Codex® HiCap RNA Polymerase

mRNA 合成の際に生じる、キャップ構造を持たない mRNA や dsRNA は、免疫原性を示すことが知られています。そのため、mRNA の医薬品開発などでは、これらを含まない、純度の高い mRNA が求められています。Aldevron 社が提供する改良型 T7 RNA Polymerase(Codex® HiCap RNA Polymerase)は、高いキャッピング効率を実現し、さらに副産物である dsRNA の生成を抑制します。
※本製品は Codexis 社が開発し、Aldevron 社が製造・販売しています。
AM
AM(Ancillary raw material)グレードが 2025 年夏頃に上市予定です。本製品は、ISO13485 に従って製造しています。GMP 準拠ではありません。
- 高いキャッピング効率
- dsRNA の生成を抑制
製品説明
収量およびキャッピング効率の比較
ARCA + Codex® HiCap RNA Polymerase

キャップアナログ ARCA を用いる場合、in vitro 転写の際に GTP と競合するため、GTP の濃度を低くする必要があります。Codex® HiCap RNA Polymerase は、WT(wild-type)T7 よりもキャップアナログに対して高い親和性を持つように設計されているため、GTP 濃度が高くても、高いキャッピング効率(>95%)を示し、なおかつ高収量です。
CleanCap® AG + Codex® HiCap RNA Polymerase

CleanCap® Reagent AG(TriLink #N-7113)はトリヌクレオチドのキャップアナログで、特長として高いキャッピング効率を有しています。Codex® HiCap RNA Polymerase と組み合わせることで、高いキャッピング効率・収量を維持したまま、CleanCap® の使用量を 62% 削減できます。
dsRNA の生成量の比較

WT T7 またはCodex® HiCap RNA Polymerase を用いて in vitro 転写を行った。dsRNA の測定は、抗 dsRNA 抗体(J2)でイムノブロットを行い、画像解析により相対的強度から定量を行った。
Codex® HiCap RNA Polymerase は、WT と比べて dsRNA の生成が大幅に低減していることが示されています。
参考文献
- Miller M, et al. An engineered T7 RNA polymerase for efficient co-transcriptional capping with reduced dsRNA byproducts in mRNA synthesis. Faraday Discuss. 2024;252:431-49.
https://doi.org/10.1039/d4fd00023d
関連資料
価格表
製品名 | メーカー製品番号 | 容量 | オンライン カタログへ |
---|---|---|---|
Codex® HiCap RNA Polymerase | 9145-250uL | 250 µL | ![]() |
9145-1mL | 1 mL | ||
9145-10mL | 10 mL |
製造が Codexis 社から Aldevron 社へ変更されたことに伴い、保存溶液の組成が以下のように変更されました。
【変更前】Codexis 社組成
50 mM Tris-HCl, 100 mM NaCl, 10.0 mM DTT, 1.0 mM EDTA, 0.09% Triton X100, 50% Glycerol, pH 8.0
【変更後】Aldevron 社組成
50 mM Tris, 100 mM NaCl, 1.0 mM TCEP, 1.0 mM EDTA, 0.1% Tween-20, 50% Glycerol, pH 8.0
CleanCap® は TriLink BioTechnologies, LLC、Triton はユニオン・カーバイド・コーポレーション、Tween はクローダ インターナショナル ピーエルシーの登録商標です。
※掲載内容は 2025 年 1 月現在の情報に基づいています。