イミダゾールジペプチド、L-2-オキソカルノシン
イミダゾールジペプチド(IDPs)は、イミダゾール基を含むジペプチドの総称であり、カルノシン(Car)やアンセリン(Ans)、バレニン(Bal)などがあります。これらは、主に動物の筋肉組織に多く含まれており、食肉においては鶏ムネ肉中に多く含まれています。また、IDPs は抗疲労作用を有していることに加え、老化防止にも効果があるとされていることから、さまざまなサプリメントが販売されており、非常に注目されている物質です。弊社では、高純度の各種イミダゾールジペプチドをご用意しています。定量分析や機能評価などの実験にご利用ください。
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コスモシール 3PBr カラム(3.0 mm I.D. x 150 mm)を用い、LC-MS により分析して得られた各食肉中の IDPs の定量値
詳細は Technical Note 35 をご参照ください。 |
- 高純度(カルノシンはオキソ体フリー、アンセリンは硝酸塩フリー)
- 世界初 2-オキソカルノシンを商品化
製品説明
HPLC による各製品の純度確認
HPLC 分析により、カルノシンとアンセリン、バレニン、L-2-オキソカルノシンのいずれにおいても高純度であることが示され ました。また、弊社のコスモシール PBr カラムを使用することで、ラベル化(誘導体化)処理をせずに、4 種類の IDPs を分離することができます。

Conditions | |||
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Column | COSMOSIL 3PBr 4.6 mm I.D. × 250 mm | Detection | UV 220 nm |
Mobile phase | 100 mM Phosphate buffer(pH 7.0)Isocratic mode | Sample conc. | 0.25 mg/mL |
Flow rate | 1.0 mL/min | Injection vol. | 1 µL |
Temperature | 30ºC |
カルノシンの抗酸化活性測定 (オキソ体含有の確認)
カルノシンにオキソ体由来の不純物が含有していると、過剰に抗酸化活性を示すことが報告されています。そのため、カルノシンの抗酸化能を精密に評価するには、オキソ体が含有していないことが望まれます。そこで、弊社と他社のカルノシンを HPLC 分析と DPPH assay(抗酸化活性測定)により評価しました。
各社カルノシンの HPLC 分析(UV250 nm)

Conditions | |||
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Column | COSMOSIL PBr 4.6 mm I.D. × 250 mm | Detection | UV 250 nm |
Mobile phase | 100 mM Phosphate buffer (pH 7.0) Isocratic mode | Sample conc. | 20 mg/mL |
Flow rate | 1.0 mL/min | Injection vol. | 5 μL |
Temperature | 30ºC |
A - C 社のカルノシンではオキソカルノシンのピークが明確に検出されました。一方、弊社カルノシンではオキソカルノシンのピークは検出されませんでした。
DPPH assay による各社 IDPs の抗酸化活性評価
抗酸化活性は DPPH Antioxidant Assay Kit(DOJINDO)を使用して測定しました。

A - D 社のカルノシンでは抗酸化活性が高いことが示されました。
オキソ体の含有が確認されたカルノシンは、DPPH assay において、抗酸化活性を示しました。弊社のカルノシンはオキソ体不含であり、高純度であることが分かりました。
他社アンセリンとの純度比較

Conditions | |||
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Column | COSMOSIL 3PBr 3.0 mm I.D. × 150 mm | Detection | UV 220 nm |
Mobile phase | 20 mM Ammonium formate Isocratic mode | Sample conc. | 1 mM |
Flow rate | 0.3 mL/min | Injection vol. | 1 µL |
Temperature | 40ºC |
他社硝酸塩体のアンセリンでは、アンセリン由来のピーク以外に、硝酸塩由来のピークや、わずかにカルノシンとバレニンも検出されました。しかし、弊社のフリー体のアンセリン(GR 品)ではアンセリン由来のピークしか検出されませんでした。
参考文献
- 高感度ラベル化剤 L-FDVDA と PBr カラムを用いた食肉中のイミダゾールジペプチドとその構成アミノ酸、タウリンの一斉分析
Ozaki M. et al. J. Agric. Food Chem. 2024;72:27538-27548. (https://doi.org/10.1021/acs.jafc.4c07391)
※ Featured on Supplementary Cover - PBr カラムを用いた食肉中のイミダゾールジペプチドの高速分離および定量
Ozaki M. et al. Journal of Chromatography B. 2025;1262:124660.(https://doi.org/10.1016/j.jchromb.2025.124660)
関連資料
価格表
製品名 | 規格 | 貯法 | 製品番号 | 容量 | オンライン カタログへ |
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L-Anserine | GR | 冷蔵 | 22533-92 | 25 mg | ![]() |
EP | 22673-91 | 1 g | 製造中 | ||
22673-04 | 10 g | ![]() |
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L-2-Oxocarnosine | GR | 22492-32 | 25 mg | ![]() |
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L-Carnosine | 22496-21 | 1 g | ![]() |
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22496-92 | 25 g | ||||
L-Balenine | 22491-42 | 25 mg | ![]() |
COSMOSIL / コスモシールはナカライテスク株式会社の登録商標です。
※掲載内容は予告なく変更になる場合があります。