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【論文掲載】弊社と京都大学大学院 薬学研究科 掛谷 秀昭 教授の研究グループが共同で発表した論文が「Analytical Methods」に採択され早期公開されました。

この度、弊社製品の光学分割ラベル化剤 L-FDVDA とコスモシール 3C18-EB カラムを用いて、アミノ酪酸の全ての構造異性体と鏡像異性体を液体クロマトグラフィー質量分析計(LC-MS)で分離し、高感度に検出する手法をまとめた論文が英国王立化学会の「Analytical Methods」に採択され、早期公開されました。

論文名:

Simultaneous separation and identification of all structural isomers and enantiomers of aminobutyric acid using a highly sensitive chiral resolution labeling reagent

著者名:

Makoto Ozaki1, Motoshi Shimotsuma1, Takefumi Kuranaga2, Hideaki Kakeya2, Tsunehisa Hirose1

所属:

1 ナカライテスク株式会社 研究部 分離精製研究課
2 京都大学大学院 薬学研究科 創発医薬科学専攻 システムケモセラピー・制御分子学分野

誌名:

概要:

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本研究の概要図


アミノ酪酸には 5 つの構造異性体と 3 つの鏡像異性体があり、それぞれが独自の機能を有していることから、これらを分離・識別する手法が求められています。しかしながら、アミノ酪酸の全ての構造異性体と鏡像異性体を簡便な手法で分離・識別し、LC-MSで高感度に検出することができる分析手法はこれまで確立されていませんでした。本論文では、弊社の光学分割ラベル剤 L-FDVDA で誘導体化(ラベル化)した後、汎用的に使用されている C18 カラムを用いて LC-MS で分離・同定する手法を確立しました。さらに、ヒト、マウス、ヤギ血清中のアミノ酪酸を既存のキラルラベル化剤よりも高感度に検出することができ、動物種によって含有しているアミノ酪酸に違いがあることが示されました。

▼ 本論文で使用した製品