毎日の培地交換が不要StemBeads EGF
細胞増殖因子は培養条件下では、不安定なケースが確認されています。本製品は、FDAで承認されている生分解性ポリマーであるPLGA[Poly(lactic-co-glycolic Acid)]にヒトEGFを結合させたビーズで、培地中で長期にわたり一定濃度のEGFを徐放します。これにより効率的な神経幹細胞等の細胞の増殖が可能です。また毎日培地交換をする必要がなく、休日の操作が不要で培地使用量も節約できます。
特長
- 培地中に一定濃度のEGFを徐放
- 培地交換は3日に1回
- 培地の使用量の節約や休日の操作が不要
国内研究者使用例:StemCultures社 StemBeads FGF2 / EGF マウス神経幹細胞での使用例
データご提供:
国立大学法人京都大学大学院 薬学研究科 ナノバイオ医薬創成科学 武井 義則 特定助教
実験概要
5日齢BALB/cマウス脳室下帯由来の神経幹細胞をポリオルニチンとラミニンをコートしたデッシュ上で培養した。表記の成長因子を含むN2B27培地で培地交換を行わずに3日間培養後、細胞を固定して免疫染色を行った。
結果
red:GFAP / green:Sox2 / blue:nuclei
StemBeads EGFとStemBeads FGF2を用いた時だけ、幹細胞マーカーのGFAPとSox-2の発現が維持されており、細胞の形も均一で幹細胞様の形態を維持していた。
性能評価-1
EGF 量の変化
StemBeads EGFを使用すると、3日間一定量でEGFが徐放されます。
性能評価-2
マウス神経幹細胞の培養
EGFを含まない場合(No EGF)、従来法(Soluble EGF)、本製品使用のそれぞれの培地を用いて、マウスの神経幹細胞を1週間培養し評価しました。上図では本製品使用時に、神経前駆細胞(Nestin+)およびニューロン(β-Tubulin-III)が最も多く増殖することが示されています。O4はオリゴデンドロサイトへ分化したことを示すマーカーです。下図では本製品使用時に、EGFを含まない場合(No EGF)、従来法(Soluble EGF)と比べると、細胞がより多く増殖していることが示されています。
使用方法
- チューブの底にStemBeadsが沈んでいるため、懸濁液を再混合します。
- 培地1 mLに対し、10 µLのStemBeadsを混合します。この場合、EGF濃度は20 ng/mLです。
細胞種によりますが、細胞密度は低-中程度になるようにしますと、3日間培地交換なしで培養可能となります。
FAQ
- 培地中に徐放されるEGFの濃度はどの程度ですか?
- 培地1 mLに対し、10 µLのStemBeadsを混合した場合、EGFの濃度は20 ng/mLです。他の濃度、例えば10 ng/mLに調節したい場合は5 µLを添加ください。
- StemBeadsの細胞/コロニーへの付着が認められます。問題はありますか?
- StemBeadsは生分解性ポリマーのPLGA[Poly(lactic-co-glycolic Acid)]から成りますので次第になくなり、細胞に悪影響はありません。
- StemBeadsの有効期限はどれくらいですか?
- 本製品は有効期限の短い製品です。有効期限に関してはお問い合わせください。
- StemBeadsはどのような細胞に適用できますか?
- 現時点では、マウスおよびヒト神経幹細胞での適用を確認しています。基本的に、EGFを必要とする細胞(例:がん細胞など)には適用可能と考えます。
- StemBeadsの使用時は、培地が通常時よりも黄色に変色します。何か問題はありますか?
- 培地の交換頻度が少なく済むために、pHが早く変化して黄色に変色します。このような現象が起こっても、細胞の増殖能や分化に影響は与えませんが、避ける場合には低密度で細胞を播種してください。
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価格表
※記載の内容は、'17年9月現在の情報に基づいております。
※研究者の皆様のご所属等の情報は、データご提供時の情報に基づいております。