Tocris Bioscience 社 エピジェネティクス研究用化合物
Tocris Bioscience 社(以下 Tocris 社)では、エピジェネティクスに関与する種々のタンパク質に作用する化合物を数多く取りそろえており、さまざまな企業・大学とライセンス契約を結び、随時ユニークな化合物を追加しています。注目製品 1 では新たに追加されたユニークな化合物を紹介しています。
特長
- 豊富なラインアップ
ターゲットと化合物数
ターゲット | 化合物数 | ターゲット | 化合物数 |
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14.3.3 タンパク質 | 2 | リジンメチル基転移酵素 | 27 |
Aurora キナーゼ | 10 | MBT ドメイン | 2 |
ブロモドメイン | 38 | Pim キナーゼ | 6 |
DNA メチル基転移酵素 | 10 | ポリ(ADP リボース)ポリメラーゼ | 14 |
ヒストンアセチル転移酵素 | 11 | タンパク質アルギニンメチル基転移酵素 | 10 |
ヒストン脱アセチル化酵素 | 27 | タンパク質セリン/スレオニンホスファターゼ | 18 |
ヒストン脱メチル化酵素 | 16 | タンパク質チロシンホスファターゼ | 8 |
ヒストンペプチド | 7 | RNA ポリメラーゼ | 6 |
低酸素誘導因子 | 16 | Sir2-like ファミリー脱アセチル化酵素 | 10 |
JAK キナーゼ | 16 |
エピジェネティクスに作用する化合物(一部)
注目製品 1:SGC のケミカルプローブ
SGC(Structural Genomics Consortium)は、トロント大学およびオックスフォード大学に研究施設を置く非営利組織で、200 名以上の研究員と製薬企業 9 社が連携し研究を行っています。SGC で開発されたエピジェネティクスに作用するケミカルプローブの研究結果は、 SGC の Web site から自由にアクセスできます。Tocris 社では、SGC とライセンス契約を締結したことで、これらのユニークなケミカルプローブが Tocris 社のラインアップに追加されました。SGC のケミカルプローブは次の特長を有しています。
特長
- In vitro において IC50 値もしくは Kd 値は 100 nM 以下
- 同じファミリーのタンパク質と比べてターゲットタンパク質への選択性は 30 倍以上
- 細胞アッセイにおいて標的分子に対し 1 µM で作用
(R)-PFI 2 Hydrochloride(#4892/10) | TP 472(#6000/10) |
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SETD7 に作用(IC50 = 2 nM)。DNMT1 および 18 種のメチル基転移酵素と比べて SETD7 への選択性は 1,000 倍以上。 | BRD9/7 に作用(Kd = 33 nM、340 nM)。それ以外のブロモドメインと比べて、BRD9 への選択性は 30 倍以上。 |
価格表
各化合物の詳細情報は Tocris 社もしくは SGC の Web site より確認できます。
注目製品 2:BRD4 分解誘導化合物(MZ 1、dBET1)
MZ 1 および dBET1 は、(+)-JQ1 をベースとした PROTAC で、BRD4 タンパク質を選択的に分解する機能を持ちます。PROTAC(Proteolysis Targeting Chimera)とは、E3 リガーゼへ結合する部分と標的タンパク質へ結合する部分を含む化合物で、ユビキチンプロテアソームシステム(UPS)により標的タンパク質の分解を誘導する機能を有します。また標的タンパク質がユビキチン化された後、これら PROTAC は標的タンパク質から解離し、新たな標的タンパク質に結合し作用します(下図)。
PROTAC の作用機序
MZ 1(#6154/5) | dBET1(#6327/5) |
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(+)-JQ1 に von Hippel-Lindau(VHL)リガンドを結合させた細胞透過性の PROTAC 化合物である。BRD2、BRD3、BRD4 ブロモドメインに対し高い親和性(Kd = 13 ~ 60 nM)を有するが、BRD2、BRD3 と比較して BRD4 を選択的に分解誘導する(分解の DC50 値は H661 細胞で 8 nM、H838 細胞で 23 nM)。AML 細胞株に対して強力な細胞毒性、増殖抑制作用を示す(Mv4;11 細胞、pEC50 = 7.6)。ネガティブコントロールとして cis MZ 1 を販売。 | (+)-JQ1 にセレブロン E3 ユビキチンリガーゼリガンドを結合させた PROTAC 化合物である。In vitro においてがん細胞株の BRD4 が激減し(乳がん細胞、EC50 = 430 nM)アポトーシスを誘導する。マウスに異種移植したヒト AML 細胞の成長を遅らせ、また MYC を抑制する。 |
関連製品
(+)-JQ1(#4499/10) |
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強力かつ親和性の高い、選択的な BET ブロモドメイン阻害剤。BRD2(N 末端(N))、BRD4(C 末端(C))、BRD4(N)、CREBBP に対する IC50 値は 17.7 nM、32.6 nM、76.9 nM および 12,942 nM。また BRD4(N)、BRD3(N)、BRD3(C)、BRD4(C)、BRD2(N)、BRDT(N)に対する Kd 値は、49 nM、59.5 nM、82 nM、90.1 nM、128 nM および 190 nM。NUT midline carcinoma(NMC)細胞株の扁平上皮への分化を誘導する。In vivo において NMC 異種移植モデルの腫瘍の増殖を抑制する。雄マウスの生殖細胞で可逆的避妊作用を示す。不活性なアナログ(-)-JQ1(#5603/10)を販売。 |
価格表
※掲載内容は予告なく変更になる場合があります。