COSMOSIL 高機能カラム フェニルヘキシル型、ペンタフルオロフェニル型との比較例
近年、C18カラムと異なる分離特性を有するカラムが増加してきています。今回、他社製品のフェニルヘキシル型 (Phenyl-C6)カラムおよびペンタフルオロフェニル型 (PFP)カラムと弊社高機能カラムとの比較例についてご紹介いたします。(高機能カラムはこちら)■ 固定相一覧
製品名 | Competitor A | Competitor B | フェニル型カラム5PE-MS | 高機能カラム | 汎用5C18カラム5C18-MS-Ⅱ | ||
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πNAP | Cholester | NPE | |||||
化学結合基 | フェニルヘキシル | ペンタフルオロフェニルプロピル | フェニルエチル | ナフチルエチル | コレステリル | ニトロフェニルエチル | オクタデシル |
固定相構造 |
■ フェニルヘキシル型 (Phenyl-C6) カラムとCOSMOSIL高機能カラム
● フタロニトリルの分析例
位置異性体の分析を行いました。フェニルヘキシル型よりもπ-π相互作用が強いコスモシールπNAPを用いることにより完全に分離することができました。(下記画像をクリックすると拡大します)
● π-π相互作用の比較例
ニトロベンゼンの保持、すなわち各カラムのπ-π相互作用の強さを比較しました。結果、フェニルヘキシル型 (Phenyl-C6) は、コスモシールπNAPよりも非常に弱いπ-π相互作用を示しました。
● 疎水性の比較例
アルキルベンゼンの保持、すなわち各カラムの疎水性の強さを比較しました。結果、フェニルヘキシル型は、コスモシールπNAPと同等の疎水性を示しました。
● まとめ
π-π相互作用の比較例のデータでは、C6のスペーサーを持つフェニルへキシル型カラムは、より短いC2のスペーサーを持つ5PE-MSよりもπ-π相互作用は弱く、さらにナフタレンを固定化したコスモシールπNAPよりも非常に弱いπ-π相互作用を示しました。
また、疎水性の比較例のデータでは、フェニルへキシル型カラムは、より短いC2のスペーサーを持つ5PE-MSより疎水性が高く、πNAPとは同等の疎水性を示しました。
これらの結果から、コスモシールπNAPは、適度な疎水性相互作用と強力なπ-π相互作用によりフェニルへキシル型よりも分離能が高いことが示唆されました。
■ ペンタフルオロフェニル型 (PFP) カラムとCOSMOSIL高機能カラム
● 分子形状認識能
分子形状認識能 (平面認識能) が高いカラムは、平面性が高い化合物 (Triphenylene)に対して保持が大きくなります。結果、ペンタフルオロフェニル型(PFP)カラムは、高い分子形状認識能を示しましたが、コスモシールCholesterの方がさらに分子形状認識能に優れていることが明らかになりました。(下記画像をクリックすると拡大します)
● フッ化物の分析例 (ペンタフルオロフェニル型とCOSMOSIL高機能カラムの比較)
フッ化物の分析を行いました。ペンタフルオロフェニル型 (PFP)カラムにおいてC18カラムとは異なる分離挙動を示したが完全な分離には至りませんでした。一方、双極子-双極子相互作用を有するコスモシールNPEを用いることによりフッ素二置換体を完全に分離することができました。
(下記画像をクリックすると拡大します)
● まとめ
ペンタフルオロフェニル型カラムは、芳香環にフッ素を結合させることにより平面認識能、ハロゲンの認識能を高めたカラムである。このことにより位置異性体やハロゲン化物に対して有効なカラムである。
しかし、コスモシールのそれぞれ位置異性体に有効なカラムであるコスモシールCholesterや、双極子-双極子相互作用によりハロゲン化物に対して有効なNPEを用いることによりペンタフルオロフェニル型カラムよりも高い分離能を示しました。
■ カラム物性表
■ COSMOSILシリーズカラム選択ガイド
- コスモシールπNAPは、フェニルヘキシル型 (Phenyl-C6) カラムよりも高分離を示す!
● フタロニトリルの分析例
位置異性体の分析を行いました。フェニルヘキシル型よりもπ-π相互作用が強いコスモシールπNAPを用いることにより完全に分離することができました。(下記画像をクリックすると拡大します)
● π-π相互作用の比較例
ニトロベンゼンの保持、すなわち各カラムのπ-π相互作用の強さを比較しました。結果、フェニルヘキシル型 (Phenyl-C6) は、コスモシールπNAPよりも非常に弱いπ-π相互作用を示しました。
● 疎水性の比較例
アルキルベンゼンの保持、すなわち各カラムの疎水性の強さを比較しました。結果、フェニルヘキシル型は、コスモシールπNAPと同等の疎水性を示しました。
● まとめ
π-π相互作用の比較例のデータでは、C6のスペーサーを持つフェニルへキシル型カラムは、より短いC2のスペーサーを持つ5PE-MSよりもπ-π相互作用は弱く、さらにナフタレンを固定化したコスモシールπNAPよりも非常に弱いπ-π相互作用を示しました。
また、疎水性の比較例のデータでは、フェニルへキシル型カラムは、より短いC2のスペーサーを持つ5PE-MSより疎水性が高く、πNAPとは同等の疎水性を示しました。
これらの結果から、コスモシールπNAPは、適度な疎水性相互作用と強力なπ-π相互作用によりフェニルへキシル型よりも分離能が高いことが示唆されました。
■ ペンタフルオロフェニル型 (PFP) カラムとCOSMOSIL高機能カラム
- COSMOSIL高機能カラムは、ペンタフルオロフェニル型カラムよりも高分離能を示す!
● 分子形状認識能
分子形状認識能 (平面認識能) が高いカラムは、平面性が高い化合物 (Triphenylene)に対して保持が大きくなります。結果、ペンタフルオロフェニル型(PFP)カラムは、高い分子形状認識能を示しましたが、コスモシールCholesterの方がさらに分子形状認識能に優れていることが明らかになりました。(下記画像をクリックすると拡大します)
● フッ化物の分析例 (ペンタフルオロフェニル型とCOSMOSIL高機能カラムの比較)
フッ化物の分析を行いました。ペンタフルオロフェニル型 (PFP)カラムにおいてC18カラムとは異なる分離挙動を示したが完全な分離には至りませんでした。一方、双極子-双極子相互作用を有するコスモシールNPEを用いることによりフッ素二置換体を完全に分離することができました。
(下記画像をクリックすると拡大します)
ペンタフルオロフェニル型カラムは、芳香環にフッ素を結合させることにより平面認識能、ハロゲンの認識能を高めたカラムである。このことにより位置異性体やハロゲン化物に対して有効なカラムである。
しかし、コスモシールのそれぞれ位置異性体に有効なカラムであるコスモシールCholesterや、双極子-双極子相互作用によりハロゲン化物に対して有効なNPEを用いることによりペンタフルオロフェニル型カラムよりも高い分離能を示しました。
■ カラム物性表
製品名 | Competitor A | Competitor B | フェニル型カラム5PE-MS | 高機能カラム | 汎用5C18カラム5C18-MS-Ⅱ | ||
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πNAP | Cholester | NPE | |||||
固定相構造 | |||||||
化学結合基 | フェニルヘキシル | ペンタフルオロフェニルプロピル | フェニルエチル | ナフチルエチル | コレステリル | ニトロフェニルエチル | オクタデシル |
平均粒子径 | 5μm | ||||||
平均細孔径 | 100Å | 120Å | |||||
比表面積 | 400m2/g | 300m2/g | |||||
エンドキャッピング処理 | あり | 不明 | あり | ||||
特長 (メーカー資料より) |
・フェニル系カラムの中では高い安定性と選択性 ・芳香族の分離に |
・芳香族,ハロゲン化物の分離に ・天然物,高極性化合物,異性体等の分離に効果的 |
・疎水性、π-π相互作用で分離 | ・フェニルカラムよりも強いπ-π相互作用 | ・C18カラムと同一移動相で分析可能 ・高い分子形状認識能 |
・双極子を識別 | ・広範囲の化合物に対応 ・塩基性化合物に最適 ・C18カラムのファーストチョイス |
■ COSMOSILシリーズカラム選択ガイド
※掲載の内容は、'12年8月現在の情報に基づいております。