ナカライテスク株式会社

高速抗原抗体反応試薬

Bullet ImmunoReaction Buffer

  • ブロッティング

本製品は、イムノブロッティングにおいて、抗原抗体反応を高速化する抗体希釈液です。通常、抗体反応は 1 時間 ~ 一晩実施しますが、本製品を使用することで、反応時間を約半分へ短縮することが可能です。

特長
  • 抗体反応時間を約半分へ短縮
  • Ready to use
  • 1 液構成なので一次および二次抗体反応で使い分け不要
1843985.jpg zoom

製品説明

抗体の反応時間と反応性

本製品、0.1%-tTBS を抗体希釈液として使用し、ウェスタンブロッティングを実施しました。本製品を使用することにより、反応時間を約半分(冷蔵で一晩反応させている場合は室温で 30 ~ 60 分)へ短縮可能であることがわかります。

一次抗体反応時間 15 分 30 分 60 分 120 分 一晩(冷蔵)
二次抗体反応時間 15 分 30 分 60 分 120 分 60 分
本製品 p2-Bullet15.png p2-Bullet30.png p2-Bullet60_1.png p2-Bullet120.png p2-Bullet-hitoban.png
0.1%-tTBS p2-tTBS15.png p2-tTBS30.png p2-tTBS60_1.png p2-tTBS120.png p2-tTBSon.png
サンプル : HeLa 細胞タンパク質抽出液(左)2 µg、(右)0.4 µg
ブロッキング : Bullet Blocking One for Western Blotting(#13779) 室温 5 分
一次抗体 : β-Actin 抗体(C4)(Santa Cruz #sc-47778) 1,000 倍希釈 各反応時間、室温にて反応(一晩反応のみ、冷蔵にて反応) 
二次抗体 : Goat anti-Mouse IgG (H+L) Secondary Antibody [HRP] (Pre-adsorbed)(Novus #NB7574) 40,000 倍希釈 各反応時間、室温にて反応
検出 : Chemi-Lumi One Super(#02230)/ LAS-3000(High モード) 露光時間 5 分

さまざまな抗原検出における使用例

本製品を使用することにより、さまざまな抗原検出において抗体反応時間を 60 分から 30 分へ短縮できました。

抗原 Flotillin-1 β-Actin Nup98
ブロッ
ティング像
    HRP 標識一次抗体使用      
p2-flotllin-1-tTBS.png p2-flotllin-1-BIRB.png p2-actin-tTBS.png p2-actin-BIRB.png p2-Nup98-tTBS.png p2-Nup98-BIRB-5.png p2-Nup98-BIRB-30.png
抗体希釈液 tTBS 本製品 tTBS 本製品 tTBS 本製品
一次抗体 60 分 30 分 60 分 30 分 60 分 30 分
Flotillin-1 抗体(C-7) (Santa Cruz #sc-133153) 1,000 倍希釈 Human anti Human Actin Beta:HRP(バイオ・ラッド ラボラトリーズ #HCA147P)1,000 倍希釈 Nup98 抗体(C-5)(Santa Cruz #sc-74578) 1,000 倍希釈
二次抗体 60 分 30 分 60 分 30 分
Goat anti-Mouse IgG (H+L) Secondary Antibody [HRP] (Pre-adsorbed)(Novus #NB7574) 40,000 倍希釈 Goat anti-Mouse IgG (H+L) Secondary Antibody [HRP] (Pre-adsorbed)(Novus #NB7574) 40,000 倍希釈

露光時間

15 分 15 分 15 分 5 分 15 分
サンプル : (Flotillin-1)HeLa 細胞タンパク質抽出液(左)2 µg、(右)0.4 µg
(β-Actin, Nup98) HeLa 細胞タンパク抽出液(左)10 µg、(右)2 µg
ブロッキング : Bullet Blocking One 室温 5 分
検出 : Chemi-Lumi One Super / LAS-3000(High モード)

アルカリホスファターゼ(AP)標識抗体を用いた GAPDH の検出

本製品を用いて GAPDH の検出を行いました。二次抗体として AP 標識抗体を使用し、AP の基質である BCIP-NBT により発色させた実験系においても、HRP 標識抗体を用いた実験系と同様に反応時間を短縮することができます。

  AP 標識抗体使用 HRP 標識抗体使用
ブロッティング像 ap_1.png ap_2.png hrp_1.png hrp_2.png
抗体希釈液 本製品 0.1% tTBS 本製品 0.1% tTBS

一次抗体

 

30 分 60 分 30 分 60 分
GAPDH Antibody (Novus #NB300-322) 10,000 倍希釈

二次抗体

 

30 分 60 分 30 分 60 分

Goat anti-Rabbit IgG (H+L) Secondary Antibody [Alkaline Phosphatase] (Pre-adsorbed)(Novus #NB7181)50,000 倍希釈

Anti-Rabbit IgG, HRP-Linked Whole Ab Donkey(Cytiva #NA934)20,000 倍希釈
サンプル : HeLa 細胞タンパク質抽出液(左)2 μg、(右)0.4 μg
ブロッキング : Bullet Blocking One 室温 5 分
検出 : (AP 標識抗体使用)BCIP-NBT 溶液キット(#03937-60) 反応時間 10 分
(HRP 標識抗体使用)Chemi-Lumi One Super(#02230) / LAS-3000(Highモード) 露光時間 15 分

一次抗体に IgM を用いた GAPDH の検出

一次抗体としてアイソタイプが IgM の抗 GAPDH 抗体を使用し、本製品を用いて希釈を行いました。本製品は IgM にも使用可能であり、反応時間を短縮することができます。

ブロッティング像 igm_gapdh_1.png igm_gapdh_2.png
抗体希釈液 本製品 0.1% tTBS

一次抗体

 

30 分 60 分
GAPDH Antibody (1D4)(Novus #NB300-221) 50,000 倍希釈

二次抗体

 

30 分 60 分

Goat anti-Mouse IgM Secondary Antibody [HRP](Novus #NBP1-73694) 200,000 倍希釈

サンプル : HeLa 細胞タンパク質抽出液(左)2 μg、(右)0.4 μg
ブロッキング : Bullet Blocking One 室温 5 分
検出 : dChemi-Lumi One Super(#02230) / LAS-3000(High モード) 露光時間 15 分

高速化移行

移行チャート

p3-ikoutyato_o.png

性能比較

抗体希釈液 本製品 tTBS HIKARI A 社

A 社
(Protein-free)

B 社
ブロッ
ティング像
p3-BIRB.png p3-tTBS_4.png p3-HIKARI.png p3-A.png p3-A-protein-free.png p3-B_4.png
一次抗体 30 分 60 分
EGF Receptor (D38B1)XP Rabbit mAb(CST #4267) 1,000 倍希釈
二次抗体 30 分 60 分
Goat anti-Rabbit IgG (H+L) Secondary Antibody [HRP] (Pre-adsorbed)(Novus #NB7187) 50,000 倍希釈
サンプル : HeLa 細胞タンパク質抽出液(左)10 µg、 (右)2 µg
ブロッキング : Bullet Blocking One 室温 5 分
検出 : Chemi-Lumi One Super(#02230) / LAS-3000(High モード) 露光時間 3 分

使用方法

本製品で目的とする抗体濃度に希釈し、抗原抗体反応を行ってください。 反応時間は従来の半分を目安に短縮してください。 (一次抗体反応を冷蔵で一晩反応させている場合は、室温で 30 ~ 60 分を目安に短縮してください。)

詳細は取扱説明書をご参照ください。(取扱説明書は e-Nacalai からご覧いただけます。)

顧客使用例

大豆アレルゲンタンパク質(Gly m 4)の検出

本製品を用いて、大豆アレルゲンタンパク質(Gly m 4)の検出を行いました。本製品を使用することにより、 抗体反応時間を大幅に短縮できることがわかります。

  短時間プロトコール 通常プロトコール
ブロッティング像 p1-jitan-BIRB_o85%.png p1-jitan-5%skimmilk_o85%.png p1-tuujyou-BIRB_o85%.png p1-tuujyou-5%skimmilk_o85%.png
抗体希釈液 本製品 5% スキムミルク 本製品 5% スキムミルク

一次抗体

Anti Gly m 4 Rabbit Polyclonal Antibody(ST0225)(自家調製) 1,000 倍希釈

30 分(室温) 一晩(冷蔵)

二次抗体

Stabilized Peroxidase conjugated Goat Anti-Rabbit(H+L)(Thermo Fisher Scientific) 400 倍希釈

30 分(室温) 60 分(室温)
サンプル : 無調整豆乳(市販品)20 倍希釈
ブロッキング : 5% スキムミルク 室温 60 分
検出 : ECL(Cytiva)/ X 線フィルム 
露光時間 短時間プロトコール 8 分 / 通常プロトコール 1 分

ECL は、Cytiva として事業を行う Global Life Sciences Solutions USA LLC およびその関連会社の商標です。

本データは近畿大学 農学部 応用生命化学科 教授 森山 達哉 様/ 研究員 矢野 えりか様 よりご提供いただきました。

β-Actin タンパク質の検出①

本製品を用いて、 β-Actin タンパク質の検出を行いました。本製品を使用することにより、抗体反応時間を短縮できることがわかります。

抗体希釈液 本製品 0.1%-tTBS 5% スキムミルク
ブロッティング像 p2-jisirei2-burotingzou_1.png

一次抗体

Anti β-Actin Rabbit Antibody(CST) 5,000 倍希釈

20 分 60 分

二次抗体

Anti-Rabbit IgG (H+L) Secondary Antibody[HRP] (Novus) 5,000 倍希釈

 

20 分 30 分
サンプル : マウス白色脂肪細胞抽出液(10 µg/Lane)
ブロッキング : 5% スキムミルク 室温 60 分
検出 : ImmunoStar® LD(Wako)/ X 線フィルム 露光時間 15 分
ImmunoStar は富士フイルム和光純薬株式会社の登録商標です。

【使用者の評価】

通常、5% スキムミルクを抗体希釈液として使用し、一次抗体を 60 分、二次抗体を 30 分それぞれ反応させている。本製品を使用することにより、一次抗体、二次抗体共にわずか 20 分(短時間)の反応時間で同様のバンドが確認できた。

本データは京都大学大学院 農学研究科 食品分子機能学分野 准教授 後藤 剛 様 / 研究員 小森 雅臣 様よりご提供いただきました。

β-Actin タンパク質の検出②

Bullet PAGE One を用いて電気泳動後、タンク式ブロッティングを行いました。その後、Bullet Blocking One および、本製品を用いて β-Actin の検出を行いました。本製品および Bullet シリーズを使用することで、短時間で検出を行うことができます。

beta_actin.png
サンプル : HeLa 細胞タンパク質抽出液 10 μg より 2 倍希釈系列
SDS-PAGE : (泳動ゲル)Bullet PAGE One 5-15%, 17 wells(#13080-44)
(泳動用緩衝液)泳動用緩衝液(10 倍濃縮, SDS-PAGE 用, トリス-グリシン系)(#30329)を精製水にて 10 倍希釈して使用
(泳動条件)400 V、10 分
転写 : タンク式ブロッティング
(転写装置)Mini Trans-Blot® cell(バイオ・ラッド ラボラトリーズ)
(転写緩衝液)組成:25 mM Tris HCl、192 mM グリシン、20% メタノール
(転写条件)100 V、60 分
ブロッキング : Bullet Blocking One for Western Blotting(#13779) 室温 5 分
一次抗体 : β-Actin 抗体(C4)(Santa Cruz #sc-47778)2,000 倍希釈
Bullet ImmunoReaction Buffer(#18439-85)を用いて希釈 室温 30 分
二次抗体 : Goat anti-Mouse IgG (H+L) Secondary Antibody [HRP] (Pre-adsorbed)(Novus #NB7574)
40,000 倍希釈 Bullet ImmunoReaction Buffer(#18439-85)を用いて希釈 室温 30 分
検出 :

Chemi-Lumi One Super(#02230) 反応時間 1 分
C-DiGit® 化学発光スキャナー(LI-COR) 高感度モードにて検出

Mini Trans-Blot は Bio-Rad Laboratories, Inc.、C-DiGit は LI-COR, Inc. の登録商標です。

本データは京都薬科大学 統合薬科学系 教授 高田 和幸 様 / 助教 西村 周泰 様よりご提供いただきました。

FAQ(よくあるご質問/トラブルシュート)

Bullet ImmunoReaction Buffer はどのような製品ですか?
本製品は、Ready to use の抗体希釈液です。 本製品の使用により、抗原抗体反応時間を従来の約半分へ短縮することができます。
使用方法を教えてください。
本製品で目的とする抗体濃度に希釈し、抗原抗体反応を行ってください。 反応時間は従来の半分を目安にしてください。例えば、現在室温 60 分で抗体反応を実施されている場合は室温 30 分、冷蔵一晩の場合は室温 30 ~ 60 分に短縮できます。使用方法の詳細は、取扱説明書をご参照ください。
一次抗体反応、二次抗体反応ともに使用可能ですか?
可能です。 本製品は 1 液構成となっているため、一次および二次抗体で使い分けは不要です。
どのような抗原検出に対して使用可能ですか?
本製品は、さまざまな抗原検出に対して使用可能です。 本製品の実施例は、BULLETIN L-146、取扱説明書、当社 HP に多数掲載しておりますので、ご参照ください。
HRP 標識抗体および AP 標識抗体に使用可能ですか?
どちらにも可能です。 本製品は、HRP および AP に影響を与えない防腐剤を使用しています。各標識抗体を使用した実施例は、当社 HP をご参照ください。
一次抗体が IgM 抗体の場合、使用可能ですか?
可能です。 一次抗体に IgM 抗体を使用した実施例は、当社 HP をご参照ください。
二次抗体代替品を使用した場合、Bullet ImmunoReaction Buffer を用いて抗体反応時間の短縮は可能ですか?
可能です。 あくまで一例ですが、当社では、m-IgGκ-BP-HRP(Santa Cruz #sc-516102)に対して、本製品を用いた抗体反応時間の短縮が可能であることを確認しております。
ELISA、免疫組織染色への適応は可能ですか?
保証外です。 したがって、予備検討を行っていただく必要があります。
蛍光検出ウェスタンブロッティングへの適応は可能ですか?
本製品は、蛍光検出ウェスタンブロッティングの測定に使用不可な要素はございませんが、確認はしておりません。 したがって、予備検討を行っていただく必要があります。
シグナル増強剤 HIKARI と併用することは可能ですか?
可能です。 下記の組み合わせが考えられます。 ① 一次抗体を HIKARI A 液で希釈、二次抗体を本製品で希釈 ② 一次抗体を本製品で希釈、二次抗体を HIKARI B 液で希釈 ※併用とは、本製品と HIKARI を混合して使用するという意味ではありません。混合は推奨しておりません。
Bullet ImmunoReaction Buffer はリン酸化タンパク質の測定に使用可能ですか?
本製品は、リン酸化タンパク質の測定に影響を及ぼすような構成成分は含んでおりませんが、確認はしておりません。 したがって、予備検討を行っていただく必要があります。
現在シグナル増強剤 HIKARI(#02272、#02297)を使用していますが、Bullet ImmunoReaction Buffer に置き換え可能ですか?
既にシグナル増強剤 HIKARI(#02272、#02297)をご使用の場合、本製品への移行は推奨しておりません。 感度の低下や非特異反応の増加が生じる可能性があります。
Bullet ImmunoReaction Buffer を使用した際に、使用前のデータと比べて、バンドが濃い、または薄い場合、改善策はありますか?
抗体濃度および露光時間の調節を行ってください。 上記によるバンドの濃淡の改善例は、取扱説明書の参考データをご参照ください。
Bullet ImmunoReaction Buffer を使用した際に、目的のバンドは問題なく確認できるのに対して、ケミルミワンマーカー(#06456)のバンドのみ薄い場合、改善策はありますか?
本製品は、ケミルミワンマーカー(#06456)の検出感度をわずかに低下させることを確認しております。 HRP 標識ストレプトアビジン濃度の調節を行ってください。 ※ケミルミワンマーカー(#06456)は、ビオチン標識の数種類のタンパク質に、HRP 標識のストレプトアビジンが結合することで、化学発光検出可能なタンパク質マーカーです。

関連資料

価格表

製品名 規格 貯法 製品番号 容量 オンライン
カタログへ

Bullet ImmunoReaction Buffer

SP(免疫化学用) 冷蔵 18439-85 500 mL e-Nacalai.jpg

関連製品

関連製品 Bullet シリーズ

Bullet シリーズは SDS-PAGE から CBB 染色もしくはウェスタンブロッティングを高速化する試薬です。 シリーズすべてを使用していただくことにより、CBB 染色が約 30 分、ウェスタンブロッティングが約 2 時間で完了できます。

工程 製品名 時間
SDS-PAGE Bullet PAGE Plus Precast Gel 電気泳動 10 分
CBB 染色 Bullet CBB Stain Lite CBB 染色 15 分
転写 Bullet Semi-dry Transfer One 転写 10 分
ブロッキング Bullet Blocking One ブロッキング  5 分
抗原抗体反応 Bullet ImmunoReaction Buffer 反応時間を半分に短縮

※掲載内容は予告なく変更になる場合があります。