照ください。