⑯ 粒子径 5 µm C18 カラムをお使いの方へ
C18 カラムには違いがあります。
C18 カラム選択ガイド
物性表
充填剤名称 | C18-MS-II | C18-AR-II | C18-PAQ | C18-EB |
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シリカゲル | 全多孔性球状高純度シリカゲル | |||
平均粒子径(µm) | 3, 5, 15 | 3 | ||
平均細孔径(約 Å) | 120 | |||
比表面積(約 m2/g) | 300 | |||
化学結合基 | オクタデシル基 | |||
USP カテゴリー | L1 | |||
結合形式 | モノメリック | ポリメリック | モノメリック | |
主な相互作用 | 疎水性 | |||
エンドキャッピング処理 | あり | |||
炭素含有率(約%) | 16 | 17 | 11 | 14.5 |
使用可能 pH 範囲 | 2 ~ 10* |
1.5 ~ 7.5* | 2 ~ 7.5 | 2 ~ 10* |
*シリカベースのカラムでは一般的な推奨 pH は 2 ~ 7.5 の範囲となります。推奨 pH 外での使用は可能ですが劣化を早める恐れがあります。
C18-MS-II はトータルバランスに優れたカラム
C18-MS-II は、高い理論段数、低い分析圧力、大きな疎水性相互作用、塩基性化合物や金属配位性化合物のピークがシャープ、といった C18 カラムに必要な基本特性を満たしたトータルバランスに優れた C18 カラムです。
基本特性
分析条件 | |
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カラム | 5C18-MS-II 4.6 mmI.D. × 150 mm |
移動相 | Methanol / H2O = 60 / 40 |
流 速 | 1.0 mL/min |
温 度 | 30℃ |
検 出 | UV 254 nm |
サンプル |
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表 疎水性相互作用、分析圧力、理論段数の比較
カラム名 | 疎水性相互作用 α(Toluene / Benzene) | 分析圧力 (MPa) | 理論段数 (Toluene) |
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5C18-MS-II | 1.96 | 8.3 | 14,300 |
A 社製 C18 | 1.99 | 13.0 | 16,800 |
B 社製 C18 | 1.94 | 8.0 | 14,000 |
C 社製 C18 | 1.69 | 11.2 | 5,600 |
D 社製 C18 | 1.84 | 10.5 | 14,200 |
C18-AR-II の立体選択性
非平面性化合物(o-Terphenyl)に対する平面性化合物(Triphenylene)の保持は、モノメリック型 C18-MS-II よりもポリメリック型 C18-AR-II の方が大きくなります。そのため、ポリメリック型は、立体的な構造の違いの認識に優れています。
立体選択性の比較 1
分析条件 | |||
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カラムサイズ | 4.6 mmI.D. × 150 mm | 検 出 | UV 254 nm |
移動相 | Methanol / H2O = 90 / 10 | サンプル |
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流 速 | 1.0 mL/min | ||
温 度 | 30℃ | 注入量 | 1.0 µL |
立体選択性の比較 2
分析条件 | |||
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カラムサイズ | 4.6 mmI.D. × 150 mm | 検 出 | UV 254 nm |
移動相 | Methanol / H2O = 30 / 70 | サンプル |
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流 速 | 1.0 mL/min | ||
温 度 | 30℃ | 注入量 | 1.5 µL |
C18-PAQ の水 100% 移動相での保持安定性
C18-PAQ は、C18 の結合量を適度に調整することにより水 100% でも安定した保持時間が得られます。 親水性化合物の分析に適した C18 カラムです。
水 100% 移動相での保持安定性
上図は、水 100% の移動相(20 mmol/L りん酸緩衝液 pH 7)でチミンを 4 回分析後、60 分送液を停止し、その後、分析を再開した時の保持時間の変化を示しています。一般的な C18 カラムでは送液の停止前後で保持時間が変化しましたが、コスモシール 5C18-PAQ ではほとんど変化なく、安定した分析を行うことができます。
核酸塩基の分析例
分析条件 | |||
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カラム | 5C18-PAQ 4.6 mmI.D. × 150 mm | 検 出 | UV 254 nm 0.16 AUFS |
移動相 | 20 mmol/L Phosphate(pH 7) | サンプル |
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流 速 | 1.0 mL/min | ||
温 度 | 30℃ |
C18-EB のシャープなピーク形状
C18-EB はエンドキャップ効果をさらに向上させたことにより、塩基性化合物に対してシャープなピーク形状が得られるカラムです。
塩基性薬剤
分析条件 | |||
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カラム | 3C18-EB 4.6 mmI.D. × 75 mm | 検 出 | UV 254 nm |
移動相 | Methanol / 20 mmol/L Phosphate Buffer(pH 7.0) = 50 / 50 | サンプル | Phenytoin [5,5-Diphenylhydantoin] (1.0 mg/mL) |
流 速 | 1.0 mL/min | 注入量 | 1.0 µL |
温 度 | 40℃ |
金属配位性化合物
分析条件 | |||
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カラム | 3C18-EB 4.6 mmI.D. × 75 mm | 検 出 | UV 254 nm |
移動相 | Acetonitrile / 20 mmol/L Phosphoric Acid = 10 / 90 | サンプル |
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流 速 | 1.0 mL/min | ||
温 度 | 40℃ | 注入量 | 2.0 µL |
粒子径の変更でランニングコストが抑えられます!
粒子径を 5 µm から 3 µm へ
充填剤の粒子径を微小化すると、短いカラムで同等の分離が得られます。
粒子径 5 µm、長さ 250 mm → 粒子径 3 µm、長さ 150 mm
粒子径 5 µm、長さ 150 mm → 粒子径 3 µm、長さ 100 mm
3 µm へ変更することのメリット
①分析時間を短縮できる
②消費溶媒量の削減につながる
③カラムの価格が安くなる(一部を除く)
注)圧力について
5 µm よりもカラムにかかる圧力は、大きくなります。
粒子径 5 µm、長さ 250 mm から粒子径 3 µm、長さ 150 mm へ変更すると、圧力は変更前と比較して、約 1.7 倍となります。
粒子径、カラム長の関係(全多孔性シリカゲル)
粒子径やカラム長を変えると、分析時間、カラム圧力、そして理論段数は変化します。
比率 | 分析時間 | カラム圧力 | 理論段数 | 分離性能 |
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粒子径を 1 / X 倍に変更する | 変わらない | X2 倍 | X 倍 | 細かい方が高い |
カラム長を 1 / Y 倍に変更する | 1 / Y 倍 | 1 / Y 倍 | 1 / Y 倍 | 長い方が高い |
X:(現在の粒子径 ÷ 変更後の粒子径) Y:(現在のカラム長 ÷ 変更後のカラム長)
①分析時間の短縮、②消費溶媒量の削減
カラム | 保持時間(Peak 5) | 理論段数(Peak 4) | 分析圧力 | 消費溶媒量 |
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Fully Porous 5 μm | 約 37 分 | 23,000 | 13.2 MPa | 約 30.4 mL |
Fully Porous 3 μm | 約 25 分 | 25,000 | 18.8 MPa | 約 20.8 mL |
※同じ C18 カラムにおいてもカラムにより保持時間が多少異なります。
そのため分析時間短縮・消費溶媒量の削減量は、理論上の値と異なる場合があります。
※消費溶媒量は概算です。
流速 0.8 mL/min × [保持時間 +1 分]で計算しています。
③カラムの価格
各充填剤ページからご確認ください
充填剤名称 | C18-MS-II | C18-AR-II | C18-PAQ | C18-EB |
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