COSMOSIL 高機能型カラムフェニルヘキシル型、ペンタフルオロフェニル型との比較例
近年、C18 カラムと異なる分離特性を有するカラムが増加してきています。今回、他社製品のフェニルヘキシル型(Phenyl-C6)カラムおよび、ペンタフルオロフェニル型(PFP)カラムと弊社高機能型カラムとの比較例について紹介します。
固定相と物性一覧表
製品名 | S 社 | S 社 | フェニル型カラム | 高機能型カラム | 汎用 5C18 カラム | ||
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5PE-MS | πNAP | Cholester | NPE | 5C18-MS-II | |||
化学結合基 | フェニルヘキシル基 | ペンタフルオロフェニルプロピル基 | フェニルエチル基 | ナフチルエチル基 | コレステリル基 | ニトロフェニルエチル基 | オクタデシル基 |
固定相構造 | |||||||
平均粒子径(µm) | 5 | ||||||
平均細孔径(約 Å) | 100 | 120 | |||||
比表面積(約 m2/g) | 400 | 300 | |||||
エンドキャッピング | あり | 不明 | あり | ||||
特長(メーカー資料より) |
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フェニルヘキシル型カラムと COSMOSIL 高機能型カラム
- コスモシール πNAP は、フェニルヘキシル型カラムよりも高分離を示す!
フタロニトリルの分析例
位置異性体の分析を行いました。フェニルヘキシル型よりも π-π 相互作用が強いコスモシール πNAP を用いることにより完全に分離することができました。
分析条件 | |||
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カラムサイズ | 4.6 mmI.D. × 150 mm | サンプル |
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移動相 | Methanol / H2O = * / * | ||
流 速 | 1.0 mL/min | ||
温 度 | 30℃ | ||
検 出 | UV 254 nm | 注入量 | 2.0 µL |
π-π 相互作用の比較例
ニトロベンゼンの保持、すなわち各カラムの π-π 相互作用の強さを比較しました。結果、フェニルヘキシル型は、コスモシール πNAP よりも非常に弱い π-π 相互作用を示しました。
疎水性の比較例
アルキルベンゼンの保持、すなわち各カラムの疎水性の強さを比較しました。結果、フェニルヘキシル型は、コスモシール πNAP と同等の疎水性を示しました。
まとめ
π-π 相互作用の比較例のデータでは、C6 のスペーサーを持つフェニルへキシル型カラムは、より短い C2 のスペーサーを持つ 5PE-MS よりも π-π 相互作用は弱く、さらにナフタレンを固定化したコスモシール πNAP よりも非常に弱い π-π 相互作用を示しました。
また、疎水性の比較例のデータでは、フェニルへキシル型カラムは、より短い C2 のスペーサーを持つ 5PE-MS より疎水性が高く、πNAP とは同等の疎水性を示しました。
これらの結果から、コスモシール πNAP は、適度な疎水性相互作用と強力な π-π 相互作用によりフェニルへキシル型よりも分離能が高いことが示唆されました。
ペンタフルオロフェニル型カラムと COSMOSIL 高機能型カラム
- COSMOSIL 高機能型カラムは、ペンタフルオロフェニル型カラムよりも高分離能を示す!
分子形状認識能
分子形状認識能(平面認識能)が高いカラムは、平面性が高い化合物(Triphenylene)に対して保持が大きくなります。結果、ペンタフルオロフェニル型カラムは、高い分子形状認識能を示しましたが、コスモシール Cholester の方がさらに分子形状認識能に優れていることが明らかになりました。
分析条件 | |||
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カラムサイズ | 4.6 mmI.D. × 150 mm | 検 出 | UV 254 nm |
移動相 | Acetonitrile / H2O = 80 / 20 | サンプル |
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流 速 | 1.0 mL/min | ||
温 度 | 30℃ | 注入量 | 1.5 µL |
ふっ化物の分析例(ペンタフルオロフェニル型と COSMOSIL 高機能型カラムの比較)
ふっ化物の分析を行いました。ペンタフルオロフェニル型カラムにおいて C18 カラムとは異なる分離挙動を示したが完全な分離には至りませんでした。一方、双極子-双極子相互作用を有するコスモシール NPE を用いることによりふっ素二置換体を完全に分離することができました。
分析条件 | |||
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カラムサイズ | 4.6 mmI.D. × 150 mm | サンプル |
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移動相 | Methanol / H2O = * / * | ||
流 速 | 1.0 mL/min | ||
温 度 | 30℃ | ||
検 出 | UV 254 nm | 注入量 | 2.0 µL |
まとめ
ペンタフルオロフェニル型カラムは、芳香環にふっ素を結合させることにより平面認識能、ハロゲンの認識能を高めたカラムです。このことにより位置異性体やハロゲン化物に対して有効なカラムです。
しかし、コスモシールのそれぞれ位置異性体に有効なカラムであるコスモシール Cholester や、双極子-双極子相互作用によりハロゲン化物に対して有効な NPE を用いることによりペンタフルオロフェニル型カラムよりも高い分離能を示しました。