アルカリホスファターゼ発色基質BCIP-NBT 溶液(Ready To Use)
本製品は ready to use のアルカリホスファターゼ(AP)発色基質です。ブロッティングや組織・細胞染色において抗原抗体反応などにより結合したアルカリホスファターゼや、幹細胞および骨芽細胞の内因性アルカリホスファターゼの検出など、幅広いアプリケーションにご使用いただけます。
特長
- 便利な ready to use
- 免疫化学染色や内因性 AP 染色など幅広いアプリケーションに使用可能
- DNase、RNase 検査済みで、in situ ハイブリダイゼーションにも安心して使用可能
実施例 1
本製品により、iPS 細胞および骨芽細胞の内因性アルカリホスファターゼが染色されました。
iPS 細胞の内因性アルカリホスファターゼ染色
実験条件
細胞 | iPS 細胞(201B7 株*)、フィーダー細胞(SNL) |
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固定 | 4%-パラホルムアルデヒド・りん酸緩衝液(#09154) 室温 10 分 |
染色 | 本製品、A 社 赤色 AP 発色基質 室温 60 分 |
検出 | (上)スキャナー(セイコーエプソン) (下)光学顕微鏡(オリンパス #BX50) × 10 倍 |
*Takahashi, K. et al. Cell. 2007, 131(5), p. 861-872.
骨芽細胞の内因性アルカリホスファターゼ染色
実験条件
細胞 | MC3T3-E1 細胞 |
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固定 | 4%-パラホルムアルデヒド・りん酸緩衝液(#09154) 室温 10 分 |
染色 | 本製品 室温 30 分 |
検出 | 光学顕微鏡(オリンパス #BX50) 微分干渉にて撮影 × 50 倍 |
実施例 2
マウス褐色脂肪組織由来タンパク質中の UCP1 タンパク質のウェスタンブロッティング検出
本製品を用いて UCP1 タンパク質の発色検出を行いました。
実験条件
サンプル | マウス褐色脂肪組織由来タンパク質(左から 30 μg、10 μg、3 μg、1 μg) |
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ブロッキング | 5% スキムミルク / tTBS 室温 1 時間 |
一次抗体 | 抗 UCP1 抗体(ウサギ)(自家調製) 2,000 倍希釈 5% スキムミルク / tTBS にて希釈 冷蔵一晩 |
二次抗体 | Anti-Rabbit IgG (Fc), AP Conjugate(プロメガ #S373B) 5,000 倍希釈 5% スキムミルク / tTBS にて希釈 室温 1 時間 |
検出 | 各染色液で 1 分 |
【使用者の評価】D 社 BCIP-NBT(Substrate Set)は 2 液タイプである上に緩衝液が自家調製のため、非常に手間を要する。一方、BCIP-NBT 溶液(Ready To Use)は 1 液タイプで利便性が高く、また性能的に遜色のない結果が得られた。
データご提供:京都大学大学院 農学研究科 食品生物科学専攻 食品分子機能学分野 後藤 剛 准教授
性能比較
ドットブロッティングによる検出感度の比較
本製品は他社品と同等以上の感度を有しています。
実施例 3
In situ ハイブリダイゼーションにおける本製品使用例
マウス胎仔パラフィン包埋切片において、本製品を用いて Ⅸ 型コラーゲン(α1)mRNA の検出を行いました。本製品は in situ ハイブリダイゼーションのような高感度を必要とする検出にも使用することができます。
実験条件
組織 | ISH 用パラフィン切片 マウス 胎仔(16.5 日)(ジェノスタッフ #SMPS-08-5) |
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ハイブリダイゼーション | DIG 標識 mouse Col9a1 ISH 用 RNA プローブ(ジェノスタッフ #MP-C-023) |
ブロッキング | Blocking One Histo(#06349-64) 室温 10 分 |
一次抗体 | Anti-Digoxigenin-AP, Fab fragments from sheep(ロシュ #11093274910) 1:2,000 抗体希釈液として 20 倍希釈した Blocking One Histo 含有の tTBS を使用 |
染色 | 本製品 室温 4 時間、対比染色 ケルンエヒトロート液 室温 10 秒 |
観察 | CC/Mount(Diagnostic BioSystems #K002)およびエンテランニュー(メルク #107961)を用いて封入 ズーム実体顕微鏡(アズワン #1-1925-02)× 2.6 倍、光学顕微鏡(オリンパス #BX50)× 50 倍にて観察 |
実施例 4
免疫組織染色における本製品使用例
マウス小腸パラフィン包埋切片において、本製品を用いて PCNA の検出を行いました。感度が不十分な場合は、本製品の反応時間を延長することで十分な感度が得られます。
実験条件
組織 | マウス小腸 パラフィン包埋切片 |
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抗原賦活 | HistoVT One(10x, pH 7.0)(#06380) 90℃ 20 分 |
ブロッキング | Blocking One Histo(#06349-64) 室温 10 分 |
一次抗体 | PCNA Antibody(Novus #NB100-456) 1:500 抗体希釈液として 20 倍希釈した Blocking One Histo 含有の tTBS を使用 |
二次抗体 | Goat anti-Rabbit IgG (H+L) Secondary Antibody [Alkaline Phosphatase] (Pre-adsorbed)(Novus #NB7181) 1:1,000 抗体希釈液として tTBS を使用 |
染色 | 本製品 室温にて各時間反応 |
観察 | CC/Mount(Diagnostic BioSystems #K002)にて封入後、光学顕微鏡(オリンパス #BX50)× 25 倍にて観察 |
測定原理
本製品はアルカリホスファターゼの発色性基質である BCIP が、反応により青色を呈します。また、その反応により NBT が還元されて紫色の不溶性沈殿となり検出されます。
使用方法
内因性アルカリホスファターゼの染色方法を示しました。他のアプリケーションへの使用方法については取扱説明書をご覧ください。
- 細胞をパラホルムアルデヒドなどの固定液を用いて固定します。
- 水で固定液を十分に洗浄します。
- 細胞に本製品をゆっくりと注ぎ、室温で静置して反応させます。(35 mm ディッシュの場合、1 mL 程度の本製品をご使用ください。)
- 適当な染色像が得られたら、水で洗浄し反応を停止させます。
- 封入、もしくは風乾させて観察します。
価格表
※掲載内容は予告なく変更になる場合があります。