製品情報

1 つの抗体に 500 以上のバリデーションデータAtlas Antibodies 社抗体

Atlas Antibodies 社は、全てのヒトタンパク質に対する高品質な抗体の提供を目指して設立されたスウェーデンの抗体メーカーです。現在、21,000 種類以上の抗体をラインアップしており、ヒトプロテオームの 75% 以上をカバーしています。抗体の開発およびバリデーションは、スウェーデンのアカデミックプロジェクトである The Human Protein Atlas(HPA)と連携して進められ、それぞれの抗体は 500 以上の免疫組織染色、免疫蛍光染色およびウェスタンブロッティング法によるデータでサポートされています。また、げっ歯類でのバリデーションも進められており、マウス・ラットへの適用も拡大中です。

特長

  • 21,000 種類以上のラインアップ
  • 1 つの抗体に合計 500 以上の IHC, IF, WB バリデーションデータ
  • 正常および病理組織での豊富な染色データ
  • マウス、ラットサンプルへの交差性データを追加・拡大中
  • 本国在庫率 96%
  • 試しやすい 25 μL サイズもご用意

The Human Protein Atlas(HPA)プロジェクト

HPA プロジェクトは、2003 年にスウェーデンで設立されたアカデミックプロジェクトであり、抗体を使ってシステマチックにヒトプロテオーム解析を行っています。HPA プロジェクトのために全てのヒトタンパク質に対する高品質な抗体が開発されています。これら HPA プロジェクトで開発された抗体は、Atlas Antibodies 社から「Triple A Polyclonals(Atlas Antibodies Advanced Polyclonals)」のブランドとして購入することができます。

HPA プロジェクトと Atlas Antibodies 社との関係

HPA プロジェクトAtlas Antibodies 社
抗体開発 / 製造販売

ヒトタンパク質に対する
ウサギポリクローナル抗体の開発

HPA プロジェクトで開発された抗体を
Triple A Polyclonals ブランドで製造販売
メーカー製品番号:HPAxxxxxx

マウスモノクローナル抗体の開発・販売
 メーカー製品番号:AMAbxxxxx 

Web 抗体検索
HPA オンラインデータベース
https://www.proteinatlas.org
Atlas Antibodies 社オンラインカタログ
https://www.atlasantibodies.com/
バリデーションデータ
1 つの抗体につき
500 以上の IHC, IF, WB データを公開
HPA プロジェクトのデータから一部
(詳細は HPA プロジェクトを参照)
交差性確認
ヒト Triple A Polyclonals の適用拡大
(ヒトに加えて マウス・ラット で確認中)
相互リンク

HPA プロジェクト開発抗体と Atlas Antibodies 社製品は、個々の抗体単位で相互リンク

価格表

製品カテゴリーメーカー
製品番号
容量価格
ウサギポリクローナル抗体(Triple A Polyclonals) HPAXXXXXX 25 µL 39,000 ~ 54,000
100 µL 68,000 ~ 84,000
マウスモノクローナル抗体(PrecisA Monoclonals) AMAbxxxxx 25 µL 39,000 ~ 54,000
100 µL 68,000 ~ 84,000

The Human Protein Atlas(HPA)オンラインデータベース

HPA プロジェクトで取得した全てのタンパク質発現データはオンラインデータベースにて閲覧することができ、現在の HPA ver. 23.0 データベースでは、約 27,000 種類の抗体による 17,000 種類以上のヒト遺伝子の発現・局在データが公開されています。HPA オンラインデータベースでは、さまざまなヒト正常組織、病理組織、各種細胞株におけるタンパク質の局在を、免疫組織染色や免疫蛍光染色、ウェスタンブロッティング像で確認できます。

https://www.proteinatlas.org

d013003_HPA.png

抗体性能:ウサギポリクローナル抗体(Triple A Polyclonals)

Atlas Antibodies 社のウサギポリクローナル抗体は、HPA プロジェクトにおいて独自に開発された高品質な抗体であり、「Triple A Polyclonals(Atlas Antibodies Advanced Polyclonals)」のブランド名称で世界的に展開されています。カタログ掲載品目数はすでに 21,000 を超えています。Triple A Polyclonals は、抗原特異性、品質安定性、多用途性において優れた性能を備えています。

抗原特異性 / 抗原アミノ酸のデザイン

Triple A Polyclonals は、各種ヒトタンパク質中に存在する特異的なエピトープアミノ酸配列 PrEST(Protein Epitope Signature Tag)を抗原として製造されています。PrEST は他のタンパク質との相同性が非常に小さい 50 ~ 150 アミノ酸領域であり、オフターゲットへの結合を最小限にします。

品質安定性

p3-tripleA.png

抗体の精製には、組換え PrEST 抗原をアフィニティーリガンドとして使用した独自の精製システムを導入しており、これは HPA プロジェクトと同一です。製造プロセスを標準化することで HPA プロジェクトと、Atlas Antibodies 社の抗体に関するデータには一貫性があります。また、新しく製造されたロットは一世代前のロットとの比較検証実験を行い、再現性を確認したうえで出荷しています。各実験プロセスも標準化されており、標準プロトコールが公開されています。

多用途性

それぞれの抗体は、正常組織および病理組織、合計 500 サンプルでの免疫組織染色がすでに HPA プロジェクトにおいて行われており、病理学の専門家による豊富な使用実績があります。免疫組織染色に加え、免疫蛍光染色、ウェスタンブロットによる検証も行われ、そのデータは全て HPA オンラインデータベースで公開されています(https://www.proteinatlas.org)。


hpa007484-ihc-1.jpg
Anti-ILF2(#HPA007484)
Immunohistochemical staining of human colon shows strong nuclear positivity in glandular cells.


hpa007484-icc-1.jpg
Anti-ILF2(#HPA007484)
Immunofluorescent staining of human cell line U-251 MG shows localization to nucleoplasm.


hpa007484-wb-1.jpg
Anti-ILF2(#HPA007484)
Western blot analysis in HEK293 cells transfected with control siRNA, target specific siRNA probe #1, using Anti-ILF2 antibody. Remaining relative intensity is presented. Loading control: Anti-PPIB.

げっ歯類への適用拡大

マウス由来 NIH3T3 細胞およびラット由来 NBT-II 細胞でのバリデーションデータを追加中であり、げっ歯類サンプルへの適用拡大を行っています。そのデータは Atlas Antibodies 社のオンラインカタログで確認できます(https://www.atlasantibodies.com/)。


hpa007484-wb-2.jpg
Anti-ILF2(#HPA007484)
Western blot
Lane 1: Mouse cell line NIH-3T3 Lane 2: Rat cell line NBT-II

抗体性能:マウスモノクローナル抗体(PrecisA Monoclonals)

Atlas Antibodies 社では、マウスモノクローナル抗体の販売も開始し「PrecisA Monoclonals」のブランド名称で親しまれています。Atlas Antibodies 社のモノクローナル抗体は、それぞれ特異的なターゲットタンパク質に対して最も信頼性が高くなるように設計、製造、評価を行っています。現在のラインアップは約 500 種類であり、今後も拡充していく予定です。Atlas Antibodies 社のモノクローナル抗体製品には、以下のような特徴があります。

抗原特異性 / 抗原アミノ酸のデザイン

p4-PrecisA.pngモノクローナル抗体の抗原アミノ酸配列は、Triple A Polyclonals と同様に各種ヒトタンパク質中に存在する特異的なエピトープアミノ酸配列 PrEST(Protein Epitope Signature Tag)を抗原として作製しています。PrEST は他のタンパク質との相同性が非常に小さい 50 ~ 150 アミノ酸領域であり、オフターゲットへの結合を最小限にします。

クローンの選択

ハイブリドーマの選択および増殖を行う前に膨大な数の ELISA 陽性細胞上清について評価を行うことで、各種アプリケーションに最適なハイブリドーマを厳選しています。

エピトープマッピング

抗原アミノ酸配列を少しずつオーバーラップさせて合成したペプチド鎖をビーズに固定したアッセイ系を用いて、モノクローナル抗体のエピトープマッピングを行っています。

アイソタイピング

Atlas Antibodies 社のモノクローナル抗体は全てアイソタイプが判定されており、アイソタイプ特異的な二次抗体を用いるマルチプレックス実験に対応しています。

ハイブリドーマ培養系のスケールアップ

倫理的な問題から、Atlas Antibodies 社ではマウスの腹水を使用せず、in vitro のハイブリドーマ培養系をスケールアップしてモノクローナル抗体を製造しています。

モノクローナル抗体の評価

モノクローナル抗体の評価は、臨床的に重要で関連性の高い組織を広範な文献調査により選出し、免疫組織化学(IHC)解析により行っています。オンラインカタログの IHC データには、ポジティブシグナルが得られた染色画像と、ネガティブコントロールを掲載しています。ウェスタンブロッティング(WB)による評価データについても、文献調査により WB に最適なヒト細胞ライセートまたは組織ライセート、場合によっては全長の組換えタンパク質を使用しています。


amab90870-ihc-1.jpg
Anti-MKI67(Ki-67, #AMAb90870)
Immunohistochemical staining of lymph node in human colon shows strong nuclear and nucleolar immunoreactivity in the reaction centrum cells.


amab90637-ihc-1.jpg
Anti-CA12(#AMAb90637)
Immunohistochemical staining of human kidney shows strong membranous immunoreactivity in renal tubules, but not glomeruli.


amab90627-ihc-1.jpg

Anti-HER2(#AMAb90627)
Immunohistochemical staining of human HER2-positive breast cancer shows strong membranous positivity in tumor cells.

※掲載内容は 2024 年 4 月現在の情報に基づいています。