⑫ カラムクロマト用充填剤のカラム充填方法
充填方法
湿式充填法
- コックを閉じたカラムを垂直に立て、溶媒をカラム長の1/3 の高さまで満たします。
- 細い棒を用いてコック上部に脱脂綿を少量押し入れた後、さらに押さえて空気を抜きます。
- 脱脂綿の上部に海砂を約5mm の厚さに加えます。
- ビーカーに所定量の充填剤を入れ、充填剤濃度が約30%(W/V)になるように溶媒を加えて良く 攪拌し、スラリー溶液とします。
- カラムのコックを開けてスラリー溶液をカラム上部から注ぎ込み、適当な高さのカラムベッド(分離床)を作ります。
- カラムベッドを安定化させるために、カラム体積の5 ~ 10 倍量の溶媒を通液します。
(その後下部のコックを閉じて一夜静置するとなお良い)。 - カラムベッド上部に海砂を約5mm の厚さに加えると、サンプルや溶媒の添加時にカラムベッドが乱れにくくなります。
乾式充填法
- 乾燥させたガラスカラムの下部にエンドフィッティングを取り付け、垂直に立てます。
- 上部から充填剤をベッド高約3cm(75µm、140µm は約5cm)になるように加え、カラムを少しずつ回しながら、 約100 回(約2 分間)軽く上下にタッピングします。この場合、充填剤が飛び跳ねない程度の強さが適当です。
- この操作をカラム長の残り5cm の高さになるまで繰り返します。
- 残り5cm は充填剤をベッド高1cm ずつ加え、同様にタッピングします。
- カラム上端まで達したら、充填剤表面を溶媒で湿らせて、平らに整形します。
- カラム上部の縁についた充填剤をきれいに拭い取ってからエンドフィッティングを取り付け、締め付けます。
- チューブを接続し、カラム体積5 ~10 倍量の溶媒を通液して空気を完全に除去し、カラムを安定化させます。
カラムの構造
表1 耐圧
カラム内径(mm.I.D.) | 耐圧(MPa) |
---|---|
8 | 5.0 |
20 | 3.0 |
30 | 2.0 |
50 | 2.0 |
ガラスカラム用樹脂オシネ、フェラルの接続方法
直に切断された外径1/16 インチ樹脂(テフロン)チューブに①樹脂オシネ、②樹脂フェラル、③ O リングをセットし、チューブの先端を5mm 程度出してからカラムに挿入して手で締め付けてください。
カラムサイズと適正流量
表2 中圧カラムクロマトグラフィーでのカラムサイズと適正流量
カラム内径(mm.I.D.) | カラム長(mm) | 適正流量(ml/min) |
---|---|---|
8 〜 10 | 150 〜 500 | 1 〜 2 |
20 | 150 〜 500 | 4 〜 10 |
30 | 150 〜 500 | 10 〜 25 |
50 | 150 〜 500 | 25 〜 60 |
注)
液体クロマトグラフ装置の配管の内径が小さいと、高流量時の圧力が高くなりますので、内径0.5mm以上の配管でのご使用をお薦めします。
もし配管の圧力が高い場合は圧力が2MPa以下となるように流量を調節してください。