ラピッド泳動用緩衝液(20倍濃縮, SDS-PAGE用)
Rapid Running Buffer Solution(20x) for SDS-PAGE
本製品は、自作ゲル用の高速泳動緩衝液です。従来の Laemmli 法組成の泳動緩衝液の代わりに使用するだけで、泳動時間を大幅に短縮することができる画期的な緩衝液です。
(注)本製品は自作ゲル用の製品であり、プレキャストゲルの中には使用できない製品もあります。使用される場合は予備検討を行ってから使用してください。
Rapid Running Buffer Solution の泳動スピードを動画サイト(YouTube)で公開しています。
サンプル
・Protein Ladder One, Triple‐color(Broad Range) for SDS‐PAGE
#09547-74
・Protein Markers(M.W. 6,500~200,000)(10x) for SDS‐PAGE
#29458-24
左側 | 右側 | |
---|---|---|
泳動用緩衝液 | Rapid Running Buffer Solution (20x) for SDS-PAGE (#12981-74) |
Laemmli 法組成泳動緩衝液 |
ゲル | 8% Laemmli 法組成ゲル(自作ミニゲル) | |
泳動条件 | 250 V(定電圧), 20 分 |
特長
- 約 25 分で泳動終了*
- Laemmli 法組成泳動緩衝液を本製品に置き代えるだけ
- グラジエントゲル様の広い分析範囲
- ウェスタンブロッティングでの高い転写効率
- WIDE RANGE ゲルにも適用
*電圧 250 V ミニゲル使用時
製品説明
本製品を使用することにより、Laemmli 法組成泳動緩衝液使用時と比較し、泳動時間は約 60% 以下に短縮されます。また、泳動緩衝液の温度上昇も Laemmli 法組成泳動緩衝液と遜色ありません。
泳動時間と泳動緩衝液の温度上昇の比較
Laemmli 法組成のミニゲル 2 枚、泳動緩衝液 380 mLを使用。
ゲル濃度 | 泳動緩衝液 | 8% | 本製品 |
---|---|
12% | Laemmli 法組成泳動緩衝液(0.025 mol/L Tris, 0.192 mol/L L-Glycine, 0.1% SDS) |
同一ゲル濃度での比較
ゲル濃度 8% で、本製品と Laemmli 法組成泳動緩衝液を使用し、250 V で 23 分泳動しました。本製品が短時間で分離できていることが示されています。
分離パターン
ゲル濃度調整例
本製品を使用する場合、従来の Laemmli 法で調製するゲルよりも 4% 低い濃度でゲルを調製することで、従来の分離パターンに近くなります。
従来法 | |
---|---|
ゲル濃度 | 泳動緩衝液 |
12% | Laemmli 法組成泳動緩衝液 |
本製品使用 | |
ゲル濃度 | 泳動緩衝液 |
8% | 本製品 |
また、本製品と Laemmli 法組成泳動緩衝液を使い分けることにより、1 種類のゲルで低分子領域(本製品を使用)から高分子領域(Laemmli 法組成を使用)まで分離結果を得ることができます。
ゲル | Laemmli 法組成 6% ゲル |
泳動緩衝液 |
①本製品 分析範囲 30 ~ 200 kDa(低分子領域) ②Laemmli 法組成泳動緩衝液 分析範囲 50 ~ 300 kDa(高分子領域) |
分離例
次の条件で実験を行いました。
ゲル |
|
---|---|
泳動緩衝液 |
|
サンプル | タンパク質マーカー(10倍濃縮)(#29458-24)を 1 × 濃度で添加 |
泳動条件 | 250 V(定電圧)、BPB がゲル端 5 mm 前で泳動停止 |
染色 | CBB Stain One(#04543) |
本製品使用-Laemmli 法組成ゲルの分離例
泳動緩衝液 | 本製品 | |||
ゲル | Laemmli 法組成ゲル | |||
ゲル濃度 | 6% | 8% | 10% | 4-10% |
泳動像 |
Laemmli 法組成泳動緩衝液使用-Laemmli 法組成ゲルの分離例
泳動緩衝液 | Laemmli 法組成泳動緩衝液 | ||||
ゲル | Laemmli 法組成ゲル | ||||
ゲル濃度 | 6% | 8% | 10% | 12% | 15% |
泳動像 |
本製品使用-WIDE RANGE ゲルの分離例
高分子側の分離には、弊社より販売の WIDE RANGE Gel Preparation Buffer(#07831-94)で調製したゲルを使用することで、良好な結果が得られます。
泳動緩衝液 | 本製品 | |||
ゲル | WIDE RANGE ゲル | |||
ゲル濃度 | 4% | 6% | 8% | 10% |
泳動像 |
使用例
二次元電気泳動
本製品は、二次元電気泳動や銀染色に適用することが示されています。
サンプル | HL-60 細胞由来タンパク質 |
---|---|
一次元目 | Immobiline pH 4-7 |
二次元目 | 10% ゲル(Laemmli 法ゲル、ミニゲル:75 mm × 90 mm × 1 mm) |
泳動緩衝液 | 本製品 |
泳動条件 | 250 V(定電圧)、25 分泳動 |
染色 | Sil-Best Stain One(#06865-81) |
Immobiline は、Cytiva として事業を行う Global Life Sciences Solutions USA LLC およびその関連会社の商標です。
転写効率の確認
本製品使用時はゲル濃度を下げて分析するので、ウェスタンブロッティングでのメンブレンへの転写効率が上がります。
ゲル濃度 | 8% | 12% |
泳動緩衝液 | 本製品 | Laemmli 法組成泳動緩衝液 |
転写時間 | 10 分 | |
メンブレン染色像 |
ゲル濃度 | 8% | 12% |
泳動緩衝液 | 本製品 | Laemmli 法組成泳動緩衝液 |
転写時間 | 30 分 | |
メンブレン染色像 |
ゲル | Laemmli 法組成 8% ゲルまたは 12% ゲル(ミニゲル:75 mm × 90 mm × 1 mm) |
---|---|
サンプル |
① Protein Ladder One, Triple-color(#09547-74)を 1 × 濃度で 5 µL 添加 ② ~ ④ タンパク質マーカー(10倍濃縮)(#29458-24)をそれぞれ 3 × 、1 × 、1/3 濃度で 2 µL ずつ添加 |
泳動条件 | 250 V(定電圧) |
転写条件 |
セミドライ ウェスタンブロッティング用転写緩衝液(#30650-31)を使用 10 V(定電圧) |
メンブレン染色 | CBB Stain One(#04543) |
注意事項
- 本製品は、Laemmli 法組成ゲル、WIDE RANGE Gel Preparation Buffer で調製したゲルを用いた SDS-PAGE 用の泳動緩衝液であり、Native-PAGE には使用できません。またプレキャストゲルの中には、使用できない製品もありますので、プレキャストゲルへ使用する場合は、予備検討を行ってから使用してください。
- 着色済みのマーカー(プレステインドタイプのタンパク質マーカー)は、色素の影響により分子量値に変化が生じることがあります。
- 泳動時間や上昇温度は、ゲルの種類(サイズ・組成)、泳動緩衝液の量、泳動装置などによって変わることがあります。
価格表
※掲載内容は予告なく変更になる場合があります。