製品情報

InvivoGen 社 MycoStrip マイコプラズマ検出キット

マイコプラズマの汚染を防ぐためには、まずは検出ステップが必要です。ただし、操作が煩雑であったり、特別な機器が必要だったりと、その⼼理的ハードルが⾼く、敬遠されている研究者が多いのも事実です。そこで、InvivoGen 社から⼤変簡単に検出検査が⾏える製品「MycoStrip」が発売されていますので紹介します。また、マイコプラズマ感染の確認が済んだら、その結果に応じて除去・予防が必要です。除去、予防に役⽴つ製品も用意しています。

マイコプラズマ検出キット「MycoStrip」

「混ぜて、垂らす」だけ、特別な装置は使いません。
また、実質の操作時間は約 15 分のみ、結果まで約 1 時間で完了します。基本原理はマイコプラズマに特有の 16S rRNA 遺伝⼦を等温 PCR 法により増幅することです。等温 PCR 法は、多数のプライマーが同時に機能することで増幅が可能となるため偽陽性の⼼配がなく⾼感度に検出が可能です。

 

特長

  • 特別な装置は不要
  • 操作時間は約 15 分
  • ⾼感度(10 ~ 100 CFU/mL)

 

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検出方法

操作手順

MycoStrip_procedure.png

陰性・陽性の判断

MycoStrip_yousei.png

結果が陽性でも細胞を廃棄する必要はありません。InvivoGen 社では除去試薬も用意しています。

 

MycoStrip_img.png

MycoStrip の製品詳細は、InvivoGen 社 Web site をご参照ください。

国内研究者使用例:MycoStrip のマイコプラズマ検出感度検証

マイコプラズマは病原性を有するものもあり、細胞に感染すると細胞内産生物も汚染されるため細胞培養を行う上で深刻な問題となっています。汚染を防ぐためには、まずは検出ステップが必要です。しかし、従来の手法では、煩雑な操作や特別な機器の必要性から、その心理的ハードルが高く、敬遠する研究者が多いのも事実です。この問題を解決するために、InvivoGen 社からは簡便にマイコプラズマ検出が行える「MycoStrip」が販売されています。
今回、医薬基盤・健康・栄養研究所様には、以前から比較的簡便で広く使われている検出法や、手間はかかるが高感度な検出法と一緒に「MycoStrip」を用いて検出感度を比較、検証いただきました。

 

データご提供:国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 培養資源研究室(JCRB 細胞バンク)
小原 有弘 様 / 大谷 梓 様

 

実験概要

マイコプラズマ M. hyorhinis(NBRC 14858)を VERO 細胞(JCRB0111)に添加し復元培養したものを用意。これを原液として、酵素法での検出限界の濃度まで培養上清を 5% FBS 含有 MEM で希釈し 1 倍希釈液を調製。この 1 倍希釈液を段階希釈し、10 倍、100 倍、1,000 倍、10,000 倍希釈液を調製し、酵素法、MycoStrip(等温 PCR 法)、蛍光染色法、Nested-PCR 法にて検出感度を比較した。

 

実験方法

<使用した細胞>
VERO 細胞 (JCRB0111)
<使用したマイコプラズマ種>
Mycoplasma hyorhinis (NBRC 14858)
<使用したマイコプラズマ検出法>
酵素法:A 社 キット(比較的簡便で広く使用されている)
等温 PCR 法:InvivoGen 社 MycoStrip(#rep-mys-10)
蛍光染色法:Hoechst 33258(0.5 µg/mL, PBS (-))(日本薬局方参考情報)
Nested-PCR 法:ホットスタート PCR マスターミックス、検出用プライマー(日本薬局方参考情報)

 

実験結果

■ MycoStrip と 3 種の検出法の感度比較

TN40-jikkennkekka.png


  • MycoStrip は原液、1 倍、10 倍希釈液で陽性を検出し、酵素法より 10 倍程度高い感度を示した。
  • 蛍光染色法では原液、1 倍、10 倍希釈液で陽性を検出した。
  • Nested-PCR 法は原液、1 倍、10 倍希釈液で陽性を検出し、100 倍、1,000 倍希釈液では 50% の確率で陽性が示された。
■ MycoStrip

原液、1 倍、10 倍希釈液で陽性を検出し、酵素法より 10 倍程度高い感度を示した。

TN40-MycoStrip.png

 

■ 蛍光染色法

原液、1 倍、10 倍希釈液で陽性を検出した(陽性:p2yajirusi.png)。

TN40-keikousensyokuhou.png

 

■ Nested-PCR 法

原液、1 倍、10 倍希釈液で陽性を検出し、100 倍、1,000 倍希釈液では 50% の確率で陽性が示された。

TN40-Nested-PCR.png

 

使用者の評価

検証の結果、InvivoGen 社「MycoStrip」は、比較的簡便で広く使用されている酵素法キットと比べ、10 倍程度高い感度が確認され、その他の検出法とも遜色のない感度であることが分かりました。

FAQ

65℃ で 40 分の反応操作の影響について教えてください。
40 分未満のインキュベーションも可能ですが、当然ながら感度は低くなります。しかし、インキュベーションが 40 分を超えると、偽陽性のリスクが非常に高くなります。肝心なのは、感度が一定になるように、テストごとの反応時間を同じにすることです。
浮遊細胞では、16,000 G で 5 分遠心後のペレット中には細胞が存在していますが、検出に影響はありますか?
残存した細胞の存在は、検出に影響しません。
サンプル調製時に、サンプルを 95℃ に加熱するメリットはありますか?
感度が向上することはありませんが、マイコプラズマが死滅するため、生きたマイコプラズマを取り扱うリスクがなくなります。
使用時に毎回、陽性と陰性のコントロールを含める必要がありますか?
結果の信頼性確認や、トラブルシューティングのためには、定期的に陽性および陰性コントロールを含めることは重要です。
検体の一つに微弱な検出バンドが出ましたが、これをマイコプラズマ汚染陽性と見なすべきかどうか迷っています。どのようにしたらよいですか?
サンプルの一つに微弱なバンドが見られた場合、マイコプラズマ汚染陽性と考えられます。次のいずれかの方法でこの結果を確認することをお薦めします。
・サンプルの濃縮:より大量の上清で試験を開始するか、または「サンプルの準備」プロトコールのステップ 2 ~ 3 を繰り返し、濃縮したサンプルを MycoStrip で再検査する。
・MycoStrip を用いた再検査を行う前に、さらに 48 時間継続培養する。
・サンプルの再懸濁に、PBS の代わりとしてヌクレアーゼフリーの滅菌水を使用する(検査の感度を上げるため)。
研究室にヒートブロックがない場合、代わりに何を使うのがよいですか?
ヒートブロックがない場合は、サーモサイクラーやウォーターバスを使用することができます。ただし、ウォーターバスは、新たな汚染源となる可能性があるので注意が必要です。
調製したサンプルをヒートブロックの上に 1 時間以上放置してしまいましたが、このサンプルを使用できますか?
65℃ で 40 分を超えてインキュベーションすると、アッセイの結果に大きな影響を与えるため(偽陽性のリスクが高まるため)、そのサンプルの使用はお薦めできません。

価格表

製品名メーカー製品番号容量オンライン
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MycoStrip rep-mys-10 10 tests e-Nacalai.jpg
rep-mys-20 20 tests e-Nacalai.jpg
rep-mys-50 50 tests e-Nacalai.jpg
MycoStrip 100* rep-mys-100 100 tests e-Nacalai.jpg
* MycoStrip 100 はカセットのないタイプとなり、他容量のタイプとは操作方法が若干異なります。
  製品の仕様など詳細は、InvivoGen 社 Web site をご参照ください。

マイコプラズマ除去・予防試薬

マイコプラズマ除去・予防試薬の製品詳細は、こちらをご参照ください。

 

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除去

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Plasmocin treatment ant-mpt 50 mg(2 X 1 ml) e-Nacalai.jpg
ant-mpt-1 25 mg(1 X 1ml) e-Nacalai.jpg
Plasmocure ant-pc 100 mg(1 ml) e-Nacalai.jpg

予防

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Plasmocin prophylactic ant-mpp 25 mg(10 X 1 ml) e-Nacalai.jpg
Normocin ant-nr-1 500 mg(10 X 1 ml) e-Nacalai.jpg
ant-nr-2 1 g(1 X 20 ml) e-Nacalai.jpg
Primocin ant-pm-05 250 mg(5 X 1 ml) e-Nacalai.jpg
ant-pm-1 500 mg(10 X 1 ml) e-Nacalai.jpg
ant-pm-2 1 g(1 X 20 ml) e-Nacalai.jpg

マイコプラズマ汚染の問題点

マイコプラズマはそのサイズの⼩ささ(約 100 nm)と硬い細胞壁がないことから⽬視検査では検出できず、標準的な滅菌⽤フィルターを通り抜け、多数の抗⽣物質に対して耐性があります。マイコプラズマ汚染は細胞培養における重⼤な問題であり、実験結果の妥当性や、細胞を使⽤したバイオ医薬品の品質および安全性に影響を及ぼします。

マイコプラズマ汚染は、培養液に明確な変化を引き起こさないため、汚染の継続、拡⼤が進みやすく、その上で、実験データの信頼性を損なう恐れがあります。このようにマイコプラズマによるコンタミネーションは哺乳類細胞を培養する上で近年特に重⼤な問題となっています。

全世界で 15% 〜 35% もの細胞がすでに汚染されているとの報告があります。また、⽇本国内においても 15% 〜 20% 程度が汚染されているという研究結果もあります。実験系で使⽤する細胞を⽇常的に検査をし、健常な細胞に予防薬を適⽤することで、汚染を防ぐことが世界的にも推奨されています。

関連パンフレット

画像やタイトルをクリックすると PDF ファイルがダウンロードできます。

 

infocus-ccc-2021_J.png

Cell Culture
Contamination

 

mycostrip-flyer-2pages_updated_J.png

MycoStrip

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