蛍光染色用の封入剤Fluoro-KEEPER Antifade Reagent, Non-Hardening Type
本製品は独自の退色防止剤を含有した非固化タイプの封入剤であり、蛍光顕微鏡観察時に起こる蛍光の急激な退色を防止します。カバーガラスの端をマニキュアなどでシーリングした標本は数週間の保存も可能です。DAPI 不含および DAPI 含有の 2 種類を販売しています。
特長
- さまざまな蛍光色素に対し、優れた退色防止効果を発揮
- 使いやすいドロッパーボトルを採用
- DAPI 不含および DAPI 含有の 2 製品を販売
さまざまな蛍光色素に対する退色防止効果
DAPI 不含タイプ | DAPI 含有タイプ | |||||
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蛍光色素 | Fluoro-KEEPER | A 社製品 | Control | Fluoro-KEEPER | A 社製品 | Control |
Hoechst 33258 | 98 | 94 | 96 | - | - | - |
Hoechst 33342 | 100 | 98 | 90 | - | - | - |
DAPI | 99 | 99 | 93 | - | - | - |
Propidium Iodide | 95 | 94 | 67 | - | - | - |
Fluorescein | 97 | 96 | 49 | 96 | 97 | 49 |
Alexa Fluor® 488 | 93 | 93 | 86 | 96 | 99 | 91 |
CF 488 | 93 | 93 | 82 | 91 | 92 | 82 |
Cy 2 | 99 | 0* | 83 | 98 | 0* | 81 |
Rhodamine | 72 | 88 | 51 | 78 | 86 | 41 |
Alexa Fluor® 555 | 98 | 97 | 81 | 97 | 98 | 87 |
CF 555 | 98 | 99 | 85 | 97 | 97 | 85 |
Cy 3 | 89 | 88 | 71 | 86 | 86 | 66 |
各蛍光色素で染色した MC3T3-E1 細胞を、それぞれ Control、本製品、A 社製品で封入した。1 分の励起光照射により各蛍光色素を退色させ、退色防止効果を検討した。上表の数値は観察開始時の蛍光強度を 100% とした時の励起光 1 分照射後の蛍光強度(%)。
コントロール:DAPI 不含タイプは 85% グリセリン含有 PBS、DAPI 含有タイプは 85% グリセリン含有 PBS with DAPI
*A 社製品は Cy 2 の光を著しく減弱させるため、観察開始時および励起光 1 分照射後の蛍光強度が共に測定できず。
装置:落射蛍光顕微鏡(Olympus BX-50-34-FLA1)
本製品はさまざまな蛍光色素に対し、優れた退色防止効果を発揮することが示されています。
DAPI 不含タイプ
実施例
蛍光色素を用いたプラナリア標本の観察
Hoechst 33342 ならびに Alexa Fluor® 488、Alexa Fluor® 594 標識抗体を用いた染色画像
(サンプル:プラナリア)
繰り返し撮影後の蛍光強度の変化
撮影 1 回目の蛍光強度を 100% とした時の繰り返し撮影後の各蛍光強度(%)
核 | Hoechst 33342 |
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Arrestin & G Protein β Subunit(Gβ) |
一次抗体:Mouse Anti-Planarian Arrestin, Mouse Anti-Planarian Gβ 二次抗体:Alexa Fluor® 488 Goat Anti-Mouse IgG |
Tryptophan β Hydroxylase(TPβH) | 一次抗体:Rabbit Anti-Planarian TPβH 二次抗体:Alexa Fluor® 594 Goat Anti-Rabbit IgG |
データご提供:
京都大学大学院理学研究科 生物科学専攻 高次情報形成学講座 生体情報発生分野 分子発生学分科 阿形 清和 教授 / 井上 武 助教
共焦点レーザー走査型顕微鏡(Olympus FV10)にて蛍光染色を行ったプラナリアを撮影しました。60 回撮影後でも鮮明に検出されています。
性能確認
封入標本の長期保存後の蛍光観察
*画像は同じスライド上の封入直後と 3 カ月後の標本を撮影しています。
サンプル | MC3T3-E1 細胞(固定:4%-パラホルムアルデヒド・りん酸緩衝液(#09154)室温 15 分処置) |
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ブロッキング | Blocking One Histo(#06349) |
一次抗体 | Anti-Vimentin Rabbit Polyclonal Antibody(Santa Cruz #sc-7557R) |
二次抗体 | CF 488A Goat Anti-Rabbit IgG(H+L), F(ab’)2 Fragment(Biotium #20013) CF 555 Goat Anti-Rabbit IgG(H+L)(Biotium #20033) |
核染色 | DAPI(#11034)or Hoechst 33258 |
色素や保存期間により変化しますが、本製品で封入した標本は、数週間以上保存後も蛍光観察可能です。ここでは、封入後 3 カ月保存した標本も鮮明に観察されています。本製品で封入した標本は長期保存後も蛍光観察が可能であるため、すぐに観察ができない場合や、画像の撮り直しが必要な場合などに有用です。
(長期保存を行う場合は、標本のカバーガラスをマニキュアなどでシーリングし、4℃ で遮光して保存してください。)
使用方法
- 標本から余分な液を取り除き、本製品を 1 ~ 2 滴ほど滴下してください。
- 標本をカバーガラスによりカバーしてください。
- 封入後すぐに観察が可能です。
使用上の注意
- 本製品はグリセリンを使用しているため、蛍光タンパク質であるフィコエリスリン、アロフィコシアニンなどのフィコビリタンパク質の観察には適していません。
- 屈折率は、1.43 ~ 1.44(20℃)です。
価格表
DAPI 含有タイプ
実施例
さまざまな標本の蛍光観察
マウス小腸
抗原賦活: HistoVT One(#06380)
ブロッキング:Blocking One Histo(#06349)
一次抗体:Anti-Vimentin Rabbit Polyclonal Antibody(Santa Cruz #sc-7557R)
二次抗体:CF 488A Goat Anti-Rabbit IgG(H+L), F(ab’)2 Fragment(Biotium #20013)
MC3T3-E1 細胞
ブロッキング:Blocking One Histo(#06349)
染色:Rhodamine Phalloidin(Cytoskeleton #PHDR1)
MC3T3-E1 細胞
ブロッキング:Blocking One Histo(#06349)
一次抗体:Anti-Vimentin Rabbit Polyclonal Antibody(Santa Cruz #sc-7557R)
二次抗体:Goat Anti-Rabbit IgG antibody, pre-adsorbed(Cy2)(GeneTex #GTX26940)
Fluoro-KEEPER with DAPI を用いて封入後、遮光して 30 分静置した。その後、落射蛍光顕微鏡(Olympus BX-50-34-FLA1)にて観察を行った。
本製品は別途染色操作を行うことなく、さまざまな標本において核が青色に染色されます。
性能確認
封入標本の長期保存後の蛍光観察
サンプル | MC3T3-E1 細胞(固定:4%-パラホルムアルデヒド・りん酸緩衝液(#09154)室温 15 分処置) |
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ブロッキング | Blocking One Histo(#06349) |
一次抗体 | Anti-Vimentin Rabbit Polyclonal Antibody(Santa Cruz #sc-7557R) |
二次抗体 | CF 488A Goat Anti-Rabbit IgG(H+L), F(ab')2 Fragment(Biotium #20013) |
ここでは、Fluoro-KEEPER with DAPI で封入後 3 カ月保存した標本も DAPI、CF 488 共に鮮明な蛍光が観察されています。(長期保存を行う場合は、標本のカバーガラスをマニキュアなどでシーリングし、4℃ で遮光して保存してください。)
使用方法
- 標本から余分な液を取り除き、本製品を 1 ~ 2 滴ほど滴下してください。
- 標本をカバーガラスによりカバーしてください。
- 封入後すぐに観察が可能です。ただし十分な対比染色が必要な場合は、遮光・室温下で 30 分程度静置してください。
使用上の注意
- 本製品はグリセリンを使用しているため、蛍光タンパク質であるフィコエリスリン、アロフィコシアニンなどのフィコビリタンパク質の観察には適していません。
- 屈折率は、1.43 ~ 1.44(20℃)です。