フラーレン関連カラム
フラーレンは溶解性や疎水性相互作用が一般的な低分子有機化合物とは異なるため、以前からあるカラムでは分析や分取精製がうまくできませんでした。弊社ではフラーレンの分離に適した固定相を持つカラムの開発を行い、現在 4 種類のフラーレン専用カラム(Buckyprep、Buckyprep-D、Buckyprep-M、PBB)を販売しています。4 種類のカラムを使い分けることにより C60 や C70 をはじめ高次フラーレン、金属内包フラーレン、誘導体化フラーレンなどの分析や精製が効率良くできます。また専用カラム以外にも、PYE や NPE がフラーレンの分離に使用できます。
製品説明
物性
充填剤名称 | Buckyprep | Buckyprep-D | Buckyprep-M | PBB |
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シリカゲル | 全多孔性球状シリカゲル | |||
平均粒子径(µm) | 5 | |||
平均細孔径(nm) | 12 | |||
比表面積(m2/g) | 300 | |||
固定相構造 | ||||
化学結合基 | ピレニルプロピル基 | ニトロカルバゾリル基 | フェノチアジル基 | ペンタブロモ ベンジル基 |
結合形式 | モノメリック | |||
エンドキャッピング処理 | あり | あり | なし | あり |
炭素含有率(約%) | 17 | - | 13 | 8% |
特長 | ・フラーレン分離のスタンダード | ・誘導体化フラーレン分離に効果的 | ・金属内包フラーレン分離に最適 | ・C60、C70などの大量分取に最適 |
保持力の比較
フラーレンに対して溶解力の高いトルエンを移動相としたときの各カラムの C60 と C70 に対する保持の大きさを示しました。コスモシールのフラーレン専用カラム(Buckyprep、Buckyprep-D、Buckyprep-M、PBB)や PYE はトルエン中において大きな保持を与え、C60 とC70 をきれいに分離しました。
トルエン中での保持力の比較
Conditions | |||
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Column size | 4.6 mm I.D. × 250 mm | Sample
|
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Mobile phase | Toluene | ||
Flow rate | 1.0 mL/min | ||
Temperature | 30℃ | ||
Detection | UV 325 nm or 312 nm |
フラーレン分離によく使用される溶媒の特長
溶媒名 | 特長 | C60に対する 溶解性(mg/mL) |
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トルエン | フラーレンの分離に最も汎用的に使用されます。 | 3.2 |
n-ヘキサン | トルエンよりも溶出力が弱い溶媒です。 | 0.046 |
n-ヘプタン | - | |
メタノール* | 0.001 | |
2-プロパノール* | - | |
アセトニトリル* | トルエンよりも溶出力が弱い溶媒です。Buckyprep-D の分析前の洗浄に使用します。 | 0.018 |
クロロベンゼン | トルエンよりも溶出力が強い溶媒です。 | 7.0 |
o-ジクロロベンゼン | クロロベンゼンよりも溶出力が強い溶媒です。 | 27 |
1,2,4-トリクロロベンゼン | 最も溶出力が強い溶媒です。洗浄にも効果的です。 | 21.3 |
移動相に使用する溶媒には必ず高速液体クロマトグラフィー用をご使用ください。 高速液体クロマトグラフィー用がない場合には、カラムの目詰まりを防ぐために、ろ過、あるいは、蒸留してからご使用ください。上記以外にも、アルカリ水溶液や強酸溶液以外の溶媒が使用可能です(水を含まないピリジンは使用可能です)。ただし、溶媒によっては粘度の高いものがありますので、分析圧力に十分にご注意ください。
*コスモシール Buckyprep-D は溶出力は強くなります。
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