温和かつ迅速な細胞の剥離に細胞剥離用酵素 Accutase
Accutase は、タンパク質分解活性およびコラーゲン分解活性を持つ酵素を主成分とする温和な細胞剥離液です。温和かつ迅速に作用するため、ES 細胞や神経幹細胞などの幹細胞の剥離にも広く使用されています。
※細胞凝集体の剥離に適した Accumax はこちら
特長
- 温和かつ迅速な細胞剥離が可能
- 血清や阻害剤による中和が不要
- ほとんどのエピトープが保存されるためフローサイトメトリーに有用
- 哺乳動物および細菌由来成分不含
使用実績
ヒト ES 細胞 | ヒト iPS 細胞 |
ヒト間葉系幹細胞 | 骨髄幹細胞 |
ヒト神経幹細胞 | ニューロスフェア |
マクロファージ | ケラチノサイト |
血管平滑筋細胞 | 血管内皮細胞 |
肝細胞 | 肝前駆細胞 |
ニワトリ胚神経初代細胞 | 線維芽細胞 |
接着性 CHO 細胞 | BHK 細胞 |
293 細胞 | L929 細胞 |
不死化マウス精巣胚細胞 | 3T3 |
Vero | COS |
HeLa | NT2 |
MG63 | M24 |
A375 | U251 |
D54 | HT1080 |
Sf9 |
一部の細胞を掲載しています。
FAQ
- Accumax と Accutase の違いは?
- どちらの製品もタンパク質分解活性およびコラーゲン分解活性を持つ、天然の酵素の混合物であり、哺乳類やバクテリア由来の成分を含みません。Accumax は、Accutase よりも 3 倍濃い酵素濃度で、フェノールレッドを含みません。また Accumax は、特に細胞凝集体の分散に適しています。Accutase は、トリプシンとコラゲナーゼの併用処理以上の効果を示し、より低毒性かつ穏やかに細胞を分散させることができます。
- 37℃ で解凍してしまいました。使用できますか?
- 解凍の際に製品の温度が 37℃ になるまで加温しない限り使用可能ですが、酵素活性が落ち、細胞剥離に時間を要する場合があります。そのような場合は、新しいもののご使用をお薦めします。なお本製品を 37℃ で 1 時間以上放置しますと、活性が失われます。
- 分注して冷凍保存する必要はありますか?
- 必要はありません。解凍後は 2 カ月以上の冷蔵保存が可能です。ご使用後は、本製品の温度上昇にご注意いただき、速やかに冷蔵庫へお戻しください。
- どの細胞株に使用できますか?
- あらゆる接着細胞株で使用可能です。細胞を覆う程度の量の Accutase を加え、自然に剥離するまでお待ちください。
- 非接着細胞の細胞凝集体の剥離に使用できますか?
- 使用可能です。神経前駆細胞の凝集体(神経幹細胞凝集体)の剥離にも使用可能です。
- 使用前に Accutase を希釈する必要はありますか?
- 必要はありません。Accutase は便利な調製済みの製品ですので、希釈せずにそのまま使用可能です。
- 使用前に細胞を洗浄する必要はありますか?
- 必要はありません。培地を取り除いた後、Accutase をそのまま使用可能です。
- どの程度の時間、細胞を Accutase で処理するといいですか?
- 細胞剥離に要する時間はトリプシンと同じくらいですが、適切な処理時間は適宜検討を行ってください。通常、トリプ シン処理時間より長時間 Accutase に細胞を浸しても細胞はダメージを受けません。顕微鏡で、細胞の形状がクモの様な形状から小さな球状に変化する時間を目安としてください。
- Accutase の処理過多による細胞への影響はありますか?
- 影響はありません。ただし、Accutase は穏やかに作用しますが、細胞の種類やアプリケーションに応じて、剥離に必要な時間をご検討ください。
- 使用後に、血清で反応停止させる必要はありますか?
- 通常、必要はありません。D-PBS や培地で Accutase を希釈するだけで剥離活性を停止できます。酵素の不活化が実験上必要な場合は、大豆製トリプシンインヒビターなどの標準的なトリプシンインヒビターが使用可能です。
- 使用後に、Accutase を洗浄除去する必要はありますか?
- 必要はありません。洗浄除去を必要としないことが Accutase の特長です。
- 凍結した状態の、製品の色が不均一です。また、解凍を進めていきますと、色が層状になりますが問題はありませんか?
- 問題はありません。凍結した状態や解凍中に、色むらが見られることがありますが、ご使用前に解凍した容器を穏やかに反転混合し、均一にしてからご使用ください。
- 剥離があまり進まない場合の対処方法はありませんか?
- 本製品は穏やかな剥離液であり、トリプシンなど他の剥離液と同様にご使用になりますと、剥離が緩やかに感じられる場合があります。その場合は、インキュベーション時間を長くするか、活性が失われない程度まで剥離温度を上昇させてください。
使用文献
- Fukusumi, H. et al. Small-scale screening of anticancer drugs acting specifically on neural stem/progenitor cells derived from human-induced pluripotent stem cells using a time-course cytotoxicity test. PeerJ. 2018, 6, e4187.
- Uchimura, T. et al. A human iPS cell myogenic differentiation system permitting high-throughput drug screening. Stem Cell Res. 2017, 25, p. 98-106.
- Yamamichi, K. et al. Amelogenin induces M2 macrophage polarisation via PGE2/cAMP signalling pathway. Arch Oral Biol. 2017, 83, p. 241-251.
- Yamamoto, Y. et al. Long-term expansion of alveolar stem cells derived from human iPS cells in organoids. Nat Methods. 2017, 14(11), p. 1097-1106.
価格表
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