GFP融合タンパク質の精製に最適抗GFP抗体結合ビーズ GFP-nAb
通常の抗体は軽鎖と重鎖からなる大きな複合体(~ 150 kDa)ですが、ラクダ科動物由来のシングルドメイン(VHH)抗体は、重鎖可変領域のみからなる小さな抗体(~ 13 kDa)です。この性質により、隠れたエピトープを認識でき、また非特異的な相互作用が起きないため、目的タンパク質の精製に最適です。Allele Biotechnology 社では GFP-nAb(GFP および遺伝子改変した GFP を認識する VHH 抗体を磁気ビーズもしくはアガロースに連結した製品)を販売しています。
特長
- シングルドメイン(VHH)抗体を採用
- 優れた特異性
- 高い安定性(70℃、2 M NaCl、0.5% SDS の条件まで使用可能)
ラインアップ
ハンドリングに優れた磁気ビーズタイプおよび、高い結合容量を持つアガロースビーズタイプを用意しています。
製品名 | 担体の種類 | 粒径 | 結合容量* |
---|---|---|---|
GFP-nAb Magnetic Agarose | 磁気ビーズ | ~ 1 µm | > 4 µg /10 µL |
GFP-nAb Agarose | アガロース | ~ 90 µm | > 5 µg /10 µL |
*EGFPの結合量で評価
使用例
GFP-nAb Agarose Spin Kit を用いた EGFP の精製
M :マーカー
I :Sf9 細胞のライセート
FT :素通り画分
E :溶出した EGFP
本製品により、EGFP を発現する Sf9(昆虫細胞)のライセートから EGFP を精製した後、電気泳動を行い、ゲルを CBB 染色しました。その結果、EGFP を特異的に精製できていることが示されています。
適用
- 免疫沈降(Co-IP)
- クロマチン免疫沈降(ChIP)
- RIP アッセイ(RNA 免疫沈降)
- 定量分析
- 相互作用のあるタンパク質の探索
- CLIP アッセイ(in vivo クロスリンクと免疫沈降)
特異性
本製品は以下の遺伝子改変 GFP タンパク質も精製可能です。
UV Proteins | CyPet | Emerald / mEmerald |
Sirius | mTurquoise | EGFP / mEmerald |
Blue Proteins | mTurquoise2 | Clover |
Azurite | Sapphire-type Proteins | Yellow Proteins |
EBFP2 | Sapphire | EYFP / mEYFP |
mKalama1 | T-Sapphire | Topaz / mTopaz |
Cyan Proteins | mAmetrine | Venus / mVenus |
ECFP / mECFP | GFPuv | SYFP2 |
Cerulean / mCerulean | Green Proteins | Citrine / mCitrine |
SCFP3A | Superfolder GFP | Ypet |
キット内容
ここでは GFP-nAb Magnetic Agarose Kit(20 reactions)を紹介します。キットは、試料の調製からタンパク質の精製までに必要な一連の試薬から構成されています。
キット内容 | 組成 |
---|---|
GFP-nAb Magnetic Agarose beads | - |
1x Lysis Buffer | 20 mM Tris-HCl pH 7.5, 150 mM NaCl, 1 mM EDTA, 0.5% NP-40 |
1x Binding Buffer | 10 mM Tris-HCl pH 7.5, 150 mM NaCl |
1x Wash Buffer | 10 mM Tris-HCl pH 7.5, 500 mM NaCl |
1x Elution Buffer | 200 mM glycine pH 2.5 |
1x Neutralization Buffer | 1 M Tris Base |
※磁気スタンドは別途必要となります。なお、Agarose Spin Kit は各種緩衝液の他に、スピンカラムも同封されています。
価格表
キット以外にキットの構成品も販売しています。
※掲載内容は 2024 年 2 月現在の情報に基づいています。