グローバル人材の座談会

  • Y.L.
    Y.L.
    台湾出身
    経営工学卒 M.B.A.
    2018年 キャリア採用

    所属 国際開発課
  • C.L.
    C.L.
    中国出身
    経済学部卒
    2020年 新卒

    所属 国際開発課
  • M.W.
    M.W.
    中国出身
    会計学科卒
    2018年 キャリア採用

    所属 国際開発課
  • D.K.
    D.K.
    USA出身
    化学・生化学部卒
    2013年キャリア採用

    所属 国際開発課
  • K.S.
    K.S.
    日本出身
    バイオテクノロジー科卒
    2001年 新卒

    所属 国際開発課 課長
  • P.D.
    P.D.
    インドネシア出身
    脳科学博士課程修了
    2023年 新卒

    所属 バイオサイエンス研究課
※所属部署はインタビュー当時のものです。

ビジネス環境がますますグローバル化し、海外とのやりとりや外国籍の方と協働する機会が増えつつあります。
留学生の方や外国籍の方にとって、当社のグローバル部門の環境や今後のビジネス展開の理解に役立てばと考え、当社国際部門で働く外国籍の方のディスカッションを企画しました。ぜひ参考にしてください。

日本で働こうと思ったきっかけや、ナカライに入社を決めた理由を教えてもらえますか?

C.L.C.L.
日本語学校での1年間と大学4年間を京都で過ごしていたので、住み慣れた京都で働きたいと考えていました。母も日本での就職に賛成してくれていて、就職活動をした結果、複数の企業から内定をいただきました。ナカライに入社を決めたのは、住み慣れた京都で働けることに加え、文系の自分にとっては理系の知識がいる営業は、自分にとって挑戦にもなりますし、努力した分、成長曲線を一番描けると思ったからです。
M.W.M.W.
前職は日本のデパートで化粧品の販売や通訳を担当しておりましたが、他の業種も経験してみたくなり転職活動を開始しました。その中で、ナカライの海外ユーザー(代理店)に対する営業の求人票を見つけ、これまでの営業経験と語学力を生かせると思い、応募しました。化粧品を一般ユーザーに販売するのも、当社の製品を代理店に販売するのも、自分が良いと思った商品を紹介して販売するという意味では同じ営業職ではあるものの、化学や研究に関する新しい知識やスキルを日々、アップデートする必要があるため、後者の方が学ぶべきことが多いです。また、毎日、中国語と日本語、英語の3つの言語を使用しておりますが、専門用語も多いため、前職と比較してもナカライのほうがよりチャレンジングだと感じております。しかし、こうした状況だからこそ、仕事に対して熱意を持ち続けられ、充実した日々を過ごすことができていると感じています。
Y.L.Y.L.
台湾で大学を卒業後、アメリカでMBAを取得し、日本で日本語を勉強してから台湾で就職しようと思っていました。しかし、せっかく日本で学んだので、日本で働かないまま帰国するのはもったいないし、母国以外での社会人経験を積みたいと思い、内定をもらえるまで就職活動を頑張りました。
P.D.P.D.
インドネシアでは企業の倒産件数や従業員を解雇している企業も多いのですが、日本では経営が安定している企業が多いので、安心して長く働ける点がとても魅力的でした。また、大学院で研究をしている時からナカライの製品は身近な存在だったのと、自分が専門としている研究分野で貢献できれば嬉しいと思ったからです。

母国と日本で働き方の違いを教えてもらえますか?

M.W.M.W.
中国の金融機関で1年間働きましたが、日本と比べてお休みが少なかったり、当時は長時間労働が当たり前だったりと、時間感覚が全く違うと感じております。
また、日本ではビジネスにおいて社外の方とのやり取りはメールが主流ですが、海外のお客様はメッセンジャーアプリが主流のため、平日の夜間とか休日でも関係なくメッセージが届くなど、スピードがとても速いです。すぐにでも返信をしたいところですが、働き方改革の一環でPCは就業時間外は制限がかかるため、リアルタイムでの返信ができなくて心苦しい面もありますが、翌営業日の午前中には必ず返信するようにしております。
P.D.P.D.
インドネシアではジョブディスクリプションが明確になっており、その範囲内での仕事しかしない印象がありますが、ナカライでは仕事を通じて会社のことを知ってもらい、社員の成長を促すためなのか、専門職ではなくゼネラリストとしての働きを求められています。また、日本では何をするにも上司や先輩の指示命令でやらなければならない、小さなことでも許可がないとやってはいけないイメージがありましたが、ナカライではそんなことはなくて、個人として大きく成長する機会があります。さらに、日本では時間の大切さや礼儀作法、言葉を通して相手を気遣うこと、効率よく仕事をするための計画の立て方など、たくさんのことを学んでいます。
Y.L.Y.L.
台湾では働いていないので友人から聞いた話も含まれますが、例えば始業時間が9時の場合、9時1分前に出社してから通勤途中に屋台等で購入した朝ごはんを食べながら仕事をしたり、ランチやアフタヌーンティーを社内の人たちとデリバリーを頼んだりするのでのんびりしているように見えます。その一方で、メッセージへの返信にはスピードを求めるなどのアンバランスさが面白いと思っています。
D.K.D.K.
大学時代に日本に留学し、卒業後は日本で働いたので、アメリカの企業で働いたことはないのですが、アメリカでは成果だけを重視するのに対し、日本では誠実さや信頼関係も重視しているように思います。例えば、ビジネスである以上は成果が出るに越したことはないのですが、過程も含めて評価してもらえると思います。

留学生に日本で働く上でのアドバイスをもらえますか?

P.D.P.D.
外国籍の人にとって日本企業が採用時に重視する日本語力は大きな壁ではありますが、この仕事がしたいという目的意識があれば日本語は身につきます。また、周りに英語が分かる人がいる環境なのであれば、英語を部分的に使用してでも、お互いミスコミュニケーションがないように、きちんとコミュニケーションを取ってほしいと思います。
C.L.C.L.
同じように教えてもらっても、習得するスピードに個人差があるのは当然です。また、日本語がすべて理解できなかったとしても、分かっているフリをするのは止めた方が良いです。何度も同じことを説明してもらうのは、相手に申し訳ないと感じてしまうかもしれませんが、日本の諺にもあるように「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」です。
Y.L.Y.L.
会社が英語講座を実施しているので、英語が通じる人も社内にはたくさんいますが、社内規定やルール、マニュアル等が日本語しかないので、ある程度の日本語力は必要です。また、化学系・事務系の仕事内容によって専門用語が異なるため、まずはビジネス会話やビジネスマナーが分かれば問題なく働けると思います。

日本語で失敗したエピソードがあれば教えてください。

P.D.P.D.
プライベートでネット通販をする際に、漢字が読めずに勘でクリックすることがあるのですが、研究で使用する自社製品を発注する際に、2本買うつもりが20本(1パック10本入りを2つ)購入してしまいました。たまたま使用頻度が高い製品だったので問題にはならなかったのですが、先輩には大笑いされ、優しくフォローしてもらいました。やはり勘でクリックしてはダメだなと反省いたしました。

3年後、5年後、10年後にどうなっていたいですか?

Y.L.Y.L.
これからもグローバルな企業を目指したいです。もちろん、海外だけではなく内なるグローバル化も目指して、極端ではありますが、10年後に社員の3分の1が外国籍だったりすると、色々とユニークな変化が起こっているかもしれないなと思っています。あとは、研究用試薬以外のビジネスもしているかもしれないので、ドバイでミーティングができるくらいにビジネスが化けていたら面白いなと思います。そのためにも今からアラビア語を勉強して、挨拶や簡単な会話ができるぐらいにはなっていたいなと思っています。
D.K.D.K.
「3分の1が外国籍」は、現実的には難しいとは思うけど、1割を目指すのであれば、毎年3~4名が入社すれば達成できる数字だと思います(笑)
今はインドにおけるコスモシールを担当しているのですが、最近開発されたDL-アミノ酸ラベル化キットに関するセミナーをお客様のご要望に応じて実施したところOEM契約に繋がりました。このように、これからもお客様のニーズに応じて、色々な種類をつくり、コスモシール株式会社の設立を目指します(笑)
P.D.P.D.
アジアをターゲットに市場開拓しているので、ナカライの知名度を上げるプロセスに関わりたいです。例えば自社製品の特徴を勉強し、説明する上で必要な知識も習得して、どんなことを聞かれても○○であればこれがオススメだと世界にアピールできるようになっていたいです。
あとは、母国のインドネシアの工場長になっているかもしれません(笑)
M.W.M.W.
海外の展示会や学会にも積極的に参加し、知名度を高めてナカライのファンを増やし、中国全体の売上を全社の得意先別売上のトップ5まで押し上げたいです。
C.L.C.L.
もっとたくさんの方にナカライの製品を使って欲しいので、ブランド力を上げていきたいです。また、今は各国の代理店からエンドユーザーにご提案いただいていますが、年に何度かは直接訪問して、エンドユーザーにも直接アプローチをしてみたいです。
K.S.K.S.
M. W.さんが入社して中国の売上が伸び、Y. L.さんが入社して台湾の販売店との距離が近くなり、P.D.さんが入社してインドネシアとのコネクションができたので、これからターゲットにしたいアジア圏の方に入社してもらえると、ビジネスのスピードが加速しそうで楽しみです。

ナカライで働く魅力を教えてください

P.D.P.D.
国内外の市場の要望に応じて、新しい製品を生みだす研究開発の仕事をしていますが、上司が分かりやすい簡単な日本語で話してくれたり、今のスキルのちょっと上の仕事をしましょうと言ってくれたり、これまでにない面白い製品を創ることや、新しい市場で新しいお客様を探そうとしている自分のチャレンジを応援してくれるので、とても働きやすいです。
また、京都は千年の歴史をいたるところで感じられるので、週末に日用品を買いに出かけるだけでもまるで観光客になった気分を味わえますよ!
Y.L.Y.L.
ここ数年、管理部門に女性管理職の方が数名入社したり、新しいアイデアを持つ管理職の方が増えてきたので、会社全体の雰囲気がより穏やかになり、社員の意見が反映されるようになったと感じています。国際開発課は変化が激しい国際市場で戦っているので、こういう新しい風が吹き込んでいることはとても素晴らしいなと思っています。あとは電子化が進み、在宅もできるようになったので、とても働きやすいです。
C.L.C.L.
在宅は通勤時間がない分、疲れを感じないし、お客様対応に集中でき、とても働きやすいです。夕方以降の問い合わせが多いのですが、在宅を開始してから効率が良くなり、当日中に対応できる業務が増えた気がするので、直接お聞きしたわけではありませんが、お客様も助かっていると思います。
M.W.M.W.
C.L.さんに付け加えるなら、在宅だとオンラインでの打ち合わせがない限りはお化粧の時間もいらないし、自分の采配で休憩時間も自由に決められるので、効率の良い働き方に繋がっています。
Y.L.Y.L.
僕もM. W.さんと一緒で、休憩時間を自分でコントロールできるので、市場調査やニュース、トレンドなど、情報収集できる時間が増えました。
D.K.D.K.
国際開発課は月に2回の出社日以外は在宅をOKにしているので、最近は通勤することがほとんどなく、あんなに嫌だと思っていた通勤時間が楽しいと思えるようになりました。また、在宅だと仕事の前に子どもを保育園に預けに行けたり、お昼ご飯を作れたりするなど、プライベートにも時間を使えるし、自己啓発のための時間も取れるのでこれからも在宅をしたいと思っています。ただ、仕事で成果を出したり、メンバーとのコミュニケーションのためには定期的な出社も必要だと思っています。

どんな人が活躍すると思いますか?

C.L.C.L.
海外市場では通訳のセンスも必要ですが、専門用語も多く、少しでも説明を間違えると実験結果が想定どおりにならなかったりするので、国際開発課では、できれば実験をしていたり、試薬を扱ったりしたことのある理系の方が活躍できるのではないかなと思っていますが、どう思いますか?
D.K.D.K.
C.L.さんの言うとおり、営業においては専門用語が理解しやすいので、入社して数年間は理系が有利だとは思いますが、文系でも活躍している社員はたくさんいますし、広報とかクリエイティブな仕事では、何を学んできたかは関係ないと思います。
また、研究職では新しい技術を開拓するチャレンジ精神のある方は、会社にもマッチすると思います。
Y.L.Y.L.
新しいことを自分で見つけて行動できる力が必要なので、想像力、行動力、変化適応力がある人は活躍できると思いますし、そういった方と一緒に働きたいなと思います。あとは、残業は多くないですし、飲み会もたまにあったりするので、オンとオフをきちんと切り分けて楽しむことも大切です。
P.D.P.D.
明るくてポジティブな人だと、チームで積極的かつオープンなコミュニケーションができるので、仕事を迅速かつプロフェッショナルに遂行できるようになると思います。