国内研究者使用例

国内研究者使用例

基質のユビキチン結合型の違いによる脱ユビキチン化酵素活性の違い

 

データご提供:京都大学大学院・薬学研究科 医薬創成情報科学専攻
システムケモセラピー・制御分子学分野
服部 明 准教授

 

実験概要

脱ユビキチン化酵素(DUB)の活性測定では、基質としてUb-AMCなどのユビキチンC末端に蛍光色素を連結した基質が用いられており、そのC末端の消化による蛍光色素の遊離をもってDUBの活性としている。LifeSensors社が提供しているDiUbは、一方のユビキチンが他方のユビキチンのLys48またはLys63に連結した2分子のユビキチンから成る消光性蛍光基質である。それぞれの結合型基質には、蛍光色素およびクエンチャーの連結部位の違いにより6種類ある。以上の基質を用いて、ヒトUSP7とヒトUSP47の活性を測定した。

 

実験結果

■DiUb48パネル(#DU0101)およびDiUb63パネル(#DU0102)を用いたヒトUSP7(#DB502)の活性測定

 

 

反応条件:30℃, 30min
反応液量:30µl
 DiUb:200nM
 USP7:0.2µg
 Tris(pH8.0):50mM
 DTT:10mM
 CHAPS:0.05%
反応後、蛍光プレートリーダーを用いて蛍光を測定した。
Ex/Em(nm)=540/580

 

 

■Ub-AMC(#SI220)およびDiUb48-1(#DU4801)を用いたヒトUSP7(#DB502)およびヒトUSP47(#DB510)の活性測定

 

 

反応条件:30℃, 10min
反応液量:20µl
 Ub-AMC:10µM
 USP7またはUSP47:0.2µg
 Tris(pH8.0):50mM
 NaCl:150mM
 DTT:10mM

 

反応条件:30℃, 30min
反応液量:30µl
 DiUb48-1:200nM
 USP7またはUSP47:0.2µg
 Tris(pH8.0):50mM
 DTT:10mM
 CHAPS:0.05%
反応後、蛍光プレートリーダーを用いて蛍光を測定した。
Ub-AMC:Ex/Em(nm)=380/460;DiUb48-1:Ex/Em(nm)=540/580

 

使用者の評価

ヒトUSP7の脱ユビキチン化酵素活性を消光性蛍光基質であるDiUbパネルを用いて測定した結果、基質の①ユビキチンの連結様式(Lys48またはLys63)と ②蛍光色素/クエンチャーの標識部位の違いによって異なった活性プロファイルが得られた。なかでも消光性蛍光基質(DiUb48-1)に対して高い活性を示すことが分かった(上図)。
次に消光性蛍光基質(DiUb48-1)と従来基質(Ub-AMC)を基質として使用して、ヒトUSP7とヒトUSP47の酵素活性を比較した(下図)。その結果、ヒトUSP7では従来基質(Ub-AMC)に対する脱ユビキチン化酵素活性の方が高く得られ、一方、ヒトUSP47では消光性蛍光基質(DiUb48-1)に対する脱ユビキチン化酵素活性の方が顕著であった。
様々な基質を用いた検討を行い最適な基質を見つけることで各脱ユビキチン化酵素活性の測定が可能である。

 

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※記載の内容は、'13年9月現在の情報に基づいております。

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